見出し画像

新作ミュージカル『おどり村と妖の森』

日本で上演されているミュージカルはほとんどが翻訳劇です。ブロードウェイやウエストエンドで成功した作品が日本で観られるのは素晴らしいことです。

そんななか私は日本で、日本らしいミュージカルを作ることを目標としています。華やかさはないかもしれないけれど、なぜだか心にピッタリくる…そんな作品を目指しています。

第1作目の『ひとりぼっちの夜』は全ての世界にある〈さかさまの町〉をモチーフにしながらも、日本の田舎町で、夏祭りの日に起こる物語です。

第2作目の『ひみつの箱には、』は周りと自分を比べて恥を感じやすく内側にこもりがちな日本人らしい精神性を描いたミュージカルです。こちらも舞台は瀬戸内海辺りの田舎町をイメージして書きました。

そして第3作となる今回の新作『おどり村と妖の森』
またまた架空の田舎町・五十鈴村のお祭りの話なのですが、時代は大きく昔になります。それはなぜかといいますと、最初の話に少し繋がります。

今の日本では、歌や踊りは海外から伝わったもののように捉えられているように思えます。演劇も。さらにミュージカルといえばブロードウェイ、そういうものこそミュージカルでしょ?ディズニーでしょ?オペラでしょ!

では日本にとっての歌はいつからあるんだろう。踊りはいつからあるんだろう。
そういえば私たちはお祭りで盆踊りを踊るし、どの地域にもその地域の歌がある。うちの地元なんて、夏にも秋にもおどる祭りがあります。町中を練り歩き、みんなで歌いながら踊って、大人たちはお酒を飲んで子供たちは化粧をして山車に乗ったりして。

日本人に歌と踊りが馴染んでないわけがないのです。

『風姿花伝』は世界最古の演劇メソッド本!と云われていますし、つまり演劇だって日本は大昔からやっていることなのです。

その目的が最初は「神さまに捧げるもの」だったのが、それこそ世阿弥の時代に段々と「誰かを楽しませるもの」になり、大衆向けのものになった。


「神さまに捧げるもの」「禍が起こらぬよう祈るもの」だった歌や踊りを、段々と楽しいものだと感じる…それを、観客の視線ではなく演者・プレイヤーの視線で描こうと思い作った物語が『おどり村と妖の森』です。

私が5年半劇団四季で俳優として芝居をしてきて、
そして今はアマチュアの方にミュージカルの楽しさを伝えて、
そのどちらもから感じることを大いに盛り込みました。

誰かとともに踊る楽しさ、みんなと声を合わせ歌う楽しさ…
そういう時に満ちる独特の空気と純粋な気持ち。

究極、日本人じゃなくてもいいんです。だけど日本で暮らしていればなんとなく心のどこかにルーツとしてあるものがポカポカと感じられたらいいなと思っています。

6月17・18日 武蔵野芸能劇場にてうまれおちる新しいオリジナルミュージカル。
ぜひその瞬間を、ともに体感していただけたら嬉しいです。

公演情報(チケット発売中!)

ミュージカル「おどり村と妖の森」

◎公演日程 
6月17日(土)     18:30
6月18日(日) 12:30 / 17:00
開場は各開演30分前

◎劇場 武蔵野芸能劇場 小劇場
〒180-0006 武蔵野市中町1丁目15番10号
JR三鷹駅 北口より徒歩1分

◎チケット(全席指定)4/17発売開始
・通常チケット
S席6,000円 / A席4,800円
・応援チケット
S・A席 共に+1,000円(ポストカード付)
・もっと応援チケット 
SS席(パンフレット・出演者サイン入りポストカード付)9,000円
チケット
https://s.confetti-web.com/detail.php?tid=71790&
配信
https://s.confetti-web.com/detail.php?tid=71961&

◎スタッフ
作・演出:ひらたあや
作曲:樹原孝之介
振付:落合佑介
監修:星潤

◎あらすじ
 とある村に 神を宿す巫女の血を引く娘が生まれる。15歳のお祭りの日、その体に神を宿すべく舞の稽古を重ね…遂にその年がやってきた。彼女は祭り当日〈妖の森〉へ行き、神を宿す儀式をしなくてはならない。踏み入るのを禁じられ、妖が住むといわれている森で…。
 巫女の娘・ウズメは舞の稽古で出会った天真爛漫な少女・ヒコと、村はずれに住む少年・イズナと意気投合し、彼らは揃って〈妖の森〉へ足を踏み入れる……。

人間も、妖も、神さまだって、みんな歌って踊りだす。
日本の歌と踊りのはじまりを考える、国産ファンタジー・ミュージカル。

よろしければサポートお願いします!制作や演劇活動のために使わせていただきます。