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手軽さと、集中力とはトレードオフ

先週の日曜日、義理の両親の「子ども見とくから、好きにすれば?」という、甘〜いお言葉にど甘えて、久しぶりに映画館に行った。

観る映画は、最近公開されたばかりの「シン・ウルトラマン」!!
「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン」に続くシン・シリーズの最新作。

その映画が面白いかどうかの僕の基準が一つだけあって、それは「背もたれから背中が離れるかどうか」

感情が揺さぶられたり、グッと見せられる場面になると、つい前のめりになって、画面に見入ってしまう。
逆にグッとこないと、僕の背中は背もたれに張りついたままだ、

「シン・ウルトラマン」は、僕の体を前傾させることに成功し、僕基準でいう「面白い映画」に入った。

正直なところ特別ウルトラマンのファン!というわけではない。子どもの頃、観るには観ていたし、フィギュアなども持っていたような気がするが、どちらかというとスーパー戦隊ものとかにハマっていた気がする。

「ウルトラマン」を観たのは、それこそ「シン・シリーズ」だからであり、庵野監督作品だからというところが大きい。

「シン・ウルトラマン」の元となった旧ウルトラマンは見ていないのだが、後から調べた考察サイトなどによると、けっこう旧作品も踏襲していて、ファンからすると垂涎ものの作品だったのだと思う。(下にリンクあり)

相変わらず庵野監督作品は、難しい用語がたくさん出てくるし、早口だし、展開が追いつけないところがあったりするんだけど、それでも物語の顛末はなんとなく分かるから、これぞ構成と脚本の力、という感じ。

そんな感想とともに感じたのは、やっぱり映画館で映画を観るっていいなってこと。

映画などの映像作品は、映画館だけではなく、AmazonプライムやNetflixなどでも観るが、やっぱり集中度は映画館とはすこぶる違う。

定額制の映像配信サービスは、

・作品数が多く、選択肢が多い
・定額で見られる
・周囲に気を配る必要がない
・スマホを触ったり、洗濯物畳んだりできる
・途中でやめられる
・スキップできる
・巻き戻しできる
・倍速視聴できる

という客のニーズに沿いにそいまくった機能がついている。そのおかげで、逆に作品への集中力が削がれていると思う。見終わった後に、いまいち作品の印象が残っていないのだ。

映像作品という“作品”という価値よりも、「とりあえず何か流しておこう」「流行りの作品を知っておこう」という「隙間時間を埋める」「情報を取り込む」価値に変わってきているような気がする。

そこから考えられるのは、「選択肢の多さ」「情報へのアクセスのしやすさ」と「集中力」はトレードオフだということだ。

手を伸ばして親指をスワイプすれば、何かしらの情報にありつける。それが集中を途切れさす。

だからマインドフルネスが流行ったりするのも分かる。
僕の場合、映画館で映画を見たり、身動きの取れない電車の中で本を読んだりすることは、すごく集中ができて気持ちがいい。

ある街では、「スマホ禁止」「私語禁止」を掲げるカフェなどもあるらしい。
未来には、「集中できる」「時間をゆったり味える」なんて当たり前のことを売りにするビジネスなんてのが流行ってくるかもしれない。


(おまけ)
シン・ウルトラマンの解説は、こちらがわかりやすかったです

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