#6 【アート】非常口の緑の人
どんな建物にも必ず一人はいる、非常口の緑の人。緊急時のための誘導標識である。そんな誰もが目にしたことのある緑の人を題材にしたアートが公開されている。
「平面が当たり前」を飛び出す
非常口の緑の人が今にもこちらに飛び出してきそうな、この作品。作者がこの発想にいたったのは、一つの失敗からだと言う。
「ある日他の作品に使用する透明パーツ(カップのような形)を制作している時に失敗(型が台座から外れて透明部分にくっついてしまった)して、飛び出して(脱出して)いるように見えたのがとてもグッと来て作品にしようと思いました」(作者コメント 記事抜粋)
「標識は平面図での表示が当たり前」という視点が失敗によって崩れた瞬間である。非常口の標識の目的は、緊急時に命を守るために脱出できるようにすることであるため、「逃げ出す」というメッセージが非常に重要だ。その点、従来の平面での表現よりも立体での表現の方が視覚的に強くメッセージを伝えることができる。
また、従来にない表現方法のため、人の目を引く=認知されやすくなる。多くの人に認知されることで、緊急時に間違った場所に逃げ出す人の数を減らせるだろう。仮にこの標識が設置されれば、非常口の誘導標識の本来の目的を、今以上に果たすことができるかもしれない。
ここからのひとりごと
斬新でシュール。3Dアートやグラフィックなどは様々な場所で用いられているが、非常口の誘導標識に当てはめる発想は今までになかった。本来の目的をより達成しやすくする一方で、人々の目を引くユニーク性を兼ね備える。こうしたデザインはただ美しいだけではなく、機能性もある点で、非常に面白く、興味深い。Webデザイナーを目標の一つで掲げている身として、見るべき視点を学べたように思う。
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