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ミュージカル『おどり村と妖の森』

ありがとうございました!

作演出・旅人役 ひらたあや こと、私。

私にとっても、S&D Projectにとっても3本目となるオリジナルミュージカル『おどり村と妖の森』のトライアウト公演が終演いたしました。

お運びくださった皆様、心を寄せてくださった皆様、協力してくれた方々や協力し損ねてしまった人たちもみんな丸ごと、ありがとうございました。
なんと三公演全て満員御礼!でございました!本当に嬉しい!!

後ほど編集が終わり次第 配信もございますので、観られなかった方いらっしゃいましたらぜひそちらで。どんな映像になっているのか、わたしも楽しみです。あの最後のシーンは映像になったらどんな風に感じられるんだろう。

配信チケット 3,000円
配信期間 7/29(土)21:00 ~ 8/5(土)23:59 ※期間中何度でも見られます!
https://s.confetti-web.com/detail.php?tid=71961&

トライアウト公演

しかしそう、これはトライアウト公演なのです。ここから始まる物語です。
何事も、土台がなければなりません。その土台作りのために、大勢の皆さんに協力していただいて「こうなるんだ!!」と自分たち・お客様がたの目で、心で、感じてもらうことを目的とした公演なのです。

ここから学生、一般参加、と広がっていくことを目標として、色んな方々にこの作品を体感・体験してもらいたいなと思っています。
劇中の歌詞にもある通り、まさに「わたしのものがわたしだけのものじゃなくなってゆく」なのです。一回きりで終わらない作品づくり、広がりと持続性のある演劇。そして観るだけじゃない、演じて感じる体験。そのために必要不可欠な第一歩を無事に踏み出せたのは、本当に関わってくれた全ての人のおかげ、観に来てくださったお客様のおかげです。

小道具の「妖の森になってる酸っぱい木の実」も私のお手製です。良く見ると粗い…。

トライアウト時期はいつも働きすぎだよと心配されるのですが、私の脳内にしかないものをみんなが必死に読み取って、形にしてくれようとしているのを見ていると、我慢ができないのです。芝居においてのみ発揮される欲張りな性格もあり、もっとこうがいい!これは外せない!それなら自分がやってしまえばいいんだ!と自分の仕事をもりもりと増やしてしまうんですね。笑

ばらばらの鼓動がだんだんと心が…それこそがおどること。

そしてそんな中で今回一番やりたかったこと、それは「客席の皆様と踊ること」でした。

カーテンコールでのテーマソングを一緒に歌いましょう、は、劇団四季のファミリーミュージカルでは定番になっています。大きな歌詞幕が降りてきて…あれはあれで私の中で大きな夢のひとつです。(ひとりぼっちの夜でやりたい!)
でも「一緒に踊りましょう」ってあんまりないんじゃないかな?と思ったんです。声出しOKになってきた世の中ですが、まだ少し懸念している人もいるでしょう。時代的にもぴったりなのでは!

振付師の落合佑介がちょうどいい振りやテンポ感、見え方考えてくれたおかげもあって、そしてお客様たちの能動的な姿勢もあって、カーテンコールのラストで徐々に手が上がり、最後はたくさんのお客さんが手を上げて一緒に踊ってくれました。
本当に感動的な光景で、今回のテーマである「日本に生きる人たちの中にあるおどりの歓び」が具現化された…は、流石に良く思いすぎかもしれないけど。そんな光景に見えちゃいました。

これは最後のバイバイの写真ですが、こうやって沢山の手が上がっていました。

今がここに在って、良かった!

色んなことがある世の中です。
以前も稽古日報で書いた気がしますが、私よりすごい人、素晴らしい作品を作る人は山ほどいることを毎日毎日痛感させられるし、しかもそれを簡単に手にとり、目に入れることができる世の中です。

しかし、今、ここで、私が書く意味がきっとあるはずだと信じて一文字一文字を打ち込んで、稽古をしてきました。
観劇後のアンケートや感想ツイートに「最近話題の人種やLGBTQなどのことも考えてしまった」と書いている人がちらほら見受けられました。前作である「ひみつの箱には、」の方が実はそれっぽい話題であるにも関わらず、今回の方がそれらを目にすることが多かったように思います。それってすごいことじゃないですか。「今」があるんだなと感じます。
「今でよかった」んだなとも思います。もしかしたら今日に箱には、はメッセージが強すぎたかもしれないし。ちょうど2021年と2023年だなあ、と我ながら感じます。笑

そして奇跡のように集まった優しく穏やかな思いやりのある出演者たち。
人想いなだけじゃない、作品想いなみんなに「おどり村と妖の森」が愛されて、私は私でよかったな、と今この作品を書いた意味が少なくともここにあったんだな、と自分まで愛し、愛されているような気持ちです。

そして関係者たちは勿論、足を運んでくださった皆様も、私にとってかけがえのない「今必要だった」皆さんです。なので皆さん一緒に、

「今がここにあって良かったー!!」

私事の散文

私にとって生きることはちょう・ちょう・ちょう難しいことです。
本当にとっとと死んじゃいたい!

だけど私の毎日は涙が出るほど楽しい。
ずっとずっと脚本書いて、稽古して、物語を書いては読み解いて、仲間や友人とおしゃべりをして、コーヒーを飲んではおしっこをして、ご飯を食べてはうんこをして、まま腹が立つことがあってそれをまた友人に話して、あー本当にこんな時間がずうっと続けばいいのにって。

私は永遠に続きそうな世界を求めているんだと思います。
私の居ない世界が永遠に続くことを夢見ているんです。

平成狸合戦ぽんぽこのエンディングのようにカメラが遠くなってって、いつでも誰かがきっとそばにいるなんて明るい歌を口ずさみ、にこにこ笑ってるみんながぐるぐると踊っている。その歌やおどりは永遠に続かないことを知りながら、永遠かのように。

おどりおどりて何処までも…(歌詞引用)

そんな世界を外から見てるのが大好き。
役者たちが必死に世界に没入して、役を生きている姿を見ているとき、そういう感覚なのかもしれません。
そして稽古が終わると役を抜け出した役者が現実に戻ってきて、その世界を強固なものにするために稽古をする。…その間、一時停止されたみたいな物語の世界で登場人物たちの心臓は止まっているのかな。

脚本に書かれた同じ時間を永遠にループする登場人物たち。
コントロールできるはずもない意識をコントロールしようと、意識を無意識に落とし込もうと水中に体を沈める役者たち。

まだ夢を見ていたい でも目覚めなきゃ(うまれおちますオペレッタ!より歌詞引用)

「参ります」と私が手を叩けば、
物語はまた1から始まる。
また手を叩いて「お疲れ様です」と言えば、
物語は終わりを告げる。

不思議です。演劇って。不思議で面白いですね。

『おどり村と妖の森』

ファミリー向けのミュージカルといいつつも、そういう私の少し気味の悪いロマンチックが底の方〜〜に詰まった芝居になっています。初見の方にはそうはうつらないかもしれませんが、まるゆめのひらたが好きな方にはきっと嗅ぎ取られてしまうでしょう、この香りが。笑
(まるゆめ…ひらたが過去にやっていた劇団・まるでゆめのようだ)

ご覧の通りいい写真もいっぱいありますので、まだまだ振り返っていけたらと思います。作中や登場人物のこと。演劇って秘密にしすぎだよね。笑


…………では、また何処かで。

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