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2023/03/23 題名と「コピー」

今日、サークルの友人たちと久々に会って話した。現在私は就職活動に専念するためサークル活動を一旦お休みしており、そのため彼女たちと話すのは久しぶりだった。

ある友達は私のnoteを褒めてくれた。面白いと言ってくれて、純粋に嬉しかった。
私はいつも2000字弱、多い時には5000字以上もの文章を書いている。友達が書いているからという前提はあるにしろ、ショートショート一本程度の文章を毎日読んでくれているのはすごいことだと思う。ありがたいなぁ。
「読まれている」という感覚はモチベーションに直結する。褒められて伸びるタイプも叱られて伸びるタイプも、どちらにせよフィードバックが必要だ。誰かが私の文章を読んでいるのだという意識一つあるだけで、俄然がんばるぞ! となる。

またある友達は「文章読むの苦手だから題名だけ見て面白そう〜!ってなってる、題名面白いね」と言ってくれた。

これが、なんだかすごく嬉しかった。

文章、それも字数が4桁を超えるような長文になると読めなくなる! という人は、案外多い。「案外」という言葉をつけたのは、今これを読んでいる人の多くは長い文章を読むことに抵抗がないタイプだろうなと思うからだ。文章を読むことが好きな人間は、文章を読めないという感覚に共感しにくい。「文章を読めない」という感覚ひとつでも細分化され、その程度は人によって全然違うからだ。
私は文章を読むのが好きだが、それが20万字とかになると「ちょっと一旦タンマ!」と言いたくなる。その「長い文章を読めない」と、本当に小説読むのがムリ! という人の「長い文章読めない」はかなり違う。

だから、文章が読めない人に向けた情報発信のアプローチ方法が必要となる。画像や動画もその代表格だけど、似たものに「コピー」がある。
短い言葉で見る者に大きなインパクトを残し、情報の入り口になるコピー。例えば、樹木希林さんを起用し朝日新聞に掲載された宝島社の広告コピー「死ぬ時くらい、好きにさせてよ」などは記憶に新しい人も多いのではないか……と思っていたら、この広告が掲載されてからもう7年が経つらしい。もしかしたら全然覚えてない人もいるかもしれないな。ミレーの「オフィーリア」に重なるビジュアルと言葉のインパクトに、当時大きな話題を呼んだ。
視覚に飛び込んできた文字列は脳に大きなインパクトを与え、「どうして?」「どういうこと?」「何の話してるの?」という次の情報を知りたい気持ちに繋がる。そんなドアとも似た役割を持つ。

かっこいい。言葉を操る仕事はたくさんあるが、その中で「かっこいいランキング」を作ったら間違いなく上位にランクインするだろう。

タイパという言葉をあちこちで聞くようになってから、情報伝播の手段として文章の人気はガタ落ちだ。
時間がかかるし、なんだか難しいし、目が滑るし、読めない漢字はあるし、ずっとおんなじ画面だからどこまで読んだか分かんなくなるし。画像は一目で情報を掴めるし、動画なら音声もついて分かりやすい。
けれど、私はやっぱり「ことば」を使って何かを伝えるということの面白さと楽しさ、その可能性が好きなのだ。
コピーはそんな社会の中で「ことば」の可能性を切り拓いてゆく一手であると思っている。新聞なんて読むのダルいからまとめ動画で見た方が早いし、Twitterでバズってるライブドアニュースのリンク先の記事だって読まずにRTしてしまう。そんな日常でも新鮮な気持ちで読み取り心を震わせる「ことば」が、世には溢れている。
かっこいいな〜。

それでどうして「題名だけ読んでる」が嬉しかったのかと言うと、この「題名」こそが私のnoteにおけるコピーだからだ。

5000字の文章を書き連ねて、仮にそれがどれほど面白い内容だったとしても人の興味を惹きつけることができなければ意味がない。「お、面白そう。読んでみよう」と思わせるドアが無ければ、その先の情報には辿り着けないのだ。

この文章の内容、面白さ、ポイント、つまり何が言いたいのかをうまく取り入れて、一言で言い表す。それが題名だし、この考えはコピーを作る上で重要となる考えと根底で繋がっている……、と、思っている。コピーは一言じゃなくていいけど、伝えたい情報と「おっ」となるインパクトを残すという面では繋がっている。

かっこいいなと憧れつつ、私はこれがすごく苦手だ。小説を書くときも、いつも「そんな題名ならいっそ付けない方がマシなんじゃない?」と思ってしまうようなタイトルばかりになってしまう。自分の語彙力の無さと柔軟でない頭が理由だろうけど、いつも書いたものの範疇だけに思考が止まって、その先へと目線を移動させることができない。情報をどう伝えるのかを考えることが大事なのは分かっているから、改善したいのだけど……。

だから、題名を読んで「面白そう」と思ってくれるのであれば、その先の文章が読めたにせよ読めなかったにせよ、とりあえずは成功なのだ。リンクを押してもらったり、商品を買ってもらったり、興味を持ってもらったりと読んだ人を「次」に繋げることがコピーの役割だから。

文章を褒めていただけたことは、ありがたいことに多々ある。けれど、「題名」を褒めてもらったのは初めてだった。

たくさん改善しなくてはならないことがある。社会に出た時の再現性があるかどうかも疑わしい。だからまだまだ頑張るけど、とりあえずは今日貰えた「褒め」を素直に受け取りたいな。

と、いうのをこの本を読みながら思った。
大好きな本です。

この本についてはまた別途感想文を書きたいな。本当に素敵な本だから、書店で見つけたときにはぜひぺらぺら捲ってみてほしい。

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