Monolog 2023/03,13
選ばれてあることの恍惚と不安、我にあり。
(ヴェルレーヌ引用)
わたし、恋をしたみたい。
そう、過去の私へ
あなたは、もうちっぽけな泣いてばかりの私じゃなくなるよ。
舞台のうえは、スポットライト。
ねえ、聞こえる。
あの人の声。
鍵盤に触れる音とピアノの旋律。
ああ、わたしのなかで飽和する思いのすべてが、綺麗ならいいのになって思うのにね。
眠る前、ぼんやり祈ってしまう癖。
やめらんない。
「湿地帯を思わせるあの夏の夜道が、恋しいわね」
だなんて、馬鹿げてる台詞をなぞって。
そうかもしれない。と無言で頷くのよ。
あなたと私で、繋いだ手がここにあるなら。
世界のことなんて、知らなくてもいいのにな。
ぬるい炭酸も、絡めあった足で蹴ったり、解いたり。
無辜な寝顔の全て。
私、あなたのことが、大好きだからね。
おやすみを伝えるのも、おはようを伝えるのも。
あなたがいい。
良い夢を
良い夢を
私はきっと、幸せだ。