見出し画像

PTAの委員選出を大改革

わたしが
PTAに関わるようになって
もう
十年以上になる。

わたしはわりと
なんでもおもしろがって
楽しんでやってみるほうなのだが、
イヤーーーなこともある。

特に、年度始めのこの時期になると、
PTA活動のなかで最もイヤな出来事が
やってくる。
「委員選出」だ…


「委員選出」とは、
次の年度のPTA委員を
各クラスから選ぶ行事。
たいていは
入学式や新年度保護者会で、
本部役員や前年度委員の司会により
各教室で行われる。

残念ながら
委員選出というと
いい思い出は
全くない。


今でもよく思い出すのだが…

我が子のめでたい入学式の日に、
式が済んで新入生退場が終わった
そのとたん
体育館のドアがバシーンと閉められ、
怖い顔をした
先輩PTA委員が出てきて、

今からクラスごとに委員を決めます
決まるまでこの体育館から出られません

と宣言されたことがあった。
これは衝撃だった…。

先輩PTA委員は
準備万端
割りばしクジまで作って持参していて、
怖いな…と
おののいた。
入学式の日なのに。
めでたい日のはずなのに。


進級してからは、
4月の保護者会で
委員選出が行われた。

各クラスで、
立候補者が出ないときには
前年度委員が
緊張の面持ちで
クジをひく。
クジに当たって
泣いているひとを見たこともある。
無理だと言って
事情を一生懸命説明しているひともいた。
絶対やりません
と激怒するひともいた。


「委員選出をする委員」を担当したことも
何度もある。
これほどイヤで
胃の痛くなる役目はない。

なんとか立候補が出るように、
こんないいことありますよとか
思ってるよりラクですよとか言って
説得する。
詐欺師か
なにか悪い勧誘でもやってる気分だ。

クジをひいたら
当たったひとから
恨みがましい目で見られる。

向こうのクラスとやり方が違う!
不公平だ!
とクレームを言われたこともある。

クジで欠席者を引き当てたら
電話をかけなくちゃいけない。
電話に出てくれないひともいる。
電話口の向こうで
激怒するひともいる。
なかなか電話がつながらず
家に持ち帰り
夕ご飯の時間も電話をかけ
寝かしつけの時間も電話をかけ
泣きたくなった。


委員選出は
するほうも
されるほうも
イヤな思いをしたという
思い出ばかり…

どんなに経験を積もうとも
どんなにうまくやろうと工夫しようとも、
このやり方なら楽しくやれるね!!
っていう方法が
見つからない。

なのに
毎年必ず
この時期には
同じように委員選出が
繰り返されるのだ。

わたしもイヤ。
みんなもイヤ。
PTA会長もイヤ。
担当委員もイヤ。
出席者もイヤ。

みんながイヤな
委員選出。
みんながイヤな
クジ引き。


どうして
みんなイヤなのに
誰もやりたくない委員選出を
同じように毎年続けているの??

続けることに
なんの意味があるの?

続けなくちゃいけない
理由があるの?

意味も理由もないのなら、
やめちゃおう。

他の手段でも成り立つのなら
変えちゃおう。

イヤなものに
いつまでも縛られる必要はない!


今年
わたしは
地元公立中学のPTA会長の
2年目を迎える。

去年1年間かけて
去年の運営委員たちと一緒に議論しながら
委員選出を改革するために準備をしてきた。

そしていよいよ今年
「クジ引きのない保護者会」
を実現する。

委員は
完全ボランティアの
立候補制になった。

立候補が出なければ
その活動は休止する。

PTAという組織を前年通りに維持するためにと
今までずーっと同じように続けられてきた
委員選出を、
ようやくここで
大改革する。

誰もが
イヤなのに巻き込まれてきた
くじ引きや強制は
もう
終わりだ。


この改革がうまくいくかどうかは
わからない。
だーれもボランティアに立候補しなくて
誰からも賛同されなくて
うまく回らなくなるかもしれない。

でも!

今まで毎年
みんなの中に積み重なっていた
たくさんのイヤな気持ちが、
今年は出ないのであれば、
それは
そのことだけでも
大成功と言えるのではないか。

誰かの笑顔が守られて
そのおうちの子どもが
笑顔になれるのなら
それは
だいじなだいじな
第一歩だ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?