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日記、ときどき本|0809-0815



0809|日記を書きはじめている

SNSつながりの人がみんな日記を書きはじめていて嬉しい。誰かの日記本を読むと、自分も日記を書きたくなるっていうのは、とてもわかる。一部の人はそれを公開してくれているのだけど、とても面白い。


0810|キッキー!

朝、奥さんが化粧をしているところを息子が邪魔をしにいく。毎朝の恒例行事。息子がコームを持って、妻の髪を解く。もちろん全然うまくは解けなくて、かわりに奥さんに息子が髪を解いてもらう。息子は嬉しそうだ。私は彼に呼びかけて、テレビの前に座らせる。YouTubeでミッキーマウスを流してあげる。まだ『ミ』とうまく発音できない彼は「キッキー! キッキー!」と喜ぶ。これも毎朝の変わらない光景だ。最近はそんなのがいいと思うようになった。


0811|記号接地問題

マクドナルドに寄って本を読む。仕事の時間の前に読書ができると、なんだか贅沢した気分。今日のお供は『言語の本質』。言語学界では「記号接地問題」というのがトピックに上がっているらしい。例えば「この『ミルシャ』という果物。とっても甘くて、シャリシャリして口ざわりがいいの。まぁるくて、緑色の皮は固いんだけど、中の身の黄色の部分はやわらかいの」なんて言われても、食べてもないのに、少しだけその果物のことを想像できる。私たちは自身の体験に接地していない事柄も、言葉という記号によって別の言葉(記号)を説明したり、イメージを共有したりできる。言葉のもつ記号性が次々と別の記号を繋ぎ、記号がメリーゴーランドのように回ることを「記号接地問題」という。よくよく考えると不思議な問題。説明の導入を著者らはオノマトペを中心とした〈音〉から始める。面白い。


0812|サカーナ

もうすぐ水族館の年間パスポートの期限が切れるのもあって、京都市水族館へ息子を連れていく。今日の息子は館内を走り回り、水槽の前に行っては指をさし「サカーナ」と言う。キャッキャと笑っている。楽しそうに走っている。ところが水槽の前に着くとのろっとゆびをさして、真顔で「サカーナ」と言う。彼にとって広い館内は楽しいもので、彼にとってサカーナは楽しむものでなく見つけるものだった。結局トータル27回の「サカーナ」と共に15分で水族館を走り去り、達成感のある顔で「オウチ!」と言った。


0813|古本まつり

義母が息子を預かってくれるというので、お言葉に甘える。私はこの数日間開催されている古本まつりへ行ってみる。昨年と変わらない配置や景色の中で、一件一件のブースと戸棚を見て廻る。

古く格式高そうな本がある中で、意外にも最近の本や漫画などもあって、注目して見てしまう。外国の方もチラホラと見かけた。手にはナルトの日本語版漫画を数冊持っていた。ジャパニーズカルチャーを楽しんでもらえて嬉しい。気になったタイトルや前々から気になっていた本を見つけては購入した。『日日是是好日』『深い河』『うれしい悲鳴をあげてくれ』『面白すぎる日記たち』ぜんぶで1000円くらい。本の背表紙にある本の値段を見たら、元の値段も安かった。新書が元値500円くらいである。いまや新書は1000円近くが普通である。本も嗜好品としては高くなってきたなあ。1時間くらいいたけれど、全然満足できなかった。けれど、これ以上息子をお願いするわけにもいかず。しぶしぶ帰る。


0814|カニカマさん

家に帰ると、息子が封のあいていないカニカマを手に持っていた。「パパ!」とカニカマを私に自慢してくる。いいだろう? とでも言いたげだ。どうやら妻と一緒に買い物に行って、買ってもらったらしい。彼はカニカマが好きで、出したら出した分だけ永遠に食べる。彼はマイ・カニカマを肌身離さず持っている。時にはカニカマと目を合わせて、うっとりしている。夕食前のお風呂に連れて行くときも、ついにカニカマを手放さず、私は息子とカニカマさんと、一緒に風呂に入ることになってしまった。


0815|発想を広げる

岡本真帆さんの『水上バス浅草行き』という歌集を読む。彼女の短歌を読むと、わかる! という短歌もあれば、わからん! という短歌もあって、ああ短歌は自由でいいんだよなあと思える。もっと発想広げた方がいいのだな。

帰り、妻を車で迎えにいく。夕方の方が雨がキツくって、迎えにいけてよかった。ピックアップした妻はなぜかご機嫌で、コンビニで私が好きなコーヒーとアイスを買ってくれていた。嬉しい。ありがとう。



★お知らせ

日記本を作製しました。
2023年1月〜6月までの日記です。
日常、本、子育て、仕事、読書会、哲学対話など。いろいろなことを書いています。

タイトル『効率よりも濃密 日記、ときどき本』
A5/2段組/138頁


以下で購入可能です。

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