見出し画像

Venmo

アメリカに来て便利だなーと思ったアプリのひとつがVenmoという送金サービスです。

アメリカでは若い世代を中心にかなり普及している印象で、食事や旅行費用の精算は全てこのアプリで完結します。やや古いソースではありますが、2019年4月時点でのVenmo登録者数は40million = 4,000万人と、アメリカで10%強の人が使っているサービスです。今回はこのVenmoについて書いていきます。

そもそもVenmoって

ローンチは2009年。翌年シードで$1.2milを調達、2013年にPayPalに買収されて現在に至ります。現時点ではアメリカ国内限定のサービスです。

アプリのダウンロード・登録は無料。年会費も掛かりません。アメリカの携帯番号と、アメリカ国内の銀行口座があれば誰でも登録できます。

送金元を銀行口座orデビットカードにすれば送金手数料はゼロで、即日相手に送金されます。送金された側は、以下画像のように残高に反映され、そのままVenmoバランスとして保持するか、銀行口座に振込んで現金化することが出来ます。即日振込は1%の手数料が掛かりますが、1-3営業日後の振込であれば無料。従い、個人ユーザーは基本的に無料でVenmoを使うことが出来ます。私の場合、送金を受けたら直ぐ自分の口座に振込んでいるので基本残高はゼロです、サンプルがショボくすいません。

画像1

ではVenmoがどうやって儲けているのかというと、

① 即日振込時の1%の手数料を個人から徴収

② 送金時にクレジットカードを使うと3%の手数料を個人から徴収

③ 法人はVenmoバランスを使用した決済時に3%の手数料を法人から徴収

の主に3パターン(クレジットカードを発行したりしているのでその辺でも手数料を得ていると思われますが、割愛します)。①、②はユーザーからすれば簡単に回避できる手数料なので、基本的には③の法人から稼ぐ、というのが主な収益源のようです。事実、最近VenmoはUBERGRUBHUBといったアメリカの人気サービスとの提携を加速させており、Venmoバランスで決済できる経済圏を拡大中です。

PayPalとの違い

VenmoはPayPal傘下ですが、Venmo残高とPayPal残高はリンクしていません。 現時点では別サービスという整理なんですね。

PayPalも個人向け送金サービスを提供していますが、棲み分けのイメージとしてPayPalは高額送金、Venmoはデイリーの少額送金を想定しているようです。Venmoは一週間で送金・現金化出来る金額上限がそれぞれ$299.99/$1,500.00であり、PayPalよりも少ないです。じゃあ上限が多いPayPalをみんな使うでしょって話ですが、Venmoは免許証のアップロードといった面倒な本人確認は要らずにサクッと始められるので、このカジュアルさが若者に受けているのだと思います。要は使い始める心理的な障壁が低い訳です。

もう一点、Venmoの特色を挙げるとなると、他の人が誰に支払っているかをSNS感覚で知ることが出来る点。設定で非公開設定をしない限り、支払いを行うと以下のように全世界に発信されます(金額は公開されません)。

画像2

個人的にこの機能要るかなーとは思うものの、誰が誰と何にお金を使っているのかを把握する観点から一定のニーズがあるようです。提携企業宛に支払った場合は、企業名やサービス名が表示されることになるので、ある種の広告効果も期待できるかもしれません。

なぜ便利だなーと思ったか

ここからは、完全に個人の見解となりますがVenmoが便利だと思う理由を日本での実体験とも比較し整理してみました。

① 操作が圧倒的にシンプル

そもそも私が日本で生活していた時の精算方法は、銀行口座への振込が主でした(今思えばかなりアナログです)。振込するにはまずオンラインバンクにログインして、銀行名・支店名・口座番号等を入力し、確認画面でもう一度パスワードを入力し送金完了、というかなり工数が掛かるものでした。

一方Venmoは、QRコード又はユーザー名を入力、金額とコメントを入力してPayを押せば完了。SNSをやる感覚でものの10秒くらいで完結します。認証はFace IDです。超楽ちん。

画像3

② みんなやってる

こういうサービスで最も重要なのがユーザーの母数。どんなに良いサービスでも、使っている人がいなければ意味がありません。日本でも○○ペイといったサービスがたくさんありますが、(少なくとも私の周りでは)使っている人が圧倒的に少なかったので、活用するシーンはありませんでした。その反面こちらではVenmo以外の選択肢がほぼ無いほど普及しています。

競合サービスとしてSquareもCashというサービスを提供していますが、現時点ではVenmoがかなり優位な状況です。ファーストオプションはVenmoですので。

③ 手数料ゼロ

これほど便利なサービスであるにも関わらず基本的に手数料が掛からないのが本当に素晴らしい。

Googleのように対個人に無料で優れたサービスを提供し、マネタイズは対法人で行うサービスはやはり強いと改めて感じます。日本でも○○ペイが乱立していますが、残高を現金化する際に手数料が掛かるのが常だと思います。結果○○ペイ残高を保持するようになり、○○ペイに対応した場所でなければ使えないという状況に陥ります。事業主にとり囲い込みは重要ですが、結果的に現金の流動性が下がってしまうのはどうなんだろう、と個人的に思います。これは私が日本で○○ペイでの個人間送金を活用しなかった理由でもあります。

さいごに

Venmoは個人ユーザーからすればかなり便利なサービスですが、今後どのようにマネタイズを加速させていくのかが一つの見所だと思います。

ここまで長々と書いてきましたが、私は決してVenmoの回し者ではありません(笑)あくまでベイエリアのサービスをご紹介する意図で個人の趣味として書かせていただいております。

従いまして、個人の主観がかなり入り込んでいたり認識に誤りがある点もあるかと思います。気になる点等がございましたら、コメント等頂戴できますと幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?