おすすめ本『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』
こんにちは。にーなです。
先日、以前から話題になっていて気になっていた小説、青柳 碧人さんが書かれた『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』を読ませていただきました。
結論から言うと、「私好みで、とても面白かった」です。とくに、少しブラック・コメディーなミステリー好きにはたまらないのではないでしょうか。
それでは、私の感じたこの本の魅力についてご紹介いたします。
①主人公が魅力的
なんと言ってもこの主人公、赤ずきんちゃんがまず魅力的です。赤ずきんちゃんというと可愛くて純粋な女の子を想像しますよね。
だけど、この赤ずきんちゃんとても聡明でさっぱりした性格。なんだか今風の女の子。ザ・ヒロインというよりは、ちびまる子ちゃんみたいなお茶の間でも人気が出そうな性格をしています。
しかし、それだけではなく、とても頭が切れる。読者はこの赤ずきんちゃん目線で物語を進めていきますが、どこからか謎を解いてしまう。そしてそれをべらべらと読者に教えてくれません。
決め台詞は『あなたの犯罪計画は、どうしてそんなに杜撰なの?』
かっこよささえ感じます。
話を読み進めていく毎に赤ずきんちゃんの魅力にハマっていく読者も多いのではないでしょうか。
②読みやすい短編だけど、話がつながっている
この小説は短編集です。赤ずきんちゃんが旅する中で、次々と事件に遭遇します。だけど、話はつながっていて、同じ登場人物が出てきます。
話としては短編だけど登場人物など、話がつながっている小説は私は大好きです。なんとなく知り合いが出てきたような気になりますし、前の話を読みに戻りたくなります。
ちなみに伊坂幸太郎さんの小説もそういった繋がりが大きい(別の小説にもつながってしまうスケールの大きさ)ので大好きです。
この小説も単純な短編と見せかけて、「こんな人いた!」「こことここが繋がるのか!」と面白みを感じるストーリー展開。読み返してみると、ここでもこういう伏線的な文章が書かれているんだなどと発見できる。想像しただけでワクワクしますよね。
③壊れたキャラクター達が面白い
この話、童話のキャラクター達が壊れています。子供達に読み聞かせるような純粋な主人公達ではなく、ブラックな心を持っている人間らしいキャラクターが多いです。ただ、これってとても人間らしくて面白い。
童話のキャラクターはみんな聖人のような心を持ち合わせていますが、酷い目に遭っているキャラクター達も多いじゃないですか。それでは、少し捻くれてしまってもしょうがないのかもしれない。そんな人間らしい童話のキャラクター達が事件の主役となっています。なんだか現代風。
知っているキャラクターなだけにこの壊れた童話のキャラクターが反対に愛しく思えてきてしまいます。
この話の中で出てくる童話は、赤ずきんちゃん、シンデレラ、ヘンゼルとグレーテル、眠り姫、マッチ売りの少女です。
ミステリー要素なんてどこにもないキャラクターです。
ちなみに私は、マッチ売りの少女のエレンが好きです。
④予想外の展開
そして、ミステリーといえば、予想外の展開が楽しいですよね。この本もまさにそれは裏切らず。毎回、読者が想像していない形での謎解きが待っています。
予想外の展開×ブラックな主人公達×メルヘンな童話の世界がなんとも言えない世界観を出していて、読者が惹き込まれてしまう作品と言えるでしょう。
赤ずきんちゃんが、話の中で推理を語るのは最後なので、それまではなんとなく「ん?」と考えつつも、クライマックスを迎えると「なるほど」と思える感じがたまらない。
最後に、童話のメルヘンなキャラクターである犯人が闇全開に、ネタバラシしてしまうのがまた面白いところです。
まとめ
先が気になってあっという間に読んでしまうような本でした。私は乳児を育てる割と忙しい中で読みましたが、3日で読んでしまいました。ちゃんとした満足感もあります。
実写化がされており、『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う』という続編もあるので読むのが楽しみです。また、青山さんが書かれた昔ばなしシリーズも気になるのでそれも読んでみたいと思います。
色々と深く語りたいところですが、ネタバレ全開になってしまうため、面白い要素だけ語らせていただきました。読書習慣は暮らしの中に心の変化をもたらしてくれるので、子育てしているお母さんにおすすめです。1日5分でも続ければ年間数冊の本が読めますよ!
では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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