直面する人口問題は今の日本の姿を写している鏡

日本の人口は減少に転じますますその傾向を加速させはじめている。出生率は1,2と人口維持の目安である2,0を大きく下回っている。この現状を深刻に捉えている人は何人いるのであろうか。生めよ増やせよの時代ではないが掛け声だけでは現状を打破することはできない。では、いったい何が根本原因なのか。それはまさに今の私達の現状に一致している。つまり、リーダーなき方向性なきダッチロールに漂う先行き不安の心情を素直に表しているということである。この現状を踏まえてそれぞれの立場に立って将来を見据えたビジョンを提案したい。
①政治の観点
 人口減少問題の解決には政治の果たす役割は非常に大きいと考えている。将来のビジョンを明確に打ち出す責任がある。自民党を基盤とする政府は人生100年説を突如言い出したものの纏わる諸々の支援材料は皆無で高齢者はただただ狼狽えるばかりである。高齢者ばかりか現役の若手にとっても将来の方向性が見出だせないという大混乱を引きお越している。これではとても子作りどころか己れ1人も生きて行けるか不安である。従って、賢い若者は結婚など眼中になくなってしまう。この現状が人口減少問題の本質である。では、この現実からの脱却には100年いやそれ以上の将来にわたって通用するビジョンが必要である。結論から言うと高齢者問題の解決をピントに世界に先駆けて介護福祉産業の発展に尽力し国内はもとより先進国からの普及にリーダーシップをとっていくことが大切である。世界をグローバルではなくユニバーサルと位置づけ地球規模に範囲を広げて世界平和を目指すものである。
②経済の観点
 歴史的に経済活動はモノを中心にやり取りされてきた。原始時代の物々交換にはじまり貨幣経済の発展さらにインターネットを利用した電子商取引の現代に至るまでまったくその本質は変わらず「一方の得は一方の損」という経済倫理である。ところが日本殊に2500万人が集中して暮らす首都圏ではモノからソフトへと大きく価値観が変革しようとしている。そこで、新しい商取引は関係者が「WIN WIN 」の結果に至ることを目指すものである。では、現実に新しい商取引に相当するビジネスがあるのであろうか。それは介護福祉サービスである。ご利用者とその家族、介護スタッフ、介護事業者など関係者がWIN  WIN の結果を分かち合うビジネスモデルである。未だ産業としての域には達していないがいずれ国の介護保険制度が破綻し自由負担制に移行してことで産業へと発展していくことになろう。
③個人の観点
 モノの価値からソフトの価値へと価値観の変革に伴い大きく人生観も変わってくる。まず、健康寿命の大幅な伸長と共に人生のやり直しチャンスが増えるということである。従来は人生50年として定年を迎えて終焉だったが人生100年となれば2回目、3回目の定年が予想される。また、人生の最大幸福を求めて幾つかの選択肢を比較検討して実行するチャンスが増えることになる。このように将来に明るいビジョンが見出だせるようになれば必然として人口減少に歯止めがかかり人口増加へと方向性が転じてくるであろう。


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