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LUUPは何を変えたか

電動キックボードなどを含む法改正が行われ、もう少しで1年が経とうとしている。当初、爆発的に事故が増える的な予想もあったが、実際の所、そこまで増えているのかというと、どうやらそうでもなさそう。

まあモペットや、LUUP以上に高速で走る自転車、スマホ見ながら突っ込んでくる自転車などのほうが、よほど危ないのはいうまでもない。
あとは、自転車もヘルメットが義務化されたので、そのあたりの変化もそのうち数値にでてくるだろう。
その辺りも含め、そろそろ答え合わせをして良い頃だと思う。

LUUPの功績
LUUPの功績は、都会のちょっとした空きスペースを、合法的に駐車スペースに変えた点がいちばんの功績だと思っている。

個人的には、「電車で行くのはちょい乗り換え不便だけど、タクシーで行くにはちょっと勿体無い、かといって歩くには遠い。」という時に重宝している。

空きスペースを自転車置き場にすると、すぐ放置自転車が増えてしまうし、逆に行きたい場所に駐車場がないと困るなど、都市部での、モビリティの駐車場問題は乗用車含め、ひとつの大きなテーマだと思う。

LUUPは、現状充電ではなく、バッテリー交換による運用が行われており、それなりの頻度で業者の手が入っているというのも、一つのポイントなのかと思う。
たまにバッテリー切れで乗れない(事前にわかる)車体もあるので、充電ポート付きのスタンドもいずれ設けたほうが、メンテナンス効率が良くなると思う。とはいえ、まだ発展途上だと思うので、その辺りは徐々に改善されれば良いと思う。


LUUPへの個人的要望としては
・もう少し重心を下げて欲しい。
・ウインカー操作がわかりにくい
・加速が微妙な時がある
・ポートを見つけにくい時がある。
・乗り心地(サスペンションかクッション性が欲しい)
・安全性向上(免許とか、危険運転検知など)
などいくつか改善して欲しいところはあるが、タクシーの料金値上げや、ライドシェア解禁とかいいつつ、なかなか拾えない状態の続くタクシー事情など、都市部の交通事情を考えると、モビリティの再構築で必要な要素だと思っている。

モビリティの優先順位

自動車は便利だし、トラックを含め、輸送の要は自動車である。
一方で、自動車はそれなりの頻度で、事故をもたらしているし、人々の移動という点でいえば、バスや電車のほうが、エコな移動手段である。(地方に行くとそれが、逆にパターンもあるだろうが、都市部でいうと、乗合の交通手段の方が省エネ。)

将来的には、そこに完全自動運転車なども入ってくると思うが、現状はまだそこまで達しておらず、まずは、自動車、自転車、歩行者というように、道路を取り巻く交通ルールや、道路整備などを再構築していく必要がある。

時速30km規制
生活道路における時速30km規制という話もあるが、結局、街中の道路というのは、そんなに高速で移動する必要がない、もしくは安全上そのほうがよい事が多く、その辺りも含めて、道路の生態系を、あらためて整備することは重要だと思う。

シェアリングエコノミー

シェア傘は使ったことないが、ChargeSPOTのように時間貸しのモバイルバッテリー、駅などで見かける、個室型シェアオフィスなど、シェアリングサービスというのは、年々増えてきている。

高級時計のサブスクのように、中には微妙なものも存在するが、限りある資源を有効活用することは、今後も重要なトレンドかと思う。

シェア傘なんか特にそうだが、急な雨が降った時、使える傘があったら便利だと思う。そして街にはいくらか空きスペースがある。一方、ビニール傘によるゴミ処理問題などもある。いくつかの問題があり、いくつかのルールと、人々の意識を変えることで、成立するかもしれない事業やサービスは他にもいろいろある。しかし、理屈では成立しても、それを実行に移して、社会に普及させるというのは、なかなか大変な作業である。

その点、シェアリングエコノミーなサービスの多くは、なんらかの社会課題に対し、企業や人々が、継続的に熱意をもち、トライアンドエラーを繰り返す事で、ようやく実現する。多くの場合は、いきなりうまく行く可能性は少ないし、リスクもあろうかと思う。つまりは、チャレンジ精神の賜物だと思っている。

インターネット+自転車
自分が、小学生の頃、いずれは、自転車にも半導体が使われる時代がくると考えていたが、電動アシスト自転車のように、少しずつではあるが、自転車もIoT化に向かっていると思う。

自転車なんだから、人力で動けばいいじゃないかと思うかもしれないが、電動アシストは便利だし、先にあげた放置自転車だったり、自転車の盗難などの問題をとっても、自転車のIoT化で、交通インフラをもっと改善する余地は十分にあると思う。
特に、自転車の傍若無人ぶりについては、以前から問題になっており、その部分でも自転車のIoT化で、なんとかならないものかと思う。

LUUPのこれから

別にLUUPに限定しなくてもよいのだが、今後の都市部あるいは地方でのモビリティを再考する上で重要なのは、モビリティの仕様や機能をどうするかだけでなく、法律と、使用する利用者の管理やリテラシー向上、乗らない人々の意識変革も重要だと思う。

で、それを変えていくためには、それなりに高い意識を持った企業なり、団体は必要で、もしLUUPが営利だけ考えて突き進めば、事故や、整備の問題などにつながっていくだろう。

シェアサイクルの海外の成功例や、失敗例などをみても、学ぶべきところは大きいと思う。新たなカテゴリーの製品が登場すると、一定の成功と失敗例が登場するのは世の常だ。重要なのは適切なスピードで、適度な規制と、規制緩和により、状況に応じた改善を図ることだと思う。


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