帰ってきた三男
かわいい三男(高校生)は
賢い子なのだが
めちゃくちゃ視野が狭い。
なにかに集中すると
周辺がおろそかになること
甚だしい。
小学校時代に
算数の宿題プリントをやりながら
かあさん!!
この問題
まちがってるよ!!
こんな問題
解けない!
と言い放った。
いやいやいやいや
問題は間違っていない。
キミが
問題文の最初をすっ飛ばして
(1)
から読み始めるから
解けないのだよ…
しかし
解けないのを問題のせいにするとは
自信とポジティブが
とんでもない方向に
発動しているな…
さて、
そんな三男が
最近上の空だ。
話しかけても
反応が鈍い。
家に帰ってくると
ぱたぱたぱたーー
と
自室へ向かってしまう。
長男が家を出たから
さみしいのかな…
体調を崩してたから
あんまり調子よくないのかな…
部活で最高学年になったし
合唱祭と体育祭の練習が忙しいし
勉強も難しくなってきてるし
いろいろたいへんなのかな…
いやいやもしかしてもしかしたら
恋のお悩み???
…と
見守りながら
わたしは三男のことを
静かに心配していた。
が。
そんなふうに心配していた三男が、
突然
自室から出てきて、
元気いっぱいニコニコで
わたしに
こう言った。
ハイキュー、読破したー!
おもしろかったぁーー!
あ。
マンガね、
ハイキューね。
全40何巻
読んでたのね。
ハイキューがおもしろすぎて
先が気になって、
周辺のすべてが
おろそかになってたのね。
よかったよ…
体調悪いんじゃなくて。
三男よ、
現実世界へ
おかえりなさい!