セールスフォースのビジネスモデルを独自視点で解説
今回はビジネスモデルの分析です。セールスフォースを取り上げます。
✓ この記事でわかること
セールスフォースのビジネスモデル
[特徴 1] 顧客データの価値化
[特徴 2] 持たざる経営
セールスフォースは SaaS のビジネスモデルが有名ですが、SaaS の視点での話はすでに他の方がたくさん語っているので、この記事では違う切り口で解説をします。
セールスフォースのビジネスモデルで特徴的なのは2つで、「顧客データの価値化」 と 「持たざる経営」 です。
ぜひ最後まで読んでいただき、少しでも何か参考になればうれしいです。
顧客データの価値化
あらゆる事業は顧客がいて成立します。データから顧客のことを理解すれば顧客課題に沿ったソリューションを提供できます。つまり顧客データは事業として企業としても最重要なデータです。
しかし一方で、全ての企業で顧客データを有効に活用しビジネスに活かしているかと言うと、そうではないですよね。顧客データが整理されず、保存されていても使われず 「宝が埋もれたまま」 になっているわけです。
ここにセールスフォースはビジネス機会を見出し、SaaS というモデルを活かして多くの企業に眠っていた宝を掘り当てました。企業で活用されないデータの中でも最もビジネスポテンシャルの高い顧客データからセールスフォースはユーザーに価値を提供しています。
持たざる経営
ここまで見てきたように、セールスフォースのビジネスを一言で言えば 「顧客データの価値化」 でした。これが前半で見てきた内容です。
もう1つ特徴的なのが 「持たざる経営」 です。ビジネスモデルの抽象度を高めると Airbnb や Uber と同じモデルです。
セールスフォースのビジネスの源である顧客データは、もともとはセールスフォースのものではないです。クライアント企業 (セールスフォースのユーザー) が持っていたものです。ユーザーが持っているいわば他人の資産を使ってセールスフォースは自分たちのビジネスを展開しているわけです。
これは Airbnb がホテルなどの宿泊施設を持たずゲストが所有している家を活用したり、Uber がタクシーを保有せずに配車サービスをしているのと同じビジネスモデルです。つまりセールスフォースは、「他人の褌で相撲を取っている」 と見ることができます。
顧客データはクライアントが持っているので、セールスフォースは自分たちがリソースを使ってデータを集める必要はありません。その分をセールスフォースはアプリケーションやプラットフォームの開発や運用にリソースを注力でき、顧客への価値につなげています。
こうした 「持たざる経営」 がセールスフォースのビジネスモデルの特徴です。
まとめ
今回はセールスフォースのビジネスモデルを紐解きました。
最後にまとめです。
[特徴 1] 顧客データの価値化
顧客データは企業にとって最重要なデータ。しかし多くの企業で使われず埋もれたまま
セールスフォースはビジネス機会を見出し、SaaS というモデルを活かして多くの企業に眠っていた宝を掘り当てた
企業で活用されないデータの中でも最もビジネスポテンシャルの高い顧客データからユーザーに価値を提供している
[特徴 2] 持たざる経営
ビジネスの源である顧客データは、もともとはセールスフォースのものではない。他人の資産を使ってセールスフォースはビジネスを展開している
Airbnb が宿泊施設を持たずゲスト所有の家を活用したり、Uber がタクシーを保有せずに配車サービスをしているのと同じビジネスモデル (他人の褌で相撲を取っている)
セールスフォースはアプリケーションやプラットフォームの開発や運用にリソースを注力できる
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