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10/7〜8の2人展と朝倉咲さんとのこと その1

私はシルバージュエリーをデザイン・制作して売るということを生業にしているわけですが、展示販売会をしにあちこちギャラリーや店舗に赴き、見てもらって気に入ってもらえたら購入していただく、という事をしております。

基本的には身に着ける物が欲しいなという方に向けてお話しさせてもらうのですが、たまに商品そのものを購買という目的はさておきものすごい好奇心で見ている方もいらっしゃいます。

ちょっとした好奇心、興味で見てくださる方はよくいらっしゃいますが(どうぞどうぞ遠慮なく手にとってご覧くださいね。)「ものすごい好奇心」で見てくださる方もたまにいて、2023年7月の栃木の那須塩原市(旧黒磯)のSHOZO 本店に併設しているside galleyの展示販売会でそんな稀有な存在の朝倉咲さんと出会ったのでした。


特にRANMA ringをくりくりお目々でものすごい凝視していた女性が今度2人展する咲さんなわけですが、話しかけてみるとこの方は「作品として」商品見ているんだなと気づき、ついつい普段店頭で話さないような細かいところまで話してしまいました。

商いの前にまず私は制作者でありますが、制作のスタートはほとんどが自発行為であり、出来上がるまでそれなりに何重にも動機や自問自答、制作工程の紆余曲折があるわけです。積もる話もありますよそりゃ。
そんな話を聞いてもらいつつ、咲さんのお話を伺っているとご本人は彫刻家であること、一緒にいらっしゃった方がお父様で仏像を彫っておられる方で、造形について色々話して意見交換して勉強させていただきました。

以前にも当方のジュエリー見てもらってたようですが、控えめでシャイな方なので数年越しに初めてお話しできたというわけです。
私もそんなにグイグイと話しかけるタイプではないので、お互いシャイだとこういうことが起きますね。
でももう一度来てくれてお話しできてよかった。

インスタアカウントの情報を交換し是非またお会いしましょうということでその日は終わりました。


が、すぐ次の日再会しました。早い。

荷物を持ってgallery周辺を歩いていたので、話しかけるとなんかだか心許ない雰囲気なので事情を聞くと、すぐ近くのヴィンテージ雑貨&家具屋さんROOMSに置いてもらう新しい作品を持っていくところだということで、店主に見てもらう心の準備がまだできていないということでモジモジしておりました。

分かる、分かるよ〜その気持ち。
「でも店主さんとても配慮ある方だからきちんと向き合って対応してくれるし、
持って行ってきっと大丈夫よ〜」
と背中を押しつつ、その時に持っていた作品を初めて見させてもらいました。

中でも胸像に心惹かれ、しばらくマジマジといろんな角度から見入ったり、当方のジュエリーをかけさせてもらったり、またまた造形談義に花が咲き、こんなに素晴らしいものぜひ店主さんに見てもらわなくっちゃ!
と、背中を押し続けること数十回。
気がつけば3時間?!どんだけモジモジさん?!

なかなか踏ん切りがつかず、その日は結局帰っていかれました。
出来上がったばかりの作品だったので、店主さん見てもらうまでの時間がもう少し必要だったようです。
分かる、分かるよ〜その気持ち。

galleryからの帰り道、それにしても胸像さんもうちょっと見てたかったなぁ
ネックレス、胸像さんに似合ってたなぁ



あ、今回ので展示期間中お借りすることできないかしら。

ということでダメもとで連絡してみると快諾していただき、
次の日から胸像さんとgalleryの空間を共にすることに。


それはそれは幸せな日々でした。
荒く削った跡は空間に滲み、
部分的に白く塗られた顔はより表情の優しさを引き立て、
残った鉛筆の下書きは、創作の過去を記しているような、
どこから見ても美しく、見惚れてしまうバランスの妙。
胸像さんの優しい眼差しを感じながら一人じゃないという感覚。


最終日撤収の時など胸像さんとのお別れが寂しくて仕方なかったです。

色々な出会いが巻き起こる展示販売会。
一期一会もありつつ、再会もありつつ、繋がりも感じつつ。
改めて咲さんをはじめ、side galleryではいろんなお客様とお話で来て
とても楽しかったです。
買い物って、そしてその場を提供できることって楽しいことなんだ、と
立ち寄った方々に教えてもらったような気がします

わりと素直に行動していくと、不思議なうねりが起こります。

そして数日後、咲さんにあるアイディアと相談を持ちかけたのでした。