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仕事の属人化ってなんだ?

時々業務改善コンサル的でもあるフリーランス秘書、ツギノメヤ事務室でございます。
仕事の属人化はダメだ!みたいな話がたまに出ますが、属人化とは何か、なぜダメか、等々を見てみたいと思います。


属人化って何。

仕事が人=特定個人に属すること。
いや、担当決まってるし、個人に属してるじゃん、、、という話ではなく。
要は、「組織の仕事」なのに「特定個人」に属してしまって、結果他人が分からなってしまうという話です。
年配の方に任せていたら仕事がブラックボックス化して…とか、聞きません?
開発者が辞めてしまった、野良プログラムとか、野良マクロとか、聞きません?
そういうヤツです。
結果、困るのは組織です。しかし。

抱える人が悪いんでしょ、それ。

とも言い切れないケースはあります。
わたくしも勤め人時代、属人化を防ぐために、けっこうなボリュームの引き継ぎ書を作ったりいたしました。(属人化しないように異動が頻繁な某業界のことです)
だって就職初年に作らされたあるプログラム(別にSEではない)のお世話、その後10年やってて懲りたんです。
実業務の手順、ポジションに付いた課題、今後の必要事項等々があって、周囲からは常に「引き継ぎ書じゃなくマニュアルw」と笑われるレベルのものでしたが、その状態で置いていったって、読まない人は読みません。
できない人もできません。
最短5年でちょっと上席で出戻って、何の発展もない自分が書いた引き継ぎ書を前任者(=後々任者)からもらった時のショックと来たらもう、ですよ。
なので、抱えている人とか、ブラックボックスを作り出した人が悪いワケでもなく、周囲が知ろうとしない、理解しようとしないケースというのも、
ありまーす!
です。懐かしの某細胞並みに力説しますよ。
なので、上司の皆さまが属人化している業務を特定個人から引っぺがしたい場合、本人だけに手放すよう促しても無理な場合があることはお心に留め置きくださいませ。
その場合必要なのは、組織側の改革の方です。
異動とか、人員増とか、適正とか、人間関係とか。

特定個人側の問題ももちろんある。

それでもです。抱える側に問題があるケースはもちろんあります。
小さな製造さんで、経理を大番頭さんに任せてしまっていて、退職が視野に…となって、人を雇っても辞めてしまって、とか。
今まさに抱えて作って、落ち着いたら引継ぎと思っていた人が、突然事故に、とか。
そうしたやむを得ないケース以外のことは確実にあります。
まず、
自己顕示欲的とか、承認欲求的な問題。
例えばある業務のキモを一人で握っておけば、他の人は聞かないと回せない状態を作る。
私って大事な人!という、本人の存在意義に拠っているもの。
酔っているものとも言います。
酔いを醒ますことも必要かもしれませんが、荒療治の場合には逆にヤサグレ病を発症させてしまうケースもあり、要注意です。
次に、
性格が真面目で、責任感があり、ちょっと思い込みが強めなとき。
「自分の担当だから自分がやらなきゃ」という真面目な強い意志からの、「私の仕事!」感が強すぎるパターンです。
こちらも承認欲求と言うこともできますが、こちらはそれ以上「自分で仕事をする」というところに重きがありますので、「そういうことをしているあなたは仕事ができない人です」といった感を醸し出すと、破裂したり、自爆したり、卓袱台ひっくり返しにかかったり等々、周囲と業務に支障を起こす場合があります。

なので、上司や先輩の皆さんの目の前に属人化している仕事があって、当該本人から一度その仕事を引っぺがそうとか、誰か人を入れて(社内でのサブとかフォローとか、外部コンサルとか)業務の体質を変えてみようかと思われる場合、本人の「承認欲求」とか「プライド」とかを極力折らないように気を付けないと、ブラックボックスを開けられなくなってしまう場合があります。
どうして属人化を解消することが必要なのかとか、あなたのポジションを奪うわけでもないこととか、そうしたことをひねくれさせずに理解していただくのが寛容になって参ります。
その辺、スムーズな属人化解消のキモの一つかも、と思っています。

もしかして属人化させてる方かな、と思ったあなたへ

もし自覚があるなら、止めましょう。
周りが悪いケースの場合は、あなたが社長さんでない限り、一人で負う必要はありません。(社長さんは、組織=あなたの、ですので、お体無理されない程度にと)
組織のお仕事なので、あなたが全部追う必要はないのです。
同様に、周りに共有できずに自分で抱えてしまうと言う人も、止めましょう。
そんなことをしたって、あなたの評価は上がりませんし、褒めてももらえません。
その人じゃないとできない仕事!というのはだいたい企画もののように終わりがあって、出来上がって完了すれば過去になります。
わたくし元小役人でしたから、長く続く仕組み的なものの企画もしましたけれど、時間の経過と共に周囲が変わっていくので、むしろ当時のままずっと続いてもらっては困ります。
せいぜい数年です。
個人の能力とか特性から出てきた何かというのは、割合一過性・瞬間的なもの多く、例えて言うなら1×1=10とか100とかいう仕事の方です。
長く続いて、今後一生、よくやりましたね、と感謝されるものではありません。
だいたい「属人化している」というお悩みが発生する部分の仕事は、長く、コツコツと続く、毎日1×1=1を積み上げていくという部分なので、そういう個人属性から来る瞬間風速的なものは不要っちゃ不要です。
なので、どれだけ抱えて頑張ろうが、適度に淡々とこなそうが、前者が褒められるものではありません。
続けることが重要なので、休んだ日に止まってしまうリスクを避けるため、きちんと共有しておく方が重要視されます。
あなたが風邪で1日休んでも、事故って2か月入院しても、辞めてやる!と思って退職しても、歩みが止まらないようになっている方が評価され、感謝されるものです。
普段は誰も何も言ってくれないかも、ですが。
個人の仕事ではなくて、あくまで組織の仕事なので、何が求められているかは客観的に見極めましょう。
お勤めしている間は、組織の仕事の一部を任されているだけで、担当だからと言って自分で好きにしていい仕事ではない、その線引きは必要かと思います。

最後に

属人化は別に年配の、ベテランさんが原因になるだけではなく、20代の若い方でも作り上げてしまうものです。
職場規模にもよりますが、組織としての仕事が止まらないように、少なくとも最低限の情報共有、マニュアル化などを早いうちから行っていくのがよいでしょう。
やむを得ずなってしまった場合、新しいツール導入なども視野に外部から人を入れ、関連業務全体を噛み砕き、業務の割り振り変更なども含めて、マニュアル化・再構築を検討されてもよいかもしれません。
周囲からも、「あの人何かしてるけど、何してるか分からない」と言われている人がいないか等々、上席に当たる皆さんも、普段から周囲を見回していただくのがよろしいのかな、と思います。


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