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ヘンゼルとグレーテルとサンタクロース

あっという間に
3月になっている。

2月は逃げる、3月は去る、
んだっけ。
逃げる2月に追いつけないまま
去る3月にも逃げられている気分だ。

そうして
あっという間に学年末が近づく。

学年末が近づいてくると
必ず思い出すのが、
長男の
ヘンゼルとグレーテルとサンタクロースだ。



とびきりぼんやりした長男は
小学生のとき
学期末に向けて計画的にお道具を持ち帰る
ということができなかった。

先生は
様々な声掛けをしてくれてたんだと思う。

わたしも
持ち帰れるものから持って帰ろうね
と日々アドバイスしていた。

が、
何を途中で持ち帰ってOKで何がダメなのか
おそらく判定がつかなかったんだろう。
しかも
お道具箱やらロッカーやらが
ぐちゃぐちゃすぎて
もうどこになにがあるかも
分からなかったんだろう。

最終日まで
彼が動くことはなかった。


そうして
最終日。

先生は
すべてのお道具を持ち帰りましょう
と言う。

特に学年末は
教室も変わるので
学校には荷物1つも残さず
撤収しなければならない。

そんな最終日の長男に
なにが起こるかというと…

ぐちゃぐちゃの
フタの閉まらないお道具箱を
そのまま抱え、
ロッカーのぐちゃぐちゃをランドセルにつっこみ
入り切らないぐちゃぐちゃは
手提げに入れ
それでも入り切らないぐちゃぐちゃは
お道具箱の上に積み
絵の具セットも体操服袋も全部持って…

そうして
必死で
家を目指すのだ。



ピンポーン

と長男が帰ってくる。
ぐちゃぐちゃを抱えている。

あぁ
よくたどりついたね…

しかし、
持ち物をよく見てみると
いろいろと足りない。

そう。
彼は
ぐちゃぐちゃを制御できないままに
帰路についているので、
通った道に
ぽつり
ぽつり

落とし物をしてきているのだ…


そうしてわたしは、
ヘンゼルとグレーテルかいっ!!!
とツッコミながら、
絵の具と
筆と
上履きと
鉛筆と
縄跳びと…
を道々拾い、
最後に
彼の教室へたどり着き
防災頭巾を拾ったのだった。



少し大きくなって
賢くなった(?)彼は
ヘンゼルとグレーテルから卒業しよう!
と思ったらしく、
終業式の日に、
おかあさーーん、でっかいゴミ袋ちょうだい!
ランドセルはいらないから!

と言い出した。

どうするの?
と聞くと、
楽しそうに、
サンタクロースになって帰ってくるわ!
と言う。
えーとね、
ランドセルはあったほうがよさそうだと思うよ???

数時間後…
ボロボロに破けたゴミ袋の中に
重い教科書のほか
あらゆるお道具を入れ、
なんかうまくいかなかったー!!
と長男帰宅。

残念。
サンタクロース作戦は失敗だ。

それより
一気に持ち帰らないという方法を
考えついてほしかった…

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