鳥が運んでくれたもの 2(おとやさんへ)
鳥が私にくれたものは沢山ある。
noteでのひととの繋がりもそのうちのひとつだ。普段はエッセイは書かないのだけれど、この記事を書こうと思ったのは、おとやさんにインク画を創っていただいたからだ。それがあまりにも素晴らしすぎて。
おとやさんは、「あなたのためのインク画」という企画を常時やっておられる。記事を読んでそこからインク画を創るのだ。私は過去記事が多いのでずっと躊躇っていたのだが、おとやさんが私の俳句から創ってくださったインク画を拝見して、ついにお願いしてみることにした。完成した作品は期待以上。そして、おとやさんの眼から見た「橘鶫像」がすごい。
おとやさんの記事はこちら▼
特に強調したい一部を以下に引用する。
橘鶫さんの描く絵から物語が来ているという事にとても納得するのです。
登場人物の元となるのは人ではなく鳥だから。
人間の持つ嫌な部分や人間臭さが良い意味で無いのです。キャラクター達が人間らしく無いのでは無く、奥深くに根付いている人間の業が不必要な感じ。
橘鶫さんの絵から伝わってくる、まっすぐに今を生きている姿と瞳がそれを物語ると思いました。
私の物語を読んでくださっている方はきっとみなさん頷いてくれると思う。私はまさにそういう物語の世界を創りたかった。物語の世界でも現実世界と同じような問題は起こっているのだけれど、それを見詰める視点は鳥瞰。私の個人的感情は排除して、できるだけフラットな感覚で。そうやって広く世界を解釈したかった。こんな風に自分の創作を理解してくださる方が居ることはとてもしあわせだ。
そしてインク画(薄紫の線は私のマーキング)。
森の中に居るような淡い緑の光の中、右上に翼を広げた鳥、下の方にも水鳥のような白い影が見える。そして左側!見てほしい。これ、翼を持った人間だと思う。私の物語に登場する「マカニ族」だ。初めて見た時、感動でぞくぞくした。
緑、水色、赤、黄色、茶って実は物語に出てくる自然を象徴する重要なモチーフだったりもして、このインク画の語るものの深さは計り知れない。まさに「物語の欠片」そのものだと言っても良いと思う。
私のマーキングを除いた純粋なインク画をもう一度載せる。これを皆さんに見ていただきたくてほぼおとやさんへの私信のようなこの記事を書いた。興味を持った方はぜひお願いしてみるとよいと思う。
おとやさんへ。
インク画をいただいてから一カ月以上経ってしまいました。遅くなってごめんなさい。そして、コメント欄では足りないと思ったけれど、結局記事にしても語りつくせないことが分かりました。忙しくて記事が書けなかったわけではなくて、どんなに私の拙い言葉を尽くしても受け取ったものの大きさを表現することはできなくて、悩みに悩んだ結果、結局シンプルな記事になりました。
代わりに、おとやさんが鳥だったら何だろうって考えて、今まで描いた鳥たちを眺めていたらしっくりくる鳥が居たのでこの鳥を置いておきます。
本当にありがとうございました。
2022年2月28日 橘鶫
Hepatic Tanager(female)-レンガフウキンチョウ(雌)
鳥たちのために使わせていただきます。