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『82年生まれ、キム・ジヨン』 占星術の観点から時代の先駆けを感じる作品

この作品との出会いは遡ること、2018年9月。
神保町の古本屋街にある「チェッコリ」という韓国語書籍を扱う書店でのこと。
店内には韓国から輸入した小説やエッセイ、絵本などさまざまなジャンルの本が取り揃えてありました。
どれにしようか迷うときは、まず店員さんに尋ねる私。
そのとき教えてもらったのが『82년생 김지영』(邦題:82年生まれ、キム・ジヨン)でした。
その女性店員の方は韓国語の翻訳もなさる方で、この本が韓国でベストセラーになっていて近々日本語翻訳も出版されきっと人気になりますよ、とアドバイスをくれました。
結局、そのときは別の小説が気になってそちらを購入。
しばらくして、この『82年生まれ、キム・ジヨン』が日本でも売り切れ続出のベストセラーになったことを知ることとなるのです。
前置きが長くなりましたが、どこか勝手に親近感をもっている映画だけに公開日まで首を長くして待っていました。


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この冊子は原作本のストーリーブックで、公開前に無料でもらえました。結構な力の入れようですが、多くの人が注目しているという証でしょう。

映画版は小説版とは若干ストーリーが異なり、新たに書き加えられたり変更しているところもあります。しかしながら、物語の主軸にある「韓国社会で女性として生きていく息苦しさ」を一人の女性の姿を通して描いているところは変わりません。



実は映画鑑賞後、原作の日本語訳単行本の解説を手がけた伊東順子さんのトークショーがあり、韓国社会のあれこれも伺うことができました。
面白いなと感じたのが、この映画の主人公ジヨンの夫役に人気イケメン俳優コン・ユが演じていますが、韓国の女性ファンの中には「家にコン・ユがいるだけで十分でしょ」なんていう方もいたそうです。そういう考え方ができる人は明るいですよね。

それと一つ気になることがあります。
それは、ジヨンが以前働いていた広告代理店での直属の上司が、独立後に「春風 봄바람」という会社を立ち上げます。この映画自体を制作している会社も봄바람영화사(春風映画社)となっていたので、何か関係があるのかと思ったのです。
トークショーの時に質問タイムがあり伊東さんに尋ねたところ、この作品が制作会社の創立記念作品なので、映画からつけたのでしょうとのこと。
そういうことかと納得した一方で、私はさらに深いものを感じていました。

現在、占星術とタロットの勉強をしているのですが、この「風」という言葉にとても敏感になっています。占星術では今年の12月22日に200年に一度の大変革が起きると言われています。「グレートコンジャンクション」と言われるものです。ネットや雑誌などでちょっと話題ですよね。具体的には、現在のような物質やお金に重きをおいた「土」の時代から、情報や知性、コミュニケーションを重視する「風」の時代へと移行するということ。
加えて、この映画で語られているような社会の格差や差別に苛まれてきた世の中に光が当てられる時代になるようなのです。その意味では、まさに『82年生まれ、キム・ジヨン』はその先陣を切る存在なのかもしれません。


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このパンフレットのように、私たちは今まさに次の時代につながる扉の前に立ち、あらたな一歩を踏み出そうとしているのです。

映画を観ていると、自分なりの発見がよくあります。
私にとって、映画鑑賞のひそかな楽しみとなっています。



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