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16年間お世話になった、杉田敏先生に感謝を込めて

今日で3月も終わりですね。桜も散り始めているところもあり、まさに別れと卒業の雰囲気が漂います。日ごろnoteでは、映画、占いそして愛犬のことを投稿していますが、今回は16年間お世話になった恩師への感謝の気持ちをつづります。

この記事を書くために2ヶ月ほどいろいろと思いを馳せましたが、なかなかうまく言葉になりませんでした。あまりにも大きな感謝と尊敬の気持ちがあるためか、あれもこれも書きたくなるのです。

私が16年間お世話になった方は、NHKラジオ講座「実践ビジネス英語」の杉田敏先生です。1987年4月から始まった「やさしいビジネス英語」、「ビジネス英会話」そして「実践ビジネス英語」と講座名を変えながら、34年間テキストを作り、ラジオ放送を通し多くのリスナーの学習意欲を刺激し続けてくださった方です。

初めて先生のテキストを手に取ったのは、大学生のころ。1996年10月号でした。タイトルに偽りあり。まったくやさしくないテキストだと感じた当時の私。早々にお手上げとなります。そりゃそうですよ。仕事やビジネスの経験がない大学生にとっては、英語はわかっても書いている内容がわからないのですよ。つまり、英語は学習者の背景や経験で上達が左右されるということです。これはいまだからわかることですけどね。

それから時が過ぎ、2005年10月ごろ。仕事で行き詰まりを感じていた私は、とにかく何かをしたいと思い立ちます。それが外国語でした。まずは英語。時間はあるけど、お金がない。そんな私が手にしたテキストが、NHKラジオ講座「ビジネス英会話」だったのです。(この頃には講座名がすでに変更)

それから、早16年の年月が経過しました。最初のころは3時間聴いてもまったく分からず、悔しくてテキストを破ったこともありました。でもすぐにセロハンテープではっつけて。でも続けましたよ。しぶとく聴き続けました。その甲斐もあって、2010年4月からはボランティア通訳の活動をはじめ、英語、韓国語、中国語を駆使しながら技術を磨きました。その後、さまざまな通訳や翻訳などの仕事に恵まれ、目標だった撮影通訳の業務にも携わっています。その土台づくりをしてくださった方こそ杉田先生です。

今年3月をもってNHKラジオ講座を卒業された杉田先生。34年という長きにわたりご尽力されてきたことには敬服の念に堪えません。各紙で先生のインタビュー記事が載っていましたが、ある新聞社のウェブ記事にてこのような発言をなさっていました。

「自分の好きなことを書いて、それを会話形式にまとめて解説する。私が何かを『教える』のではなく、『学びたい人はどうぞ』という感じでした。You can never teach anything to anybody. One has to learn. という気持ちでやってきました」

先生ご自身が経験したり、調べたり学んだりして得た教養や知識を、惜しみなく数多の人たちと共有してきたこと。頭が下がる思いです。独り占めにするのでもなければ、自慢するのでもなく、ただただ不特定多数のリスナーの気持ちを鼓舞し続けてくださったのだと。20代のころ、ある経営者の方から言葉をいただきました。「三流はお金を、二流は名声を、そして一流は人を残す」というよく知られている格言。でも、それよりももう一つ上が存在し、圧倒的な凄みを放つ方は「やる気」という気持ちを人に残していくのだと。杉田先生に出会ったからこそ、そう思えるのです。

杉田先生は、英語を学ぶにあたり目的意識を明確にすることが大切だと、よくおっしゃっています。つまり「なんのために学ぶのか?」私の場合、生きていくために始めたことでしたから、その発言の意味を痛感します。

この春から杉田先生は新たに「現代ビジネス英語」という書籍を季刊号として執筆されます。本当に楽しみです。そして、私もこの春から新しいことを始めます。それは薬膳の専門学校に通うことです。目的意識を明確に次のステージへ上がっていきます。母親と同い年の杉田先生に、また直接お目にかかって更なるよい報告ができるよう努力して参ります。あらためて16年間ありがとうございました。

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左)一番最初に購入したテキスト 右)2005年に始めたころの最初のテキスト 中央)2016年に東京で開催された懇親会で杉田先生よりいただいたサイン


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