以前に『行政書士の扱える業務、行政書士の仕事内容』を書かせて頂きましたが、今回は行政書士試験について書かせて頂きます。


1、行政書士試験の合格者の年齢層

2022年度の行政書士試験の受験者と合格者の年齢層を示しているのが以下の表になります。

年齢層:受験者数:合格者数
10歳代以下 570名 56名
20歳代 7,810名 1,178名
30歳代 10,117名 1,611名
40歳代 12,430名 1,513名
50歳代 11,138名 1,058名
60歳代以上 5,785名 386名


一般財団法人行政書士試験研究センター調べ

合格者数の年齢層は多い順に30代、40代、20代という結果が出ています。
また、受験者数の多い順は40代、50代、30代となっております。
合格者の多くが20~40代であることが分かると思います。
士業全般に言える事ですが合格するまでの1年~2年は誤差の範囲内なので、年齢にこだわらず試験を受け仕事に繋げていけるのが良い所だと思います。

2、10年間の行政書士試験の合格率の推移

ここ10年間の行政書士試験の合格率の表です。
合格率は約10%前後だと思っておけば間違いないでしょう。

年度:受験者数:合格者数:合格率
2022年度:47,850名:5,802名:12.13%
2021年度:47,870名:5,353名:11.18%
2020年度:41,681名:4,470名:10.72%
2019年度:39,821名:4,571名:11.48%
2018年度:39,105名:4,968名:12.70%
2017年度:40,449名:6,360名:15.72%
2016年度:41,053名:4,084名:9.95%
2015年度:44,366名:5,820名:13.12%
2014年度:48,869名:4,043名:8.27%
2013年度:55,436名:5,597名:10.10%


一般財団法人行政書士試験研究センター調べ

3、行政書士の試験は難しい?

難しいといわれる理由としては

●試験科目が多く勉強しなければならない範囲が広い
●科目ごとの合格基準点があり基準を満たさないと合格できない
●出題の形態が多様でそれぞれに対策が必要


この理由に対して完璧な対策を立て満点を目指し学習するのは簡単ではないと思います。それぞれをクリアするためには多くの勉強時間が必要になってしまうからです。

それぞれ詳しくみていきます。

1.試験科目が多く勉強範囲が広い

行政書士試験は法令等科目と一般知識等科目で分かれていて、法令等科目は基礎法学、憲法、行政法、民法、商法の5科目となっています。
一般知識等科目は政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解の3科目から出題されます。法令等科目が46問、一般知識等科目が14問の計60問となっております。
法令等科目は覚える分量が多く勉強する範囲も広い為、また一般知識等科目は出題内容が多岐にわたる為こちらも広範囲で勉強する必要がある為、試験としては難しいものになっています。

2.科目ごとの合格基準点がある

合格基準
行政書士試験は300満点中180点を取れれば合格となります。
しかし、法令等科目/一般知識等科目どちらかの科目だけで偏った点数を取って合格点に達した場合には合格とはなりません。
合格基準は下記①~③で3つの条件をクリアできれば試験合格となります。
①法令等科目の得点が、122点以上(満点の50%以上)
②一般知識等科目の得点が、24点以上(満点の40%以上)
③試験全体の得点が、180点以上(満点の60%以上)

上記の様に行政書士試験はそれぞれに合格基準が決められ、基準をすべて満たさなければ、合格出来ない仕組みになっています。

3.試験問題出題の形態が多様で対策が必要

行政書士試験の出題形態は多様で様々な対策が必要になるため難易度が高くなる傾向があります。 例えば、法令等科目で出題される46問のうち、40問が5肢択一式、3問が多肢選択式、3問が記述式となっています。
出題数や配点の高い択一問題を重点的に対策する必要がありますが、記述式も1問あたり20点と非常に配点が高くここが合否に大きく関わってきますのでしっかり得点を狙う必要があります。

4、行政書士の試験内容/配点

法令等科目


憲法 28点 択一式5問 多肢選択式1問
基礎法学 8点 択一式2問
民法 76点 択一式9問 記述式2問
行政法 112点 択一式19問 多肢選択式2問 記述式1問
商法 20点 択一式5問

一般知識

政治・経済・社会 28~32点 択一式7~8問
情報通信・個人情報保護 12~16点 択一式3~4問
文章理解 12点 択一式3問

行政書士試験の配点は、法令科目244点と一般知識56点の合計300点満点で構成されています。
合格ラインは6割である180点以上の獲得が必要です。
科目ごとに足切りの基準が存在していて、法令科目50%以上(実質124点以上)と一般知識約40%以上(24点以上)の得点できないと合格する事が出来ません。特に一般知識は大きく対策は出来るものの、法令知識の様に微細な学習がし難いことから大きく足を引っ張られる場合も多い部分です。
上の表を見て頂くと分かると思いますが法令等科目は5科目、一般知識等科目は3科目ありますが、科目ごとに均一に配点されているわけではなく科目ごとに配点の大きな偏りがあります。
どちらの科目も範囲が広いため、すべてを網羅するのは難しいと言えるでしょう。ポイントを絞って、効率よく勉強することが必要です。

※注:令和5年9月に「行政書士試験の施行に関する定め」が一部改正され、令和6年度(2024年度)の行政書士試験より適用されることが決定しています。「一般知識等」が「基礎知識」に変更され、試験科目として「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令」が追加されます。変更後は

●一般知識(政治・経済・社会)
●行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
●情報通信・個人情報保護
●文章理解
となります。

行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令とは、行政書士法、戸籍法、住民基本台帳法などを指します。基礎知識の出題数は択一式が14問とこれまでと変わらないため、苦手とする人が多い政治・経済・社会などの出題数がこれまでよりも少なくなることが予想されます。

5、法令等科目と基礎知識(一般知識等科目)対策

法令等科目、5つの法令科目

法令等科目は『基礎法学、憲法、行政法、民法、商法』の5科目で、合計244点のうち122点以上で合格基準をクリアできます。法令等科目は行政書士の業務に直結するものであり、きわめて重要度の高い科目と言えるでしょう。どの科目に関しても、満遍なく点数を獲得出来れば理想的ですが、科目によって重要度が存在するため、効率を重視した方が良い傾向にあります。
5科目に分かれてはいますが、法律はそれぞれに関連性があるため、バラバラに学習するよりはある程度まとめて学習した方が良いと思います。

行政書士の業務に関連する基礎知識(一般知識等科目)

一般知識等科目は、『政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解』という3科目でしたが
●一般知識(政治・経済・社会)
●行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
●情報通信・個人情報保護
●文章理解
となります。

一般知識・政治・経済・社会は世界各国の政治制度、国内の選挙の制度、国際問題、金融政策、環境問題、社会保障制度、労働問題、時事問題など、かなり広範囲にわたっています。
情報通信・個人情報保護は基本的な用語中心の出題が特徴です。
文章理解は現代文からの出題で並べ替えや空欄補充の形式であるため、コツをつかむ必要があります。
行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令とは、行政書士法、戸籍法、住民基本台帳法などを指します。

苦手とする人が多い政治・経済・社会などの出題数がこれまでよりも少なくなることが予想され、その分実務につながりやすい/学習しやすい行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令が追加されていますので「改正前よりも対策自体はしやすくなった」「点数が取りやすくなった」と捉え学習していければよいかと思います。

5つの法令科目

【憲法】
憲法は総論(憲法に共通する基本原理)・人権(国民の権利)・統治(統治の仕組み)の3つが主な勉強内容ですが、行政書士試験では「人権」と「統治」からの出題が大半です。
それぞれの分野についてのまとめてみます。

『人権分野』

判例からの引用による出題が多数裁判所による条文解釈が問われる義務教育で習った分野が一歩踏み込んだ形で問われる


『統治分野』

条文の暗記をすることが主な対策三権立法が出題の核になる判例は稀にしか出題されない

憲法はすべての法律の基礎であり、他の科目を理解するための土台になります。
また覚える内容も他の科目に比べ多くは無く、行政書士試験における憲法は難易度がさほど高くないため、確実に点数を稼いでおきたい科目です。

【基礎法学】
基礎法学は、試験の第1問目として出題されます。
試験範囲を大別すると「法令用語」「法制度」「司法改革」の3分野で、いずれも対策が困難です。
300点満点の行政書士試験で、基礎法学の占める点数は8点のみと勉強量に対するコストパフォーマンスが良くありません。
基礎法学を勉強する場合は、時間のかけすぎに注意したほうがよいです。

『法令用語』

法律を勉強するために必要な知識3分野の中で最も対策が簡単法律初心者の方はこの分野から勉強を開始する


『法制度』

法律の歴史や思想体系から出題される3分野の中で最も対策が困難


『司法改革』

時事問題からの出題が目立つ裁判制度の解釈が重要


基礎法学は法令用語の意味を問うような基本問題から重箱の隅をつつくような奇問まで幅広い難易度で出題されます。難問系は解ける人も限られてくるので時間をかけると試験の他の問題を解く時間配分に支障が出てきます。
対応が困難な問題だと感じた場合、捨て問として処理するのも1つの手段です。

【民法】
民法は、1,000を超える条文を覚え、理解することが求められます。
「総則」「物権」「債権」「親族」「相続」の5分野から構成されますが、特に「債権」は出題数が多く合否に大きく関わる分野ですので、何度も繰り返し過去問や条文を見直すことが大事です。

『総則』
条文と判例の両方から出題され、条文は基礎、判例は応用を問われる
『物権』

民法の共通事項を規定している他分野と比較して難易度が高くない

所有権や地上権、占有権といった物に対する権利物権変動が最大のポイント条文を充分に理解するのが大切


『債権』

債権と債務をまとめて規定した抽象的な条文が目立つ条文と具体的事例を結び付けられるように勉強する


『親族』

婚姻や離婚、親子について規定している


『相続』
遺言や遺産、遺留分について規定している
民法は試験範囲が膨大な代わりに、身近な法律に関する記載も多数あるため、頭の中でイメージを作りながら学習できるため、行政書士試験勉強の中では比較的学習しやすい分野といわれています。
また、民法分野は長文かつ複数の人物が登場する事例問題が出題されるため、時系列順に図式化し整理できるとよいでしょう。

【行政法】
行政法は法令科目の半数以上である112点もの配点があり、大切な得点源です。
また、暗記科目かつ過去問対策が有効なことから、8割以上の正答率は確保したい科目です。
他分野と異なり、勉強量がそのまま結果に結びつくため、何度も繰り返し勉強することをおすすめします。

『一般的な法理論』

行政機関や公務員といった行政組織の仕組みについて


『行政手続法』

行政機関からさまざまな処分を行う際のルール条文を中心に択一式で3問程度


『行政不服審査法』

国民から行政機関に対して事後の救済を求める際のルール条文を中心に択一式で3問程度


『行政事件訴訟法』

国民から裁判所に対して事後の救済を求める際のルール条文と判例からバランスよく出題択一式および記述式


『国家賠償・損失補償』

判例から出題範囲が狭く、対策が簡単


『地方自治法』

都道府県や市町村などの地方公共団体に関するルール条文を中心に択一式で3問程度条文内容が細かく複雑


行政法を初めて学ぶ方は、行政法は民法と違い今までの生活や環境的に馴染みのないものや、なじみの薄い用語が多数あり、淡々とした内容のものも多いためイメージを作るのに苦労するかもしれません。
しかし、覚えてしまえば難易度自体は高くないので、繰り返し学習し確実に点数を稼げるようにしておきたいところです。

【商法】
商法は、試験範囲が莫大かつ複雑で受験生が最も頭を悩ませる科目です。
配点が20点あるにも関わらず、ハナから捨て問と位置づける受験生も多数います。
しかし、合格の可能性を高めるため、商法で何点かでも加算することが大事になりますので、要領よく学習に取り組むことが重要です。

『商法』

商取引全般に関する私人間のルールを定めた法律毎年1~2問の出題


『会社法』

会社の設立や組織、運営を定めた法律


出題数は5問でうち2問は基本問題
商法は、民法や行政法のように、判例と照らし合わせて選択肢の正誤を判断するといった問題は出題されず、商法に関しては条文を知っているかを直接問われるため、暗記が重要です。 自分の知らない条文が出題された場合は、時間をかけずに捨て問にするのが賢明でしょう。

3つの一般知識→4つの基礎知識へ

一般知識で問われる内容は「政治・経済・社会」「情報通信・個人情報保護」「文章理解」の3科目でしたが。令和6年度の試験から

●一般知識(政治・経済・社会)
●行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
●情報通信・個人情報保護
●文章理解
となります。

法令科目と比較すると総得点が低めですが、一般知識だけでの足切りがあるため必要最低限は得点を取らねばならず、注意が必要でした。
が「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令」が追加され学習すれば点が取れるかと思いますので、対策は以前の試験よりは多少し易くなるかと思われます。

「政治・経済・社会」は毎年、捨て問が存在するなど対策の困難な科目でした。

令和6年度の試験から一般知識の枠内で「政治・経済・社会」の問題が出ると思われますが、以前の試験よりも出題数は減ると思われますので重要度は少し下がっています。

『政治・経済・社会の対策』

新聞やニュースから話題を拾っておくセンター試験向けの政治経済参考書を活用するニュース検定用の参考書を活用する

「政治・経済・社会」は時事的な問題が出題されるため、常にアンテナを張っておくのが大切です。
しかし、何となく聞いたことがある程度では正答するのは困難なため、話題の経緯や歴史的背景まで押さえておき日常生活から政治・経済・社会に対して意識をしておきましょう。

「情報通信・個人情報保護」は出題範囲が限定されており、対策が容易なため、出来れば満点を獲得したい科目です。対策に従って学習を進め満点を目指しましょう。

近年の情報通信機器の発達による法整備や個人情報保護法について、正誤問題や空欄問題の形で出題されます。

『近年の出題傾向』

情報通信→暗号化技術・電子署名・行政手続きのオンライン化・不正アクセス禁止法・LTE個人情報保護→個人情報保護法


「政治・経済・社会」と同じく、新聞やニュースから時事問題を押さえておくのが大切です。
情報通信用語は、常に更新されるため、過去問での対策をする場合は注意して下さい。

「文章理解」の試験問題は、大学入試の現代文と似ており、長文を読んだ後で論旨に合う選択肢を選ぶ形式です。

穴埋め問題や並べ替え問題も出題されますが、いずれも丁寧に読解すれば、正しい答えで解答できるでしょう。
一般知識のみでの足切りがある事を考えると、文章読解の3問はミスをせず確実に点数を取っておきたい科目だと考えておいた方がよいでしょう。


「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令」対策

・行政書士法:行政書士の資格や業務、行政書士会の設置や運営などに関する法律です。
・戸籍法:戸籍の作成や変更、閲覧や証明などに関する法律です。
・住民基本台帳法:住民基本台帳の作成や管理、住民票の交付や証明などに関する法律です。
・その他、国籍法、民法、家事事件手続法、国際私法、外国人登録法、電子署名法なども行政書士の業務と関係があります。

上記から一題以上出題されるとされております。行政書士実務に関わってくる内容となる上に、対策学習も可能ですので確実に点とれるように学習を進めていきましょう。

6、行政書士試験の攻略ポイント

行政書士試験は範囲が広く難易度が高いため、しっかりポイントを絞ってメリハリをつけて勉強することが求められます。すべての範囲をカバーし勉強するには膨大な時間が掛かってしまいます。行政書士試験の主な攻略ポイントは以下の3つです。

●法令等科目は配点の高い科目に重点を置く
●基礎知識(一般知識等科目)は基本的な知識中心に今までの学習に「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令」対策を追加する
●過去問題集を反復する


それぞれの攻略ポイントについて多少解説をさせていただきます。

試験問題出題形式

法令等科目からの出題形式は、5肢択一式が40問と多肢択一式が3問、記述式が3問です。
一般知識等科目からは多肢択一式のみの14問が出題されます。

〇5肢択一式は用意されている5つの選択肢の中から1つ選び回答する形式で、文章題の穴埋めでは多肢択一式が採用され、1つの設問に対して用意された20個の選択肢の中から正しい答えを4つ選びます。5肢択一式は、名前の通り、5つの選択肢から「妥当なもの」もしくは「妥当ではないもの」を回答する形式となっております。

※例えば(ア)~(オ)のうち、(ウ)が正しい場合は(ウ)を、(ア)と(ウ)が正しい場合は(ア)と(ウ)の組み合わせを選択すれば正解です。

問題文を注意深く読んで、「妥当なもの」と「妥当ではないもの」のどちらを回答すべきかを間違えないように解答しましょう。

〇多肢選択式は、(ア)~(エ)の空欄に当てはまる語句を20の選択肢から選ぶ問題です。
1問あたりの配点は8点で、正解した分だけ点数を獲得できます。
つまり、(エ)に入る語句を間違えたとしても(ア)~(ウ)の6点は加算されます。
現代文の穴埋め問題と同様に、解答するための特別なスキルはなく、多肢選択式で奇問が出題された場合、わかる箇所だけでも点数を積み重ねておけるように学習していきましょう。

〇記述式は、40文字程度で法律用語の説明や制度の仕組みを記述する問題です。
「あなたの考えを述べなさい」といった論文式の記述は出題されません。
過去問を解くとわかりますが、40文字はかなり短文の部類で、知識をいかに簡略化するかの方が苦労するでしょう。
1問あたり20点と貴重な得点源であり、非常に大きな配点となっており合否を左右する部分となります。部分点による得点調整も存在するため、白紙で提出するのだけは避け、必ず何かしら記入をしましょう。

配点

配点方法はどちらの科目でも違いはなく、5肢択一式が4点、多肢択一式は8点、記述式は20点となっております。

記述式の配点を高く設定しており、たった3問の記述式で全体の20%もの得点が得られますので、記述式問題の攻略が合格への鍵を握っていると言えるでしょう。

記述式では法律の条文を書くなど、正確に条文を覚えていない事には点数が取れない問題が出題されます。したがって基本の試験範囲はきちんと押さえ学習しておくことが大切です。

また、行政書士試験では民法と行政法に全体の65%が配点されています。 民法や行政法をマスターしておくと150点以上も稼げますので、効率よく点数を上げられるので重点的に学習しておくとよいと思います。

1.法令等科目は配点の高い科目に重点を置く

法令等科目の5科目の中で特に重点的に勉強すべきなのは『行政法』と『民法』です。行政法は112点、民法は76点と2科目だけで法令等科目の77%になるため、これらを集中的に勉強し、得点力をアップし合格に近づきます。 この2科目をしっかり押さえながら、憲法、商法、基礎法学は基本問題を取りこぼさないように、基本的な勉強をおろそかにしない事が大事であり重要です。

2.基礎知識(一般知識等科目)は基本的な知識中心+行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令

基礎知識の合格基準は合計56点のうち24点以上です。来年の試験から3科目から4科目に増えますが、範囲が広いのに対して配点が少ないため、基準クリアを優先して勉強するといいでしょう。日常から世の中の事などに興味関心を持っていると以外に点数が取れたりもします。
行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令は出題内容/範囲が分かりやすいため対策が立てやすく確実に点数を取りたい部分になるかと思います。
基礎知識の学習に時間を割きすぎないようにすることがポイントです。短時間で効率的に勉強し、残った時間を法令等科目の勉強時間に回すことをおすすめします。今までの積み重ねによる得意/不得意が出てくると思いますので、苦手な人は無理をして時間を掛けすぎない様に、得意な人はしっかり点数を取れるように準備しておく事が大事になります。

3.過去問題集を反復する

行政書士試験は広範囲にわたっている為、どこをどのように勉強すればいいのか、ポイントを把握するのが難しいのですが、しかし過去出題されたところから繰り返し出題されることも多く、過去問題集を何度も繰り返し理解を深める事によって、効率的に勉強すべき範囲を理解できると思います。過去問は非常に大事なのでこちらを中心に学習を進めていく方が良いでしょう。
正解か不正解かだけでなく、しっかり理解することが重要です。苦手な問題ほど反復して解いていくことをおすすめします。また最新の法令等は過去問ではカバーできないので、それらは他で学習する必要が有り注意が必要です。

7,合格の勉強時間目安

行政書士試験の勉強に必要な時間は500~800時間といわれています。
法律を勉強した経験がなく、独学で勉強する場合には1000時間程度は見ておくほうがいいでしょう。時間の確保は余裕を持った学習計画に繋がりますので合格率を上げるのであれば時間は多めに確保した方が良いです。
出題されやすい内容に的を絞って効果的に学習すると学習時間は大幅に減らせますので効率を重視した方が良いと思います。
また、行政書士試験は満点を目指しやみくもにすべての項目を勉強するのではなく、合格ラインに達することを目標として勉強を進めるのがいいでしょう。

8、最後に

行政書士試験は難関ではあるものの書士資格の中では比較的手を付けやすい資格でもあります。
資格取得もそうですが、取得後はとにかく広い業務を扱いますので自分が何を主にして、何を得意分野として行政書士の仕事をしたいかをイメージできると、学習のモチベーションに繋がるかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!