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補助金とは?補助金の申請に関するよくある質問や誤解を解消!補助金申請の最初から最後までの流れ、など

はじめに

補助金とは、国や自治体などが事業者の取り組みを支援するために、資金の一部を給付する制度です。補助金にはさまざまな種類があり、それぞれに目的や要件、申請方法などが異なります。補助金を活用することで、事業の成長や経営改善につながる可能性がありますが、申請には手間や注意点があります。

ここでは、補助金の申請に関するよくある質問や誤解を解消、補助金の流れを理解するために、以下の内容を解説します。

・補助金と助成金の違い
・補助金を申請するメリットとデメリット
・補助金を申請する前の注意点
・補助金の申請手続きの流れ


・補助金と助成金の違い


補助金と似たものに、「助成金」があります。厳密には補助金と助成金を明確に区分することはできないものの、厚生労働省管轄の助成金に限れば、補助金との違いを整理することが可能です。

補助金と助成金の共通点は、いずれも国などから返済不要な資金を得られる制度であるということです。ただし、いずれも不正受給などが発覚した場合は、例外的に返還が求められます。


「補助金は事業計画の策定が必要である」
「補助金は審査採択されないと受け取れない」
「補助金は原則として後払いである」


「補助金は事業計画の策定が必要である」


補助金を申請するには、原則として事業計画の策定が必要となります。これは、多くの補助金が事業の成長、ひいては税収の増加や日本経済の底上げなどを目的として設けられているものであるためです。

一方、助成金は申請の要件を満たすことを示す申請書の作成のみで申請することが可能であり、事業計画の策定も簡易的であったり求められないこともあります。


「補助金は採択されないと受け取れない」


補助金は、要件を満たして申請したからといって必ずしも受け取れるものではありません。補助金を受け取るためには、要件を満たして期限内に申請したうえで、多数の申請の中から採択されることが必要です。

一方で、助成金には「採択」という概念がなく、所定の要件を満たして申請することで受け取れるものがほとんどです。

「補助金は原則として後払いである」


補助金は、採択されたからといってすぐに振り込まれるものではありません。補助金は原則として後払いであり、採択後にはまず自社で補助対象とした事業の実施(費用の支出など)をして、実際にかかった経費の精算として交付されます。これは助成金もあまり大差はなく支出したお金が先にありあとから精算されます。


・補助金を申請するメリットとデメリット

企業が補助金を申請することには、どのようなメリットとデメリットが考えられるでしょうか?
ここでは、主なメリットとデメリットをそれぞれ3つずつ解説します。

メリット
返済不要の資金を調達できる
自社の事業の見直しができる
対外的に信用が高まる


返済不要の資金を調達できる


1つ目にして最大のメリットは、返済不要なまとまった資金を得られることです。
補助金は不正受給などをしない限り、原則として返還する必要がありません。(例外有り。事業期間中に収益が大きく出た場合は収益納付という制度がある補助金もございます)

企業にとって返済不要なまとまった資金を得られる機会は稀であり、貴重な投資資金となるでしょう。返済不要なまとまった資金を得ることで思い切った投資が可能となり、事業の成長スピードを早めることへとつながります。


自社の事業の見直しができる


2つ目は、自社の事業を見直すきっかけとなることです。多くの補助金で、申請にあたって事業計画書の提出が求められています。
この事業計画書の練り込みが、採択されるかどうかを左右するといっても過言ではありません。

そのため、補助金を申請するにあたっては自ずと自社の事業計画と真剣に向き合う必要が生じ、漫然と行っていた作業や今までの事業の無駄な部分、慣例化していた作業などを事業計画策定を通じて見直すきっかけとなります。


対外的に信用が高まる


3つ目は、補助金の採択を受けることで、対外的な信用が向上しやすいことです。
事業再構築補助金やものづくり補助金など大型の補助金では、採択された事業者名や事業の概要などが補助金の公式ホームページで公表されます。

これらの情報は、取引先や金融機関などにもアピールできるものであり、自社の事業の優位性や将来性を証明することになります。
また、補助金の採択は、自社の事業計画が第三者の評価を得たことを意味するため、自信を持って事業を推進できるというメリットもあります。

デメリット
申請に時間と手間がかかる
事業の自由度が制限される
管理や報告の責任が重くなる


申請に時間と手間がかかる


1つ目のデメリットは、補助金の申請には時間と手間がかかることです。
補助金の申請には、事業計画書の作成や必要書類の準備、申請書の提出など、様々な手続きが必要となります。

特に、事業計画書の作成は、自社の事業の現状や課題、目標や戦略、予算や効果などを詳細に記述する必要があり、採択されるためには他の申請事業者と比して競争力の高い内容にすることが求められます。

また、申請受付期間は補助金によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月程度であり、通常業務を行いながら短期間での準備申請はかなり困難であるといえます。

事業の自由度が制限される


2つ目のデメリットは、補助金を受けることで事業の自由度が制限されることです。補助金を受けるには、補助金の目的や要件に沿った事業を実施することが必要です。

つまり、補助金の採択後には、基本的には事業計画書に記載した内容を変更することができない場合が多く、事業計画書通りの事業実施が必要です。(例外有り:計画変更届を出して再審査され許可が出れば変更は出来ますが、そんなに簡単ではないです)

また、補助金の採択後には、補助金の交付先となる国や自治体などの指導や監査を受けることになり、事業の進捗や成果について報告する義務が発生し長いものだと3年~5年毎年状況報告を求められる補助金もございます。


管理や報告の責任が重くなる


3つ目のデメリットは、補助金を受けることで管理や報告の責任が重くなることです。補助金を受けるには、補助対象となる事業の経費や効果を正確に管理することが必要です。

補助金の交付先となる国や自治体などは、補助金の適正な使用や効果の確認のために、事業の途中や終了後に、経費の精算や成果の報告を求めます。

これらの管理や報告には、補助金の規定に沿った必要書類の回収や書類の作成、書類や成果物の提出など、多くの時間と手間がかかります。この辺りで不備が発生すると補助金の減額などが発生することも多々ございます。
また、不正受給や不適切な管理が発覚した場合は、補助金の返還や罰則の対象となる可能性があります。

・補助金を申請する前の注意点


補助金を申請する前には、以下のような注意点を把握しておくことが重要です。

自社の事業に合った補助金を選ぶ
申請のタイミングを見極める
申請に必要な資料や情報を整理する



自社の事業に合った補助金を選ぶ


補助金にはさまざまな種類があり、それぞれに目的や要件、申請方法などが異なります。

そのため、自社の事業と目的に合った補助金を選ぶことが、採択される可能性を高めるためには欠かせません。

補助金を選ぶ際には、以下のような点に注意してください。

補助金の目的や対象となる事業の内容を確認する
補助金の要件や条件を満たしているかを確認する
補助金の採択率や競争状況を把握する
補助金の交付額や交付率を比較する
補助金の申請期間や交付時期を確認する



申請のタイミングを見極める


補助金の申請には、一定の期間が設けられています。
申請期間は補助金によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月程度であり、短期間での申請は困難です。

そのため、申請のタイミングを見極めることが、採択される可能性を高めるためには欠かせません。

申請のタイミングを見極める際には、以下のような点に注意してください。

補助金の申請期間や交付時期を確認する
自社の事業計画や予算と補助金の申請や交付のタイミングを整合させる
申請期間の早い段階で申請書や必要書類を準備する
申請書や必要書類の内容を事前に確認や相談をする



申請に必要な資料や情報を整理する


補助金の申請には、申請書や必要書類の作成や提出が必要となります。

申請書や必要書類は補助金によって異なりますが、一般的には以下のようなものが求められます。

事業計画書/申請書類多数
経費内訳書/予算書
収支計画書
決算書/財務諸表/確定申告書
法人設立登記簿謄本
事業実績報告書
その他補助金の規定による書類(例:賃金台帳、雇用契約書、労働者名簿、納税証明書など)
補助事業の見積書


これらの資料や情報を整理することが、申請のスムーズさや採択の確率に影響します。

申請に必要な資料や情報を整理する際には、以下のような点に注意してください。

補助金の公募要領や申請書様式を確認する
申請書や必要書類の内容を正確に記入する
申請書や必要書類の内容を裏付ける証拠や資料を添付する
申請書や必要書類の内容をわかりやすく整理する



・補助金の申請手続きの流れ


補助金の申請手続きの流れは、補助金によって異なりますが、一般的には以下のようなステップに分かれます。

公募要領の確認
事前相談の実施
申請書や必要書類の提出
書類審査の実施
面接審査の実施
採択の通知
交付決定申請
事業の実施
経費の精算
成果の報告



公募要領の確認


補助金の申請手続きの最初のステップは、公募要領の確認です。
公募要領は、補助金の目的や対象、要件や条件、申請方法や期間、採択基準や交付額など、補助金の全体像を知るために必要な情報が記載されています。

公募要領は、補助金の公式ホームページや関連機関のホームページなどで公開されています。
公募要領を確認することで、自社の事業が補助金の対象となるか、申請に必要な書類や情報は何か、申請の期限はいつかなどを把握することができます。


事前相談の実施


補助金の申請手続きの次のステップは、事前相談の実施です。(無い場合もございます)
事前相談とは、補助金の交付先となる国や自治体などの担当者と、自社の事業計画や申請書の内容について相談することです。
事前面談は補助金によっては必須要項ではないものも多いですが、ご自分で申請なさるならば探して相談するのもよいかと思います。

また事前相談は、補助金によっては必須となっている場合もあります。
事前相談を行うことで、必要書類や要項に該当しているかの確認。自社の事業計画や申請書の内容に問題や改善点がないか、採択の可能性やポイントがどこにあるかなどを確認することができます。

事前相談は、補助金の公募要領に記載されている方法や期間に従って行う必要があります。事前相談を行う際には、事業計画書の概要や申請書の下書きなどを準備しておくとよいでしょう。
また、補助金によっては申請関係のものがすべて出来上がっていないと対応できない事前面談もございます。


申請書や必要書類の提出


補助金の申請手続きの主なステップは、申請書や必要書類の提出です。申請書や必要書類は、補助金の公募要領に記載されている方法や期間に従って提出する必要があります。

申請書や必要書類の提出方法は、補助金によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。

郵送
電子申請
持参
申請書や必要書類の提出期間は、補助金によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月程度であり、締切日や時間を厳守する必要があります。
また最近はほとんどが電子申請になっていることが多く、持参や郵送での受付は行っていない補助金んも多い状況です。

申請書や必要書類の提出を行う際には、以下のような点に注意してください。

申請書や必要書類の内容を正確に記入する
申請書や必要書類の内容を裏付ける証拠や資料を添付する
申請書や必要書類の内容をわかりやすく整理する
申請書や必要書類の提出方法や期間を確認する
申請書や必要書類の提出後に受領証明書をもらう(無い場合もあります)



書類審査の実施(申請後


補助金の申請手続きの次のステップは、書類審査の実施です。書類審査とは、補助金の交付先となる国や自治体などの担当者が、提出された申請書や必要書類の内容を審査することです。

書類審査では、以下のような点が審査の対象となります。

申請者の資格や条件、要項を満たしているか
申請した事業の内容や目的が補助金の目的や対象に合致しているか
申請した事業の計画や予算が妥当か、事業者の事業規模を鑑みて事業実現性はあるか
申請した事業の効果や成果が見込めるか
申請した事業の競争力や独自性、収益性や社会的な意義があるか



書類審査の結果は、補助金によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。

採択
不採択
※二次審査(面接審査)があるものもあります

書類審査の結果は補助金の公募要領に記載されている方法や期間に従って通知されます。
あまり多くはないですが、申請した補助金の種類によっては書類審査の後に、次のステップである面接審査に進むものもあります。


面接審査の実施


面接審査とは、補助金の交付先となる国や自治体などの担当者と、自社の事業計画や申請書の内容について面談することです。

補助金によっては面接がある事もございます。面接審査を行うことで、書類審査で不明確だった点や疑問点を解消したり、自社の事業計画や申請書の内容を事業者がしっかり把握しているか確認されたり、計画を具体的に説明しする必要が出てきたりします。

面接審査は、補助金の公募要領に記載されている方法や期間に従って行う必要があります。面接審査を行う際には、事業計画書や申請書の内容を再確認し、自信を持ってプレゼンテーションすることが重要です。


採択の通知


補助金の申請手続きの次のステップは、採択の通知です。
採択の通知とは、補助金の交付先となる国や自治体などの担当者が、自社の事業計画や申請書の内容が採択されたかどうかを通知することです。

採択の通知は、補助金の公募要領に記載されている方法や期間に従って通知されます。採択の通知を受け取ることで、補助金の交付申請を行うことが出来るようになり、次のステップである交付申請に進むことができます。


採択の通知を受け取る際には、以下のような点に注意してください。

採択の通知の内容を確認する
この先の補助事業の流れを把握する



交付申請


交付決定とは
補助金の採択の通知を受け取った後は、補助金の交付申請に進みます。交付とは、補助金の交付先となる国や自治体などと、補助金の交付額や事業内容を交付申請として申請し、採択時に申請した補助金額の詳細な提出と事業の実施期間を決定する作業です。

交付は、補助金の公募要領に記載されている方法や期間に従って申請する必要があります。正確な金額の確定は交付申請時に行うことになります。
採択されたもこの交付申請で補助事業として弾かれる経費などもあるので、可能であれば申請時点でしっかり補助事業にかかる経費を把握/確認しておくのも大事です。
交付申請を行い交付決定通知が発行されることで、補助金の交付が正式に開始され、事業の実施に入ることができます。

交付申請をする際には、以下のような点に注意してください。

採択決定の内容を確認する
採択時の計画書に書いてある費目以外は原則申請しない
採択時の金額より大きい金額は原則認められない
詳細な見積書を準備する
交付申請に必要な書面を作成し、署名捺印する
交付申請の書面を送付し、交付決定通知書をもらう



事業の実施


補助金の交付決定した後は、補助金の交付額や交付条件に従って、事業の実施に入ります。事業の実施とは、補助金の目的や対象に沿った事業を計画通りに実行することです。

事業の実施は、補助金の公募要領や交付申請時に事業計画書に記載されている方法や期間に従って行う必要があります。
事業の実施中には、補助金の交付先となる国や自治体などの担当者から、事業の進捗や成果について報告や指導を求められることがあります。

事業の実施を行う際には、以下のような点に注意してください。

事業計画書や交付契約の内容を遵守する
補助対象となる経費や効果を正確に管理する
必要書類が大変多いので必要書類はしっかり確認しながら事業を行い、取引先からの書類は必ず保管する
普段の取引では省略されがちな書類もあるので必ず書類は確認する
事業の進捗や成果を定期的に報告する
事業の変更や中止などの場合は事前に相談する



経費の精算


補助金の事業の実施を終えた後は、補助金の経費の精算に進みます。
経費の精算とは、補助金の交付先となる国や自治体などに、事業の実施にかかった経費の内訳や証明書類、事業報告書を提出し、補助金の交付額を受け取ることです。

経費の精算は、補助金の公募要領や交付契約に記載されている方法や期間に従って行う必要があります。経費の精算を行うことで、補助金の交付が完了し、事業の終了になります。
補助金によって違いはありますがこの際必要になる書類で主なものは下記

□ 見積書
□ 相見積書(複数社必要な場合も)
□ 契約書
□ 発注書または注文書と、請書または注文確認書
□ 重要事項説明書
□ 建設/設置完了後の写真
□ 成果物の写真
□ 配布物の配布先一覧表
□ システム等導入の場合は全ての画面のスクリーンショット画像
□ 納品書または引渡書または完了報告書
□ 検収書
□ 工事完了後の図面
□ 工事完了後の工事内訳書または明細書
□ 請求書
□ 代金支払済みを示す証票
□ 領収書
□ 預り金元帳
□ 出納帳のコピー
□ 通帳のコピー

経費の精算を行う際には、以下のような点に注意してください。

提出しなけらばならない必要書類を把握する
経費の精算書や必要書類の内容を正確に記入する
経費の精算書や必要書類の内容を裏付ける証拠や資料を添付する
経費の精算書や必要書類の内容をわかりやすく整理する
経費の精算書や必要書類の提出方法や期間を確認する


成果の報告


成果の報告とは、補助金の交付先となる国や自治体などに、事業の実施によって得られた効果や成果を報告することです。
大抵の補助金は成果の報告義務があり事業化状況報告などの名称で書類での申請が必要です。
成果報告を怠ると最悪、補助金の返還を求められる可能性がございます。

成果の報告は、補助金の公募要領や交付契約に記載されている方法や期間に従って行う必要があります。
成果の報告を行うことで、補助金の交付が正当に行われたことを証明し、補助事業が効果があったかなどの効果測定を行うこととなります。
事業終了から1回しか事業化状況報告を行わなくてもよい補助金ございますし複数回にわたり長期的に報告が必要な補助金もございます。

成果の報告を行う際には、以下のような点に注意してください。

成果の報告書や必要書類の内容を正確に記入する
成果の報告書や必要書類の内容を裏付ける証拠や資料、成果物を添付する
成果の報告書や必要書類の内容をわかりやすく整理する
成果の報告書や必要書類の提出方法や期間を確認する

さいごに

補助金申請で一番何が大事かと聞かれたなら、よく考えて正しくちゃんと事業を行い健全経営を行ってください、という事になります。
もし今までいい加減にやっていたり、慣例慣習でやっていた事業があるのならば合理的に整理しちゃんと事業を行い、補助金申請の準備を機にしっかりとした経営を行っていければよいと思います。
補助金ありきで事業を考えるのではなく、やりたいことや前々から計画していた事業や販路拡大の為に考えていた事に対して、補助金はアテにはしていないし補助金が有っても無くてもこの計画は事業化するけれども、もし使えそうな補助金が有り大いに助かる、というスタンスで補助金と関わるべきと考えます。

もし補助金についてのご相談があれば弊所へご相談頂ければと思います。
よろしくお願いいたします。


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