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在宅秘書は見た?/結局その仕事、誰の仕事でしたっけ。

「セクシー田中さん」の作者、芦原妃名子先生の訃報とそれにまつわる諸々が話題になっております。痛ましいお話で、苦しくなります。
本日は、ちょっとそこにも近いような、お仕事の本質は何でした?というお話。


クライアント様のおひとりに、割とシビアな社長様が居られます。
いや、社長様なんて、皆さまシビアでいらっしゃるのが普通というか、でないと社長様なんてやってられないんだと思うんですけど。
その方が「ちょっと聞いてくれる?」と仰るには、、、
「どうしたら、方向性を理解してくれるフリーランスに会えるの?どう募集するの?」と。
そうですねぇ、わたくし、ご紹介でお会いしましたねぇ(苦笑)。

日頃マッチングサイトを主にご利用だそうで、私へのご依頼は例によってマニュアル作成。
フリーランスが作ったマニュアルの内容を、別のフリーランスさんに投げると、そういう順序な訳なのですが。
要は、募集を出して、ガイドラインを提示しても、ぜんっぜん違うものができてくることに、いたくお疲れでございまして。

具体的に言ってしまうとバレてしまうので言いませんが、
「ちょっと見る⁉」と8割がた押し売り状態で見せていただいた比較内容は、「確かに違いますねぇー」としか言いようのないものでした。
いや、要項的には「こういう場で使う」ってはっきり書いてあり、サンプルも「確かにそうですね」というものが提示されていたのですが・・・違う。違うんですよ。
なんだろう、例えて言うなら、「高級レストランの開店案内フライヤー」に「いら〇とや様の超カジュアルな画像」が載ってる的なミスマッチ。
説明入ってる、イラストも入ってる、色味もOK、オーダー的にはそうですね、「でもな⁉」ってやつです。
しかし、今日日、「そこは汲んで!」と言ってはいけないのかもしれません。
プライベートはともかく、仕事のオーダーという部分では、もう少しハイコンテクストなコミュニケーションを取る必要があるのかもしれません。

ということで、次回があるなら、この辺をこう変えて、こう足して、これも足して…というオーダー方法のディレクションもさせていただいたのですが…
仕事をお受けする側も、自分の個性を落とし込みすぎたらダメだな、と思ったわけです。
極端な話、「あなたのイラストが好きだから!」と言われたって、男性向けのものに女性向けのイラストは描かないですよね。
これはさすがにふり幅の大きすぎる例えなのですが、もう少し小さいレンジで、クライアント様が何を求めておられるだろう、この仕事の本質は何だろう、を考えるのはやはり必要なのではなかろうかと。

私の場合は昔ラッピングの先生をしておりまして、その時から気を付けていたことでもあります。
送りたい人の気持ち、送られる人の気持ち、自分の個性は隠し味程度。
それがですね、ラッピングが好き!な人、リボン大好きな人、という方は、どんどん可愛くしたい、してあげたい。
そういうタイプの方は個人で楽しんでいただくとか、カルチャーの世界ではやっていってもいいけど、小売さんのお仕事には向かないなー、等々心の中で考えながら生徒さんと応対していました。
自分の個性を出したい場合は、やはり「自分の仕事」でないと。
お受けしている仕事は、本質的に、クライアント様側のお仕事なので。

ということで、ご依頼する場合には、面倒かもしれませんし、ご覧になる方も面倒かもしれませんが、極力ハイコンテクストに(伝わりやすく)、後から思わぬギャップがあって双方共に悲しくならないようにするのが一番、と思います。
しかし、受ける側としては、やはり本質を捉えようとする気持ちと、分からなかったらお尋ねする、勝手に判断しない、というのも大事かな、と思います。
そんなこんなで、田中さんの件も、多分お会いしなくたって原作の本質を捉えてそれをお伝えできるものになっていれば、こんなことにはならなかったろうな・・・などと思ったりして。
今後も細やかに、柔軟にお仕事をしたいと思う限りでございます。

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