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運動トレーニングサブスク 「Fit-eNce Home」 に学ぶ、筋の良いビジネスモデルのつくり方

今回のテーマは、サブスクとビジネスモデルです。アステラス製薬のサブスクサービスを取り上げ、ビジネスモデルの観点から解説をしています。

この記事を特に読んでいただきたいのは、ビジネスモデルを考える仕事をしていたり、ビジネスモデルで他社の成功事例を見たり学ぶのが好きな方です。よかったらぜひ最後まで読んでみてください。

アステラス製薬の運動トレーニングサブスク

今回ご紹介したいのは 「Fit-eNce Home」 (フィットエンス ホーム) です。

アステラス製薬が主に糖尿病患者向けに提供する、自宅でできる運動トレーニングサービスです。スマホアプリで、自宅での運動プログラムを提供します (公式サイトはこちら) 。

引用: 日経

サービス名の 「Fit-eNce」 は、Fitness と Science を合わせた意味があります。

運動療法が有用な2型糖尿病などの患者に対して、医師の指導のもとで自宅で運動できるプログラムです。患者が運動を続けやすい仕組みがあり、治療に役立てることを狙っています。

Fit-eNce Home はサブスクサービスです。初月が税込みで8,965円 (オンラインパーソナルトレーニング2回付き) 、2ヶ月目以降が5,995円 (オンラインパーソナルトレーニング1回付き) です。

Fit-eNce Home の特徴

Fit-eNce は 「科学的根拠に基づいた運動メニューを、医師の承認を得て実践する新しい運動支援サービス」 と言っています。

Fit-eNce Home の特徴を整理すると3つです。

✓ Fit-eNce Home の特徴

  • NESTA と共同開発

  • かかりつけ医のサポート

  • スポーツトレーナーから専用メニュー提案


1つ目の特徴は NESTA との共同開発です (NESTA は全米エクササイズ & スポーツトレーナー協会) 。Fit-eNce の運動メニューは NESTA が監修したトレーニングです。ちなみに NESTA は任天堂の Wii Fit の開発を監修しました。

2つ目の特徴は、自分のかかりつけ医が運動継続をサポートしてくれる仕組みがあることです。

Fit-eNce Home のアプリをダウンロードして開始登録をするためには、かかりつけ医への申請と承認が必要です。かかりつけ医に Fit-eNce Home の開始情報が届き、かかりつけ医は内容を確認して許可をします。かかりつけ医の協力がないと使えない仕組みになっています。

3つ目の特徴は、専用のスポーツトレーナーの指導が毎月自宅でオンラインで受けられます。

以上のように Fit-eNce Home には他の運動トレーニングサービスにはない特徴があります。

✓ Fit-eNce Home の特徴 (再掲) 

  • NESTA と共同開発

  • かかりつけ医のサポート

  • スポーツトレーナーから専用メニュー提案


提供価値

Fit-eNce Home には先ほど見た独自要素から、利用者には次のような価値がもたらされます。

✓ Fit-eNce Home の提供価値

  • 信頼できる運動メニューを無理なく続けられる

  • かかりつけ医にも共有され、安心や見守られている感が得られる

  • かかりつけ医の診察で共通の話題にしやすい

  • 毎月の運動をトレーナーから自分に合ったメニューに取り組める

  • 病気治療や健康増進につながる


学べること


では最後に、Fit-eNce Home から学べることを整理してみましょう。

ビジネスモデルで学びがあります。

これは覚えておいて損はないことで、ビジネスモデルは突き詰めると次の4つの要素から成り立っています。


✓ ビジネスモデルの要素

  • ターゲット顧客 [誰に]

  • 提供価値 [何を]

  • 価値の実現理由 [どうやって]

  • 収益モデル [いくらで]


以上の4つの要素がつながり全体としてストーリーで美しく流れていくと、筋の良いビジネスモデルになります。

Fit-eNce Home のビジネスモデル

ビジネスモデルの要素を Fit-eNce Home に当てはめてみると、

✓ Fit-eNce Home のビジネスモデル

  • 主に2型の糖尿病患者 [ターゲット顧客]

  • かかりつけ医やトレーナーと一緒に運動を続けられ、治療や健康増進になる [提供価値]

  • NESTA との共同開発, かかりつけ医との連携, 専門トレーナーのサポート [価値の実現理由]

  • 毎月課金のサブスクモデル [収益モデル]


他のプレイヤーが簡単に真似できず、生活者や企業から選ばれる理由 (強み) があれば、競争優位性のあるビジネスモデルになります。


まとめ


今回はアステラス製薬の運動トレーニングサブスク 「Fit-eNce Home」 から、ビジネスモデルに学べることを掘り下げました。

最後にまとめです。


Fit-eNce Home の提供価値

  • 信頼できる運動メニューを無理なく続けられる

  • かかりつけ医にも共有され、安心や見守られている感が得られる

  • かかりつけ医への診察で共通の話題にしやすい

  • 毎月の運動をトレーナーから自分に合ったメニューに取り組める

  • 病気治療や健康増進につながる


Fit-eNce Home のビジネスモデル

  • 主に2型の糖尿病患者 [ターゲット顧客]

  • かかりつけ医やトレーナーと一緒に運動を続けられ、治療や健康増進になる [提供価値]

  • NESTA との共同開発, かかりつけ医との連携, 専門トレーナーのサポート [価値の実現理由]

  • 毎月課金のサブスクモデル [収益モデル]

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