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【コロナ療養02】紳士もゾンビも優しい

今日は2022年5月19日ですが、3日遡って…
5月16日(月曜日)

紳士的なタクシードライバー


平熱だが、昨日より頭が痛かった。昨日のうちに病院に連れて行ってもらえて良かった。頭痛で動くのが辛い。14時過ぎに送迎が来るのに荷造りがまだ最低限しか出来ていないと思いつつ、13時半頃まで寝ていた。寝ながら、検索だけはしておいた。持って行くと便利と紹介されている物の中から、マグカップとスリッパだけ持って行くことにした。映画も本も音楽もお絵かきも、iPadで充分。荷物は普通のリュックと大きめのトートバッグ1つに収まった。
14時7分に、大きなタクシーが迎えに来た。相乗りの場合もあると聞かされていたが、今回は私一人とのこと。タクシーの運転手さんはとても紳士的で、しっかり目線を合わせて「車は寒くありませんか?」「申し訳ございませんが、私はお荷物の持ち運びのお手伝いをできません」などと言ってくださった。コロナ陽性と診断を受けて、家族でも医療従事者でもない人に初めて接した。嫌な顔をされることも覚悟していたのに、お金も払わず乗せてもらって、「ありがとうございました」と丁寧にお礼を言われ、胸が熱くなった。

ゾンビ同士の連帯感


ホテル到着後、偶然、同じタイミングで入所した同世代と思しき女性と目があって、お互いに微笑みあった。初めて自分以外のコロナ患者と会った。会話はしなくても心が通じ合っている。妙な連帯感と安堵感。ゾンビ同士ってこんな気持ちかな?無意識に、他者に感じていた負い目や遠慮を、この人には感じなくて良いんだとお互い思える気楽な関係。
フロントで自分の名前が記入された封筒を取るように言われ、血圧を測り、13階の部屋へ向かった。

部屋でやるべき唯一の事


入室後、電話で療養中の過ごし方の説明を受け、パルスオキシメーターと検温結果を入力するサイトLAVITAに登録した。7時と16時の1日2回、入力する。これだけやれば、あとは室内で自由に過ごして良い。食事は3食、お弁当を所定の場所に取りに行く。足りない人のために、カップ焼きそばも置いてある。なぜ、ラーメンではなく焼きそば限定かというと、麺のスープが排水管を詰まらせてしまうから、だそうだ。
「お水でもお茶でも良いので、1日、1.5リットルから2リットル飲んでください」と言われた。お水、緑茶、グレープジュース、野菜ジュース、ティーパック、粉末の緑茶やコーヒー、カフェオレなど、取り放題だった。紅茶はトワイニングで、ダージリン、アッサム、そして私の大好きなアールグレイの3種類もあった。

介護される側のストレス


夕飯まで時間があったので入浴した。えもいわれぬ気持ちよさだった。実はずっと入浴を我慢していたのだ。私がお風呂に入ったら、洗濯物も気を遣わせるだろうし、その後、徹底的に風呂掃除をするのも大変だろうと思って、金曜日の朝、シャワーを浴びて以来、三日ぶりだった。介護される側のストレスって、こういうこともあるかも知れない?と、ふと思った。「自分が我慢すれば、みんなが楽かも?」と考えてしまうのだ。
同じ理由で、爪を切るのも我慢していた。爪飛びガード機能付きだが、パチンパチンと音が鳴るだけで、ドキドキさせてしまうかもしれないと思ったのだ。
ホテルで入浴後、Spotifyで叶姉妹のラジオを聞きながら爪を切って、生き返った気分になった。
てる君から、3人が昨日受けたPCR検査結果は全員陰性だったと報告あり、ホッ……。

小粋なプレゼント from 百合子と芙美子


そういえば、今朝、友達の山本正子さん(イラストレーター)からLINEメッセージが届いていた。「聡子ちゃん、お誕生日おめでとう」
私はちょうど誕生日に、自宅からタクシー移動でホテル暮らしをスタートという、人生初の経験をしたのだ。
部屋のテレビにはアパ社長の写真と手書き文字で「コロナウイルスに負けないように、みんなで力を合わせて頑張りましょう」と画像が出てきた。
「東京都とアパ社長に思いがけない誕生日プレゼントをもらったみたい」
正子さんからのラインに、そう返信した。

YouTubeで山下道ラジオを聞きながら寝た。

〜【コロナ療養03】へ続く〜

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