見出し画像

空気中の水分から飲料水を作る製水器。社会トレンドから未来を見据えての商品開発

おもしろいと思った製品なのでご紹介します。グリーンコアテックの 「ベルウォーター BW-1500W」 です。

空気中の水分から飲料水ができる制水器

出典: グリーンコアテック

こちらの 「ベルウォーター BW-1500W」 は、結露を利用して飲料水を作る製水器です。周囲の空気を取り込み、温度差によって結露を生じさせ、結露を集めてできた水を浄化して飲み水をつくるという仕組みです。

設置に特別な水道工事や水ボトルは必要なく、1日で 5 ~ 15 リットルの水を作り出せます。これは1台で 3 ~ 5 人の家族の飲料水を賄える量です。

学べること

この事例から、マーケティングや商品開発における学びを考えてみましょう。

直接関係しないトレンドも察知する

学べるのは、社会全体のトレンドや生活スタイルの変化に注目することの重要性です。

ご紹介している 「ベルウォーター BW-1500W」 が開発された背景は、近年、家庭で消費する電力の一部を住宅用の太陽光発電で賄う世帯が広がってるというトレンドがありました。

以下は関連記事からの引用です。

製水器の発売元である空気清浄機メーカー (引用者注: グリーンコアテック (京都市) ) の松山紋佳社長は 「飲料水もいずれは家族で消費する分は自分たちで賄うという時代がくるかもしれない」 と考え、装置を開発したという。空気中の水分から飲料水をつくり出す仕組みを取り入れた。

日経 2023.5.17

自宅の太陽光発電により電力を自給自足するライフスタイルは、エネルギーや電気に対する価値観の変化を示しています。飲料水に対しても同様の価値観の変化が起きていくと考え、室内の水分で飲料水を自分で作る製水器を開発したのです。

一見すると自分の業界とは直接関係がないようなトレンドや変化でも、それが示す社会全体の動向や人々価値観の変化を見極め、自分の業界との関連性を見極められるかがポイントです。

未来を見据えて逆算する

現状の問題点を解決するためのアイデアはもちろん大切ですが、それだけではなく、未来を見据えた着想が求められます。未来予測は困難ですが、だからこそこれからの社会やトレンドへの先読みを続ける姿勢が必要なのです。

松山社長は、飲料水が家庭内で自給自足できる時代が来ると予見しました。こうした先見の明と創造的な発想が、商品開発において鍵になることを示しています。

現在の変化やトレンドを踏まえた上で 「未来はどうなるのか」 を考え、その未来から逆算して戦略やプランをつくります。例えば 「自給自足のライフスタイルが広がる未来」 を思い描いたとして、要するにそれが何を意味するのかです。

以上のような視点をもとに、世の中のライフスタイルや人々の価値観の変化を常に捉え、その変化に対応した商品開発やマーケティングを展開していくことが大事です。

いいなと思ったら応援しよう!