【第四回】対岸の花火
四季全体を仮に2つ折りの四角いハンカチに例えるならば、今週の日本は明らかな季節と季節の折り目に存在した。玄関を出た時の空気の'空気'が違う。それに気づいた私の脳内にはふと、まるでわたあめが一瞬で水に溶けゆく時のようなやわらかい喪失感が広がった。毎年のように訪れるこの現象、何なんだろうな。
夏であれば容赦の無さ、秋であれば関心の薄さに置き換えられる2つの厳しさは、文字通り温度差が大きく、仕切りのない日々を過ごしている私たちにとっては少々心臓に悪い。毎日近距離でしつこく接してきて