No.28 あなたが最低だった時でさえ【俄か流 音楽のすヽめ】
俄か流 音楽のすヽめ
沖縄在住のアラサーサラリーマンが自分の人生を振り返って、心に残った音楽を楽曲単位で紹介していこうと思います。
楽器も出来なければ、楽譜も読めませんし、音楽理論もちんぷんかんぷんです。しかも、特定のジャンルに精通しているわけでもなく、広く、そして浅く色々な音楽を聴くいわゆる「俄か音楽ファン」です。
ただ、昔から音楽を聴くことが好きで、私の日常は音楽と共にあると思います。
思い入れがある楽曲を紹介して、誰かと共鳴できれば嬉しいです。
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突然ですが、皆さんには兄弟はいますか?
僕には2つ下の妹がいる。
彼女は僕より一足先に親となり、今では二児の母で毎日子育てに奮闘している。
僕と違って、自分の意見を強く通せるタイプで、よく親と衝突していた彼女が人の親になるなんて、、。
たまに実家で会えば、僕のことも大きい子ども扱いだ。
ちなみに、自分で言うのも恥ずかしいが、妹との仲は良い方だと思う。
顔も性格もあまり似ていないからなのか、あまり喧嘩することなく過ごしてきた。
そして何より彼女は僕の扱いがとても上手だ。
僕自身、妹に掌で転がされる感じは嫌いではない。
このような感じで兄弟二人で仲良くやってきた。
しかし、欲を言えば僕はお姉ちゃんもほしかった。
というのも、お姉ちゃんがいる男って世渡り上手なイメージないですか?
なんかこう、年上との接し方が分かってるというか、いい距離感を保つのが上手いというか、明確な実例があるわけでは無いけど、イメージとしてそう思うところがある。
そのような姉コンプレックス(?)は特に学生の頃大いに感じていた。
まず、学校の先生や部活の先輩から「〜の弟」って事で認知されて、その他同級生の一歩先へ行く。
そして、弟たちは年上の転がし方(?)を心得ているため、そのまま先生や先輩の懐に潜り込んでいく、、。
そんな弟たちが、僕は羨ましくてたまらなかった。
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そんな僕の姉コンプレックス(?)を満たしてくれる存在がAwichなのだ。
Awichは僕より少し年上の沖縄県出身ラッパーで、「ANARCHY」「BAD HOP」「鎮座ドープネス」といったHIPHOP界のビッグアーティストから、「AI」「キリンジ」といったその他ジャンルの大物まで共演しているような、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの女性アーティストである。
沖縄県民なら誰もが知っている名門高校へ通っていたAwichは、マーケティングを学ぶためにアメリカへ留学し、そこでアメリカ人と結婚、そして長女を出産する。
しかし、そのわずか数年後に夫は事件に巻き込まれて銃殺され、死別することになった。
その後は娘と沖縄に戻り、「CIPHER CITY」という映像制作や舞台演出、ファッションイベントなどを企画する会社を設立し、多岐にわたる活動を展開。
また、小さい頃から詩を書いたり、USラッパー「2Pac」を好んで聞いていたこともあって留学前からラッパーとしての活動も行っていたらしく、2017年にKANDY TOWNのYOUNG JUJUと客演しドロップした楽曲『Remenber』はバイラルヒットとなり、ラップチャートやクラブヒットを圧巻し、ラッパーとしての名も轟かせた。
アメリカ留学や、外国人との結婚、最愛の人との死別、起業や様々なイベント運営、そして発売楽曲のヒットと僕とそんなに年齢の変わらない人がこれら全てを経験しているのだから衝撃だ。
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ーI've always been by your side
Do you remeber?
このAwichの楽曲『Remember』はとても強いメッセージを感じる。
ー早い話turn up 溢れんばかりの紫色
Whole syrup per cup
歌詞を一見すると、若い男女が自由奔放に遊びまくるような印象を感じるところもあるが、Awichの生い立ちを考えると、「過去にとらわれないで先に進むべき」というメッセージを感じざるを得ない。
最愛の人を亡くす苦しみ。
それはきっと単純な辛さだけではなく、死が身近にある恐怖だったり、悔しさ、これから先の絶望など色々な感情が交差し、どうしていいのか分からない状態になるんではないだろうか。
当然、今の僕には到底理解できるものではない。
しかし、Awichは立ち止まらず活動をし続ける。
ー楽しむことへのギルド ずっと抱えながら生きるの?
その結果、Awichは聴いている人に生きるパワーを与える、そんなエネルギッシュな存在となった。
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そんな彼女が僕のお姉ちゃんだったらいいなと思っている。
時々、しょうもないような事でウジウジ悩んでしまう僕のケツをひっぱたいてくれるような、パワフルなお姉ちゃんとして。
ーLife's short Have fun
今週中に終わらせなければならない仕事を尻目にnoteを書いているような僕に「人生は短いんだから、思いっきり生きな!」って叱ってほしいのだ。
僕はそんな目でAwichを見ている。
あなたには、そういう目でみているアーティストはいますか?
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