『蝶々と灰色のやらかい悪魔』 26
先日、母に宣言した通り、わたしの兼ねてからの夢はパティシエであり、そのための努力も怠ってはいない。あえて言うまでもないが、お菓子作りが嫌いで、パティシエになろうとするものなどいないはずだ。当然のことながら趣味もお菓子作りである。決してデリ嬢としてポイントを稼ごうとか、女子力を上げて客を虜にしようとか、そんなやましい考えはない。大真面目も大真面目。ガチもガチ。本気と書いてマジだ。
少し前の話になるが、かく言うわたしは、〝ケーキで明太子を釣った〟ことがある。正確には釣ったと