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サンリオの自然なデータ収集と活用に学ぶ、ユーザー体験を向上させる方法

ユーザーの思いや行動を自然とデータとして収集でき、それを活用して最高の体験を提供する。このような理想的な仕組みを実現するにはどうすればいいでしょうか?

サンリオがその答えを示してくれています。今回は、サンリオのデータ活用とマーケティングへのヒントを探ります。

サンリオのデータ活用

データ活用で大切なのは「ユーザーが嫌がることはしない」。サンリオが実現した、ファン目線の施策とは

以下は記事からの引用です。

Sanrio+の登録会員は2022年10月時点で130万人を超えており、ボリュームゾーンは15~29歳の女性。メルマガ「サンリオ通信」の購読者は60万人を超えているという。

これら会員を理解するため、裏側の仕組みとして統合データ分析基盤も用意した。「どこでどれだけのスマイルを貯めているのか」「どう使っているのか」など、会員 ID に紐づくあらゆるデータを格納することで、一人ひとりの属性や行動データを分析できる。

扱うデータの種類は、会員登録情報・ポイント利用データ・購買データ・クーポン利用データ・アプリ/Web ログなどだ。これらを活用することで、顧客により良い体験を提供することが可能になると田口氏 (引用者注: サンリオ グローバル・デジタルマーケティング本部 CRM 推進部 ゼネラルマネージャー 田口歩氏) は説明した。

MarkeZine 2023.5.29

興味深かったのは、ユーザーの推しなどへの思いや行動が、自然にデータに反映される仕組みになっていることです。

出典: MarkeZine

先ほどの記事から引用します。

続いて田口氏は、Sanrio+で提供しているサービスの一例を紹介。まず挙げられたのは、「推しキャラ」がデザインされた会員証のサービスだ。会員は全21キャラクターから好きなキャラクターを選択できる。さらに年に6 ~ 7回ほどシーズンに合わせて絵柄が変わることで、より魅力的な体験を提供できるよう工夫した。

会員が自ら会員証のキャラクターを選択することで、「アンケートで(直接好きなキャラクターを)聞くのではなく、自然に顧客の思いがデータに反映されるよう工夫しました」と田口氏は語った。また購買データと組み合わせることで、会員証に選んだキャラクターと実際に購買するキャラクターの相関関係も明らかになったという。

この他、アプリでは公式 Twitter・オンラインショップチャンネル・特設チャネルが閲覧できるマルチニュースチャンネルを提供。ニュースとは別に、スタンプラリーなどのキャンペーンをお知らせとしてプッシュ配信の形で流している。こちらでも、お知らせ一覧から遷移した「お知らせ詳細」ページの日別ユニークユーザー数を集計。関心度を可視化し、内容を最適化しているという。

MarkeZine 2023.5.29

学べること

ではサンリオの事例からの学びや示唆を掘り下げていきましょう。

ユーザーのデータ収集とユーザー体験の向上を両立するために、ポイントは以下の4つです。

  1. お客さんの体験を第一に考える
    Sanrio+は、ポイントを「スマイル」と表現したり、好きなキャラクターを選択できる会員証を提供したりと、お客さんが喜ぶ体験を提供することを最優先にしています。
    マーケティングでは、ブランドの世界観を伝えるだけでなく、その世界観にもとづいてお客さんに感動や喜びを提供することが大事です。

  2. データを活用してお客さん理解を深める
    サンリオは統合データ分析基盤を用いて、お客さんの属性や行動データを分析しています。どのキャラクターを好きなのか、どのようにポイントを使用しているのかなどの情報を用いて、お客さん一人ひとりに合わせた体験を提供することができます。
    データの収集と分析は、お客さんのニーズを理解し、適切なサービスを提供するために欠かせない手段です。

  3. データ収集の自然化
    「推しキャラ」がデザインされた Sanrio+の会員証のサービスは、お客さんが直接好みのキャラクターを選ぶことで、ユーザーごとの嗜好をデータとして集めています。
    直接的なアンケートよりも、このような間接的なデータ収集方法は、お客さんの自然な行動や選択を邪魔することなく、それでいてより真実味のあるデータを得られます。

  4. データ活用先の具体化
    Sanrio+では、収集したデータを具体的な施策に反映しています。例えば、公式 Twitter やオンラインショップチャンネルの閲覧数や、発行されたクーポンの利用率を可視化し、関心度や内容の最適化を行っています。
    収集したデータをどう活用し、サービス改善や開発、マーケティングにつなげることが重要です。

これらのポイントは、ユーザーのデータ収集とユーザー体験の向上を同時に達成するためのヒントになります。

お客さんの体験を第一に考えつつ、データを活用してその体験を更に向上させる。そして、実現するためにデータ収集を自然に行い、具体的な施策に反映させること。

これらを心がけることで、お客さんとのエンゲージメントを深め、持続的なビジネス成長を支えることができるでしょう。

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