Comparison of Japanese Centenarians’ and Noncentenarians’ Medical Expenditures in the Last Year of Life 日本人の百寿者と非百寿者の晩年の医療費負担の比較


Comparison of Japanese Centenarians’ and Noncentenarians’ Medical Expenditures in the Last Year of Life
Yasuhiro Nakanishi, MSc1,2; Yukio Tsugihashi, MD, MPH, MMM2; Manabu Akahane, MD, PhD1; et alTatsuya Noda, MD, PhD2; Yuichi Nishioka, MD, PhD2; Tomoya Myojin, MD2; Shinichiro Kubo, MSc2; Tsuneyuki Higashino, BSc3; Naoko Okuda, BA4; Jean-Marie Robine, DED5,6; Tomoaki Imamura, MD, PhD2
Author Affiliations Article Information
JAMA Netw Open. 2021;4(11):e2131884. doi:10.1001/jamanetworkopen.2021.31884

日本人の百寿者と非百寿者の晩年の医療費負担の比較


重要性 百寿者は他の年齢層に比べて重症化する期間が短い傾向にあることが研究で示されているが、人生の最後の年に使われる医療資源の規模を示す指標となりうる百寿者の医療費に焦点を当てた研究はほとんどない。

目的 日本人の百寿者と非百寿者の死亡前1年間の月別医療費を年齢と性別で比較する。

デザイン,設定,参加者 この後ろ向きコホート研究では,奈良県で2013年4月から2018年3月に収集した,高齢者医療制度の被保険者で2014年4月から2018年3月に死亡した75歳以上の住民の国民健康保険と介護保険のリンクデータを使用した。2013年4月から2018年3月までのデータを解析した。

対象 100歳以上(百寿者) vs 75~99歳(非百寿者)の年齢。

主なアウトカムと測定法 被相続人の入院および外来診療に関連するユニークな入院患者数および医療費を抽出し、性別および年齢区分に基づいて分析した。また、Jonckheere-Terpstra検定を用いて年齢群別の未調整医療費の傾向を明らかにし、一般化推定方程式を用いて、合併症の負担と機能状態を調整した年齢群別の月間医療費の中央値を推計した。

結果 2014年4月~2018年3月に死亡した75~109歳の患者34,317人(男性16202人[47.2%]、女性1811人[52.8%])のうち、100~104歳は872人(2.5%)(男性131人[15.0%]、女性741人[85.0%])105~109歳は78人(0.2%)(男性10人に満たなかった)であることが分かった。人生最後の年の未調整医療費の分析では、高年齢層ほど支出が少ないという有意な傾向がみられた。年齢群別の死亡前30日間の調整済み総支出の中央値は,75~79歳では6784ドル(IQR,4884~9703),80~84歳では5894ドル(IQR,4292~8536),5069ドル(IQR.85〜89歳は3676〜7150ドル、90〜94歳は4205ドル(IQR、3085〜5914ドル)、95〜99歳は3522ドル(IQR、2626〜4861ドル)、100〜104歳は2898ドル(IQR、2241〜3835ドル)、105〜109歳は2626ドル(IQR、1938〜3527ドル)である。死亡前1年間の全患者における入院患者の割合も年齢が上がるにつれて減少した。75歳から79歳の全4551人のうち4311人(94.7%)、105歳から109歳の全78人のうち43人(55.1%)、75歳から79歳の男性2956人のうち2831人(95.8%)、50. 0%(サンプル数が少ないため報告しない)、75~79歳の女性1595人中1480人(92.8%)、105~109歳の女性55.7%(男性との逆算を防ぐため報告しない)であった。特に、100~104歳の患者872人中274人(31.4%)、105~109歳の患者78人中35人(44.9%)が、死亡前の1年間に入院していなかったことが明らかになった。

結論と意義 このコホート研究により、日本では75歳以上の百寿者の方が非百寿者よりも人生の最終年の医療費が低い傾向にあることがわかった。また、入院患者の割合も年齢が上がるにつれて減少していた。これらの知見は、今後の百寿者の医療サービスの適用範囲や政策に反映される可能性がある。

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感想:

医療レセプトだけではなく、介護レセプトも利用しているのが素晴らしいと思った。高齢になればなるほど、介護の利用は増える。訪問看護・介護、通所リハ、デイサービス、老健など、これらはすべて基本的には介護保険サービスである。医療は外来だけで、介護メインでこれらを使うことは多そう。それらを考慮しても、医療&介護のコストは、後期高齢者になると減っていくのは、いわゆる高度医療の利用控えがあることなのだろうと推察する。ここら辺を適切に対応できる老年内科医が後期高齢者の主治医として機能していくことが重要なんだろうなと思う。






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