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「中国ワクチンが世界を救う!」ー妄想的思考実験
画像は4月16日付け日経新聞の記事だ。手短に言えば、次の相反する利益にどう折り合いをつけるのか?が報じられている。
「人の命を救うために(権利者の許諾無く特許が使える)強制実施を!」
「それでは製薬会社が研究開発を続ける意欲を失ってしまう」
容易に解けないそんなディレンマを、中国が「ゴルディアスの結び目」のように一刀両断するのでは?という「妄想」的思考実験を一席w。
ご存じのとおり、中国はコロナ対策初動段階での情報隠蔽について米国を中心とする批判にさらされている。
「情報隠蔽のせいで1月に感染者多数を海外旅行に送り出し、感染を世界に拡散させた」という批判だ。4月15日にはトランプ大統領が、この過誤に加担したとして、WHOへの拠出金を暫時止めると発表した。
【妄想的思考実験】
(1)責任追及の声に悩まされている中国は、不利な情勢を挽回する切り札として、ワクチン開発を遮二無二進めて、世界に先駆けて開発に「成功」、治験もそこそこに、ワクチンを量産し、世界に無償提供すると申し出る。
(2)日米など先進国の多くは「中国製なんて」と警戒して(ないしバカにして)無視するだろうが、背に腹を替えられない途上国は、争うように申し出を受けて、ワクチンを受け取る。
ここからシナリオの枝が分岐する。
(3)仮に「粗悪なワクチンで後遺症が頻発」となれば、中国はいよいよ「チェックメイト」に追い込まれる。
(4)しかし、仮に中国ワクチンが有効ならばどうなるか。
今後コロナ・パンデミックが世界に甚大な人的、経済的損失をもたらすとすれば、有効なワクチンを無償で提供した中国には、「世界を救った」という称号が捧げられ、「第二次世界大戦での米国に比肩する貢献だ」式に囃すお調子者も出てきそうだ(WHOのあのオサーンなんかそう言いそうw)。
仮に中国がばらまく無償ワクチンが有効と証明されれば、先進国の製薬企業は開発も生産も中止するだろう。冒頭の記事が記したディレンマは、先進国の「勝手読み」だったことになる。
いまの中国には大量の科学技術的、経済的な資源を動員する力があるので、以上を与太話と嗤いとばす訳にもいかない。
本当にやるんじゃないか?……何だか今晩うなされそうな気がしてきた。
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