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アシスタントはサーキュレーターにお願いしたい

「夏のお部屋取材は正直しんどい。」
日照時間が長く、台風の時期を除くと晴れの日も多いため、撮影には適している。
だが気温とエリアによっては湿度の高さがとってもしんどい。
特に汗っかきの自分にとっては余計に苦痛なのである。

阪神タイガースが、夏の高校野球期間中、甲子園に戻れない時期を「死のロード」と呼ばれるが
私にとって、夏の期間中は全て自宅(ホーム)以外、死のロード状態なのである。
近年の温暖化により、今年は5月から25度を超える日も多いし、9月以降も続くであろうと考えるとゾッとする。
「この時期からこんなに暑かったら、夏には何度くらいまでなるんでしょうね。」なんて取材先でのお決まりトークで場をつなぎながら、心の中では「いつまでこんな話をしないといけない時期が続くんだろうか。」なんてことを考えながら震えている。

汗っかきの人には分かってもらえるかもしれないが、暑さとともに「汗をかいてる自分にさらに焦って汗をかいてしまう。」(別に洒落ではないということを念の為)
撮影の準備をしながら「落ち着かねば、落ち着かねば。」と思いながらお茶を口にする。
そして「ちょっとは落ち着いてきたか。」と機材をセットする途中で、髪の毛の先からポトリと汗が垂れる。
その瞬間、頭は真っ白。視界は緊急停止「止まない雨はない」ならぬ「止まない汗はない」と思っていても、自分自身に絶望するのである。

最近では、夏も猛暑日が多いため伺うとクーラーをガンガンに付けてくださっているお部屋も多いが、それはそれで心配になる。
「自分は今きたばかりだからいいけど、ずっと家にいる側からすると寒くないかな。大丈夫かな。」と気になってしまうのだ。
そんなこんなで、暑さにも人にも(変なところで)敏感な訳だが、そんな私にとって夏場のお部屋にあるとすごくホッとするものがある。
それが大抵、お部屋の隅で室内の空気を循環させているサーキュレーターである。



クーラーより自分に近く、直に風を感じることができ、扇風機より風に当たっている(暑そうにしている)感がないサーキュレーターを見つけるとホッとする。
撮影に集中できるよう自らを整えられるので、アシスタントに毎回いて欲しいと思うくらい。

撮影の順序としても、住まい全体を撮りながら家主と話して心の距離を詰め、近しくなった後に人を中心に撮っていく流れを作ることが多い。
そうした際に、住まいの端に置いてあるサーキュレーターは、住まい全体を引きで撮りながらいい感じに風に当たるのにもピッタリなのだ。

夏と言ったらスイカに塩、冷しゃぶには大根おろしとネギ、と言った具合に
「お部屋にはサーキュレーター」も流行って欲しいくらい。
スペースも扇風機ほど取らず、空気の循環で室温が下げられたらエコだしね。(なんて都合の良いことを言ってみたりして。)

こんな話をしながら、真の問題は自分の身体にあるのだということは分かっている。
そのため夏に向けて(そして自分の健康のために)絶賛ダイエット中の今日この頃。
アスリートのように、撮影時に早くベストなコンディションを整えるべく、風は運動で感じて、撮影時には感じなくてもよくなる未来を願う。

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