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工場見学レポート:オフセットインキってどうやってできてるの? 都インキ様にお邪魔して聞いてみました。

こんにちは、ツジカワSNSチームスタッフです!!
先日都インキ株式会社様の工場に見学に行ってオフセットインキの製造工程を勉強してきました!

中の人は普段、箔押しやエンボス版の作成指示や、シールや工業用フィルムをカットするための刃の作成指示を出したりしているわけですが、
正直「インク」というものに対する業務上の関わりは薄いです。

というのも、箔押し・エンボス・カットなどの加工は、基本的に印刷済の製品に施される加工であるため、正直に言うとインクに関して専門的な知識がなくても仕事上あまり問題にならないんです(キリッ)。

んな訳あるかい!とお叱りの声が飛んでくる前に言っておくと上記のような言い訳を盾に中の人が勉強してこなかっただけです。

仮にも印刷業界の片隅に身を置くってゆうか足の小指をギリギリ引っ掛けている身としてはちゃんとインクのことも勉強したい!
ということで今回縁あって都インキ様の工場を見学しながらオフセットインキについて色々教えていただけることとなりました。

インキの構成要素

まずオフセットインキは大まかに

  • 顔料

  • ビヒクル(ワニス)

  • 助剤

の3つで組成されています。

顔料

粉状の顔料

顔料はインキに色をつけるために使用されます。
大別すると無機顔料有機顔料があり、前者は鉱物や金属などの無機化合物を、後者は石油類を合成した有機化合物をベースに作られます。

金や銀の色は無機顔料から作られるそうですが、一口に「金」といっても「青口の金」(5円玉の色)、「赤口の金」(10円玉の色)など色々あるそうです。おもしれー

ビヒクル(ワニス)

まったくわからんことばが出てきました。
こちらはインキに流動性を与え、顔料を運搬する機能と顔料を印刷物につなぎとめる接着剤としての機能を持つ原料です。
油で構成されているのでグリセリンみたいな固めのねちゃっとした見た目です。
粉状の顔料につなぎのワニス入ることによって液体のインキとなります。
実際インキの約50%~80%がワニスで構成されているそうです。
vehicle=乗り物って習ったけど媒材という意味もあるんだなー

助剤

インキの適正を向上させるために使用される添加剤。
速乾性をもたらしたり、接着を良くして擦れに強くしたり、インキの粘度を調整したりするために使用されます。

いざ!製造工程へ!

インキの組成を勉強したところで工場にて実際の製造工程を見せてもらうことになりました。

顔料・ワニスは決められた分量に沿って計量・配合された後、巨大タンクでかき混ぜられます。

混ぜ合わせる前の原料(黄色)
巨大タンク(直径1mぐらいあります)

その後3本ロールミルと呼ばれる機械に通されます。
この機械に通すことによって顔料を細かくすりつぶし、顔料とワニスをむら無く滑らかに混ぜ合わせます。

ロールミルですり潰されたインキ(赤)が出てくるところ
トマトピューレみたい!!

このロールミルに通す作業を「練肉」(れんにく)と呼ぶそうです。
「練」はねりねりしてるからわかるんですが、「肉」・・・?
その後も「調肉」(ちょうにく)とか「着肉」(ちゃくにく)とか「」がつくワードがたくさんありました。
よく考えると「朱肉」(しゅにく)もですね。
インク=肉ということなんでしょうか。

その後さらに助剤を添加し、撹拌・検査をするとベースインキが出来上がります。
ベースインキとは、文字通りベースとなるインキのことで、このベースインキ同士をさらに混ぜ合わせて、助剤を添加することで製品として出荷できるインキが出来上がります。

色味を確認しているところ

特色の調肉(ちょうにく)も見学させていただきました。
特色とは一般的なラインナップの製品ではなく、各顧客の要望に沿って調合するインキのことです。

特色の色合わせをしているところ

お客様からサンプルや現物を預かってそれと同じ色になるようにインキの配合を決めていきます。
ざっくりとした配合は機械でできるそうですが、やはり、人の目による修正が必要で、機械の配合だけでは依頼通りの色は出ないそうです。
また、色味を見るときに蛍光灯下か、太陽光下かなども、お客様によって指定があるとのこと。
写真にはもちろん写せませんが「あ!これみたことある!」という商品も多々ありました。

工場見学を通して、(近年は小ロットの依頼も多い中で)顧客の細かい要望に柔軟に応えつつ、丁寧に製品を作られているんだなぁと感じました。
職人さんの見事なヘラさばきでインクが缶に詰められていく様子や、ピタリと足りない色をあてる調色マイスターの視線はかっこよかったです。

また、都インキ様は「におわなインキ」などの低臭インキや抗菌インキなど新製品の開発にも力をいれておられます。詳細は公式HPご覧ください!

普段ならなかなか見ることのできないオフセットインキの製造工程を見ることができて非常に勉強になりました!
都インキさま本当にありがとうございました!!


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