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人口データを使ってみよう、という話をしてみたいと思います。まずは人口ピラミッド。(前編)

人口統計の話を書いてみましたので、データを使ってみる、というお話もしてみたいと思います。


人口と言うと、「人口ピラミッド」というグラフが浮かぶ方も多いかもしれません。(もうね、ピラミッド型ではないですが…)
半分Excelでのグラフの作り方かもしれませんがお付き合いください。
全3部に渡ります。


1 人口ピラミッドの概要

基本的な人口ピラミッドは、左右に男女の人口を表示します。
X軸の真ん中が0で、左右共にプラスの数字が入ります。
Y軸が年齢で、下が0歳、上に行くほど高い年齢が積みあがっていく形になります。
人口の年齢別の構造を分かり易く見られるものです。
戦後のデータや新興国など、子どもの多い国ではまさにピラミッド型、死亡率が下がってくるなどして安定すると釣り鐘型と言われるわりとまっすぐな形になり、子どもが少なく高齢者が多い現代の日本のような形はつぼ型と表現されます。

2 人口ピラミッド(5歳刻み)

ざっくりとした人口構造を見るには、5歳刻み程度で十分です。
今回は令和2年国勢調査の確定値から、日本の人口を利用してみます。
国勢調査データは5歳刻み集計のデータがありますので、自分で集計しなくても手軽に使えます。
元データはこちら

3 人口ピラミッド(1歳刻み)

こちらは同じデータを各年齢で表示したものです。
わかりやすく生年を合わせてみました。(2020年とある場合、2019年10月2日から2020年10月2日生まれの方となります)

さてこうして見比べると…5歳刻みだとひと固まりで多く見える70~74歳の層ですが、実際には70~72歳と73,74歳では差があることがよく分かります。
前者はいわゆる団塊の世代の皆さんで、後者は戦争の終わりかけからまもなくお生まれになった方。(昭和19年10月2日~21年10月1日)
それより若干上の世代の方より人口が少ないのも分かります。
戦火が激しくなり、また適齢期の男性が徴兵される中で、生まれる子供の数も少なく、また生きのびて行ける数も少なかったのでは…と感じてしまいます。
また、54歳(1965年10月2日~1966年10月1日)が極端に少ないのは、半年分ずれてはいるのですが、1966年=昭和46年がいわゆる「丙午」の年だから。
何でも丙午の年に生まれた人は気性が激しく、特に女性の場合、夫となった男性を早死にさせるとか何とかで…お子さんを産むことを遠慮されたご家庭が多かったのだそうです。
(まもなく次の丙午ですが、今でもそういう迷信は有効なのでしょうか)
こういった風に、「この年こういうことがあったから」という特異例が見えるのは、1歳刻みデータの方かと思います。
なお1歳刻みのデータ元はこちら

中編では実際のピラミッド作成法をご紹介したいと思います。
一度覚えると、なぁんだという感じで気楽に作れます(笑)


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