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人間性重視とビジョン共有。ユニクロに学ぶ長期的なパートナーシップを築く方法


トップアスリートと戦略的なパートナーシップを築いているユニクロ。現役時代には選手と共同開発で商品を生み出し、引退後も次の世代の育成などの社会貢献で連携をしています。

一般的にはスポーツ選手とのスポンサー契約は現役期間中のみの広告宣伝が中心で、引退後にわたる深くて長い関係は珍しいです。しかしユニクロはアスリートとの深くて長いコラボを実現しているのです。

出典: 日経

ユニクロと選手の Win-Win

では、ユニクロはどのようにしてがスポーツ選手と長くて深い関係を構築しているのでしょうか?

以下は関連記事からの引用です。

トップ選手と契約する過程で重視するのが、ビジョンの共有だ。一般的には広告代理店を挟むことが多いが、ユニクロは直接対話を重ねて互いの考え方を掘り下げていく。その背景には「強いだけではダメ」という柳井正会長兼社長の考えがある。「柳井社長は人格を重視する。必ず最後は自分で会うし、かなり失礼になるが会ってから断った選手もいる」(アドバイザーの坂本氏)

「なぜ大会前の調整期間にチャリティーを開催したんですか」。11年3月、坂本氏は米マイアミでテニスのノバク・ジョコビッチ選手に問いかけていた。東日本大震災の直後、ジョコビッチ選手はトップ選手らを誘ってチャリティーでサッカー大会を開いていた。

答えは明快だった。「内戦で傷ついたセルビア(同選手の出身地)には日本のバスや鉄道が走っていて恩がある。震災直後から何か支援ができないか考えていました」。この言葉を柳井社長に伝えると、本格交渉にゴーサインが出た。

「このレベルの選手になると、当然お金だけでは動かない」(坂本氏)。選手もまた企業側のビジョンを問う。「欧州の店舗数は」「今後の経営方針は」。ジョコビッチ選手本人から、商品から戦略に至るまで膨大な質問が投げかけられた。最後には3時間にわたるミーティングで坂本氏と商品部門の執行役員が答えを重ね、道筋を付けた。

日経 2023.6.11

ユニクロに学ぶパートナーシップ構築

ユニクロの事例を一般化すると、長く一緒に働く人をどのように見つけるかに示唆があります。

ポイントは、

  • 人間性の重視

  • 直接の対話

  • ビジョンの共有

  • 長期的な視点

順番に見ていきましょう。

人間性の重視

ユニクロの柳井正社長は「強いだけではダメ」という哲学を持っています。長期的なパートナーシップを築くためには、単にその人が有能かどうかだけではなく、人格までを見極めることが重要しているのです。

一緒に働く人を選ぶとき、その人のスキルや経験だけでなく、価値観や人間性を見ることが重要です。

直接の対話

ユニクロはアスリートとパートナーシップを築く際、間に広告代理店などははさまず、直接の対話から相手と深く理解し合う手法をとっています。お互いのビジョンや考え方を具体的に共有し、相手の価値を認め合うことにつながっています。

これはビジネスでも有効です。直接的な対話を通じて、お客さんやパートナーとの間に信頼関係を築くことが長期的な成功をもたらします。

ビジョンの共有

ユニクロはビジョンの共有を重視します。

ユニクロとパートナーシップを組むスポーツ選手は、ユニクロのビジョンについて深く理解します。ユニクロも選手の持つビジョンをなるべく深く知ろうとします。お互いの目指す方向が一致すれば、共に向かって歩んでいく関係がつくれるでしょう。

自社のビジョンを描き、一緒に組む相手と共有し、相手のビジョンも理解することがパートナーシップには大事です。

長期的な視点

ユニクロとスポーツ選手とのパートナーシップの特徴は、長期的な関係構築にあります。

相手のビジョンや価値観を理解し、人格を尊重することから始まり、お互いのビジョンを共有し、直接対話を通じた深い信頼関係を築きます。ユニクロはパートナーとの長期的な関係を求めています。

ビジネスでは一時的な成功を目指すのではなく、長期的な関係性を重視し、持続的な成功を追求することが重要となります。

おわりに

ユニクロから学べるのは、パートナーシップを成功させるための鍵は、人間性を重視し、直接の対話を通じて相互理解を深め、ビジョンを共有すること、そして長期的な関係性を構築することにある、ということです。

これらの要素は、ビジネスにおいて、新たなパートナーシップを築く際や、既存の関係性をさらに強化する際に参考になります。

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