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新興サークルに聞く! 成功のヒケツと裏話


 




本文の前に

 あなたは今サークルに所属しているだろうか。
 更に言えば、あなたはサークルの運営に携わったことがあるだろうか。

 イエスと答える人は少ないだろう。けれどもサークルを運営することの大変さは想像に難くないはずだ。まして新しくサークルを設立し、運営を行う、などは言うまでもない。
 今回私がインタビューを行ったのは、そんな苦難を乗り越えて設立4年目に至った新興サークルたちである。このインタビューを通して、サークル設立当時の苦労話や新興サークルならではの楽しさを知っていただければと思う。

 今もサークル運営に苦心しているあなたも、これからサークルを作ろうかなと考えているあなたも、そんなのに興味がないあなたも、是非ご一読いただければ幸いだ。






参加サークル紹介

◾️早稲田大学アイドリッシュセブン同好会

アイナナでは、「アイドリッシュセブン」が好きなメンバーで日々オタ活の様子を発信中!
秋に開催する早稲田祭では、ゲーム中の楽曲でコスプレダンスパフォーマンスを行います!ぜひ来てください!

◾️紅茶研究会

早稲田大学非公認サークル、紅茶研究会です。
月に1度、レンタルスペースでのお茶会や少人数単位でのカフェ巡りを行っています。
紅茶が好きな人、カフェが好きな人は会員募集のタイミングをお見逃しなく!

◾️Ws.Dolce(ワセドルチェ)

早稲田大学のお菓子作りサークルのWs.Dolceです!
月2回、土日に高田馬場にある施設を借りてお菓子作りをしています🍮🍩🍰
お菓子作りが好きな人はもちろん、お菓子作り未経験な人でも、甘いものが好きな人なら誰でも楽しめます🎶
興味を持った方は是非私たちと楽しくお菓子作りをしませんか?Ws.Dolceでお待ちしております!



インタビュー全文

Q1.  教えて!サークルの概要

昆野:それでは座談会を始めさせていただきます。まずは紅茶研究会さんからサークル紹介をどうぞ。
 
紅茶研究会:紅茶研究会は現在活動歴4年目のサークルとなっていまして、会員数は30人程度となっています。活動内容は大まかに2つに分かれていて、1つ目が早稲田駅付近のレンタルスペースを借りて、そこで紅茶を持ち寄って皆で楽しむっていう感じですね。
 もう1つの活動が、3〜4人の班に分かれて、各自で決めた都内のカフェに行くという、いわゆる「カフェ巡り」ですね。活動頻度はどちらも最低月に1回はやってます。
 
昆野:ありがとうございます。続いてワセドルチェさん、お願いします。
 
ワセドルチェ:うちのサークルの設立は2021年4月で、ほとんど紅茶研究会さんと同じくらいですね。サークルの人数は、新入生を含めて60人くらいですね。
 
昆野:60人もいるんですか。
 
ワセドルチェ:1年生が結構入ってくれて増えましたね。それで活動内容なんですけど、高田馬場駅の近くにある「新宿消費生活センター」のスペースを借りて、サークル員みんなでお菓子を作ってます。学校の家庭科室みたい場所なんですけどね。(笑)
 お菓子作りの頻度は月に2回、土日でやってます。これにプラスして特別活動みたいなのがあって、ちょうど明日バーベキューに行くんですよ。
 そんな感じでバーベキューをやったり、去年は早稲田祭に出店したりしました。
 
昆野:そうですね、出店されてましたね。
 
ワセドルチェ:でも今年は早稲祭ではなく合宿をやろうと思ってて。いろんなプラスアルファの活動をしているみたいな。
 
昆野:なるほど、ありがとうございます。最後にワセナナさん、お願いします。

ワセナナ:はい、ワセナナができたのは2021年の7月ですね。現4年生が1年生の時に設立しました。
 活動内容は「アイドリッシュセブン」というソシャゲのコピーダンスをする、というのがざっくりな紹介で、メインの活動は早稲田祭でのダンス披露となってます。あとは、普段お互いにオタ活をしたり、有志で曲に合わせて踊ったりしています。Youtubeに動画を上げたりなどもしていますね。


Q2. 活動内容、最初から決まってた?

昆野:活動内容が最初からずっと変わらないまま、みたいなことってあまりないと思うんですが、現在の活動内容になるまでの変遷はどういうものなんですか。

ワセドルチェ:実はうちの活動、あまり変わってなくて。(笑)活動内容がお菓子作りということでブレにくいのが原因かなって思います。活動内容よりは幹部とかの人員確保に苦労したみたいですね。
 
昆野:ワセナナさんの方はいかがですか?
 
ワセナナ:元々ダンスの大会に出るっていう目標があったので、ダンスというメイン活動は変わってないんですけど、最近は人が増えて撮影班みたいなものもできたりして、後は集まってご飯行ったり、映画見に行ったりしてますね。
 
昆野:普通に遊びに行く感じですね。(笑) 紅茶研究会さん、お願いします。
 
紅茶研究会:最初は紅茶を集まって飲むだけだったんですけど、人数も増えてきて、他の活動も増やした方がいいかな、という感じでカフェ巡りとか、紅茶を飲みながらボードゲームをする会を追加していきましたね。

昆野:ボードゲームって主にどういうのをプレイしてるんですか?

紅茶研究会:回数が多いのはカタンですかね。あとはインサイダーとかもよくやっている気がします。
 
昆野:なるほど。ちなみにワセドルチェさんとワセナナさんって、去年の早稲田祭に出ていたじゃないですか。出るのが決まった経緯はありますか?
 
ワセドルチェ:せっかくお菓子作ってるなら出店してみたいな、という希望がサークル内にあって、じゃあやってみようか、という感じですね。
 ただ規定がとても厳しくて、その場で調理できないとか、持参は駄目とか。食品を切ることもできなくて、そんな中で決まったのが、フルーツを入れた最中でしたね。色々試行錯誤したのもいい思い出です。(笑)

早稲田祭の出店の様子


 
昆野:そんなに厳しいんですか。
 
ワセドルチェ:結構面倒くさかったですね、本当はいつも作ってる焼き菓子とかが良かったんですけど。あとは乳製品も駄目で、アイスクリームとかも出せませんでした。
 
ワセナナ:うちのサークルは大会の代わりに出ようか、という流れですね。最初は大会に出ようとしてたんですけど、結局大会には出なかったんですよ。
 それがなんでかというと、ぶっちゃけ大会に出るために売る必要があるチケットノルマが多すぎて無理だ!ってなって。(笑) 今では早稲田祭を目標に練習してますね。


Q3. 大学とのあれこれ

昆野:3サークルとも今は非公認サークルだと思うんですけど、これから公認サークルになろうとか考えたことはあります?
 
紅茶研究会:やっぱり目指したいです。何より部室がもらえて荷物の管理が楽になるというのが魅力で。今だとお茶会に使うケトルとかポットみたいなやつは幹部が管理してるんで、毎回持ってくるのが大変なんですよね。今の所、2人か3人で備品諸々を管理してて、お茶会の度にその人たちが持ってきて、持って帰るみたいな。備品持ってる人が来れなかったりすると、前もって備品の受け渡しとかもしなくちゃで、面倒です。
 
ワセドルチェ:お菓子を作るのに必要な道具とかって結構重かったり大きかったりして、それをサークルメンバーが毎回持ってきてくれてるので、やっぱり部室に置いときたいですよね。
 
まあ承認に必要な先生が見つからないんですけど。特に自分がまだゼミに所属してないせいで親しい先生も見つからなくて、という感じですね。
 
昆野:やっぱり捕まりにくいですよね、ワセナナさんの方はどうなんですか?
 
ワセナナ:そりゃ欲しいですよ。(笑)うちの場合は、特に衣装とか小道具とかは今各人の家で保管してもらってるんですけど、そんなの普段着るものじゃない訳で。あと、公認サークルになると練習場所が確保できるのもありがたいですね。
 うちは基本的に都内のスタジオを借りて使ってるんですけど、やはりそれもお金がかかるし、そこに行くための交通費もかかるので、意外と出費が嵩むんですよね。だから公認サークルになりたいんですけど、できるかどうかわからないというのが今の状況ですね。
 
昆野:ありがとうございます。



Q4. 意外と簡単?メンバー集め

昆野:新興サークルって知名度がない分、初期の会員集めが苦労しそうですけど、その点はどうだったんですか。
 
ワセナナ:うちは7人組のアイドルをコピーするということで、どうしても7人必要だったんですけど、最後の7人目がどうしても集められなくて。Twitterや身内の身内とかにも声をかけましたね。
 2年目も同じだったんですけど、3年目から急に増えて。理由を聞いてみると、「早稲田祭で見て興味を持った」という人が多くて、早稲祭の影響力すごいなって思いましたね。
 
昆野:やはり早稲田祭様々って感じですね。(笑)
 
ワセナナ:ありがたいことに。(笑)
 
ワセドルチェ:先輩が作った時は、TwitterやInstagramで#春から早稲田 みたいなハッシュタグをつけて集めたり、後は入ってきてくれた人経由の口コミで広めたという風に聞きましたね。初年度なのでマイルストーンに載せることもできないですし。

紅茶研究会:うちも似た感じですね。きっかけはノリだって言ったと思うんですけど、そこから人数確保しようとTwitterで募集をかけてみたら想定より希望人数が多くて、ならしっかり運営していこうかと。まあ、レンタルスペースのキャパの都合上、募集人数に制限をかけてはいましたけどね。
 
昆野:意外と苦労はしてなかったんですね…。



Q5. コロナ、やっぱり辛かったよ。

昆野:みなさんのサークルが設立された年は2021年だということで、丁度コロナが流行っていた時期だと思うんですね。その時期だから困ったこと、逆に良かったことがあったら教えていただきたいです。
 
ワセドルチェ:うちはお菓子作りっていうのがモロで引っかかりましたね。(笑)それに加えて、初年度ということあって活動する人も集まらなかったみたいで。普通の活動自体が全然出来なかったと聞きましたね。
 
昆野:そうですよね。よく空中分解しなかったなと思いますね。
 
ワセドルチェ:先輩には感謝してもしきれませんね。

紅茶研究会:うちは非公認だからってことでレンタルスペースを借りて、お茶会を開いていましたね。もちろん殺菌とかマスクをつけるとか注意はしてましたが。(笑)
 Twitter経由で初期のメンバーを集めたということで、顔合わせをしておこうみたいな意味もあったようなんですが。コロナが酷くなった時期は流石にやめておこうとなって、Zoomでお喋り会したりお勧めの紅茶を発表したりしてたみたいですね。やはりコロナの影響力は大きかったのかなと。


ワセナナ:練習場所にはスタジオを使ってたんですけど、コロナ禍とかに関わらずそのレンタル費はキツいですね。ソーシャルディスタンスを保つために公園とかで練習したりもしたんですけど。それよりコロナでキツかったのが、本番のパフォーマンスの時にマスクをつけておかなくちゃいけないという謎ルールでしたね。(笑)
 ほら、ダンスって結構激しいので、めちゃくちゃ息が辛かったですね。練習中は流石にマスクつけたまま出来ないんで、距離をおいてやってました。正直2度とやりたくないですね。



Q.番外編 「苦労話、なにかありません?」

昆野:フリが雑なんですけど、なにか苦労話ってないですかね。
 
紅茶研究会:最初の頃のやつなんですけどいいですか?(笑)
 
昆野:全然大丈夫です。
 
紅茶研究会:身内ノリでスタートしたこのサークルなんですけど、流石に幹部は決めておこうかとなって、サークルの発案者2人がそれぞれ幹事長と副幹事長になったんですね。で、それに加えて1人が会計になって、サークルの体が整ったんですよ。
 ただ、夏学期が終わる頃くらいかな、それくらいにその副幹事長と会計が辞めてしまって。一時期は幹事長1人で回そうとしたんですけど、そんなの無理じゃないですか。(笑)なので、その代わりに新しく副幹事長と会計を指名して、今に繋がってます。
 こんなことがあったせいで、会計の先輩がいつ誰が辞めてもいいように引継書類を作る羽目になった、って笑いながら話してくれました。
 
ワセナナ:うちも1つありまして。早稲田祭の時なんですけど、うちはゲームの音楽に合わせてダンスを踊るっていう形で、音楽がないとパントマイムになっちゃうんですね。なんですけど、本番当時になってその音楽が流れなくて。(笑)
 それを流せるようになるまでサークル員が5、6分喋り続けて、場を持たせてましたね。その間に副幹事が控え室まで爆走して、iPadを取りに行って音源を実行委員会の人に渡してました。これが初年度の話で、実は2年目も機材の故障がありまして、サークル員がアンプをひたすら直す羽目になりましたね。(笑)
 
昆野:その間、場を繋いでいたのは…?

ワセナナ:初年度の時と同じサークル員ですね、勘が鋭い。(笑)まあ新興サークルならではの苦労話では全然ないんですけど。

昆野:ありがとうございます。



Q6. サークルのこれからについてお願いします。

昆野:最後の質問になるんですけど、ここまで約3年間サークルを続けてきたということで、これからのサークルで大事にしたいこと、もしくは引き継ぎの意気込みがありましたらお願いします。
 
ワセドルチェ:やはりお菓子作りが月2回しか出来ないことが問題かなと。年度の最後の方になると、最初に入ってくれた人たちが減ってきてしまうので、活動頻度をもっとコンスタントにして、年度通して定着するメンバーを増やせればいいですね。
 今年度からは班制度を導入したんですよ。イベント班とか、お菓子のレシピを考える班とか。小さい役割ではあるんですけど、それでもあるとないとでは全然違うんじゃないかなと。
 こういう一手間で来てくれるメンバーが増えれば、その分幹部になってくれる人も増えると思うんで。それがこれからのサークルの維持に繋がると信じて、後輩の面倒を見ていこうと思います。
 
紅茶研究会:幹部候補の不足はうちも同じですね。あと、一応紅茶「研究会」なのに全然紅茶の研究をしていなくて、同好会みたいになっているので、もうちょっと研究面も掘り下げていきたいですね。
 また、メンバーの定着を目指したいので、やはり新しい活動というかまた参加したいと思わせるようなサークル活動をもっとしていきたいと思ってます。そういう意味では、ワセドルチェさんとのコラボ活動というのはめちゃくちゃありがたくて。これからも定期的に開催していきたいですね、
 
ワセドルチェ:そうですね、うちとしても美味しい紅茶を飲めるイベントというのは貴重だと考えています。これからも是非よろしくお願いします。


 
昆野:じゃあ最後にワセナナさん、お願いします。
 
ワセナナ:はい、うちはやはりどうしてもオタクが多いということで。それにほら、オタクって思想強いじゃないですか。(笑)
 
昆野:そうですね、わかりますよ。(笑)
 
ワセナナ:はい、それに人が増えてきたこともあるんで、そこら辺を踏まえつつ、皆がそれぞれの思想を主張しつつも仲良くできるサークルになっていければなと。
 あと個人的な話にはなるんですが、せっかく入ってくれるなら「入って良かった!」と思ってくれるような雰囲気にしたいです。どうせサークルに時間を割くなら楽しい方が得じゃないですか。
 
昆野:質問は以上になります。インタビューへのご参加、ありがとうございました。
 
紅茶研究会・ワセドルチェ・ワセナナ:ありがとうございました。



最後に

 新興サークルを対象にしたインタビューでした。いかがでしたでしょうか?
 私自身もサークルの幹事長を務めていたこともあり、他のサークルってどんな感じで運営してるんだろ?という疑問から始まったこのインタビューでしたが、内実を垣間見ることができて大変満足しました。

 さて、「サークル」と一口では言いますが、その取り組み方はエンジョイ系から全力系まで様々なものがあると思います。例えば、今回紹介させていただいた紅茶研究会さんは比較的前者寄り、ワセナナさんは後者寄りかもしれません。私が所属していたサークルは趣味全ツッパ、参加率低くてもいいよ、みたいなやつでした。滅茶苦茶エンジョイサークルでしたね。
 そういえば、このゼミの他の記事にてパフォサーさんたちが特集されているんですが、彼らは圧倒的に後者ですかね。そちらの記事も是非読んでいってください。
 ただ、設立者自身の「好きなことをもっとしたい!」という想いの先にあったのが『サークルを作る』という選択肢だった、ということは共通しているのではないでしょうか。

 大好きな趣味があるけどサークルがない…。そんなあなた!
 「サークルの創設」、一度考えてみてはどうでしょう?


 もしこの記事でサークル創設に興味を持っていただけたのならば、それ以上の喜びはありません。
 新しいサークルがこれからも早稲田に生まれることを願いつつ、ここで筆を置かせていただきます。
 

文責:昆野