売上好調のアサヒ生ビール 「マルエフ」 。差異化の方法とポイント
今回のテーマは、差異化です。
アサヒ生ビール 「マルエフ」
今回取り上げるのは、マルエフの愛称で呼ばれるアサヒ生ビールです。
販売が好調
以下は、日経新聞の記事からの引用です。
ビール事業の課題
アサヒビールと言えばスーパードライが有名です。かつてはスーパードライ以外に主力となるビール銘柄がなかったことが、アサヒの問題意識でした。
ヒット理由
マルエフが開発された背景である 「スーパードライとは対極にある存在にすること」 が、今でもマルエフは変わっていません。
ここにマルエフのヒットの理由があり、また今回の学びとして掘り下げていきたい差異化のポイントでもあります。
人間味やぬくもり
具体的にマルエフは社内の主力商品であるスーパードライに対して、どのように差異化をしたかと言うと、先ほどの記事から見てみましょう。
ビールに 「人間味やぬくもり」 を感じてもらえる価値設定にしたのが、マルエフなのです。
愛称に見る 「らしさ」
マルエフという愛称にも、ぬくもりを感じられる世界観があります。
フェニックスは英語で Phoenix なので本来は P を使うべきですが、勘違いで F を使った開発名称がそのまま今もマルエフとして残っています。
こうした 「ほんわかする開発話」 は、ビールのキレとコクを訴求するスーパードライでは合いませんが、マルエフの 「人間味とぬくもり」 であれば違和感はありません。
学べること
では最後に、マルエフから学べることを整理してみましょう。
マルエフには差異化への学びがあります。
差異化とは、他と違うことをやることで生まれます。大事なのは、差異化の軸を明確にし、中心に軸を通すように一貫性を持たせることです。全体として 「らしさ」 が生まれるので、お客さんから違いを認識してもらえます。もし一貫性がなければ、お客さんは混乱してしまうでしょう。
もう1つ重要なのは、差異化からの違いが、お客さんへの価値になっていることです。違いをつくっても、そこに価値がなければ作り手の1人よがりの差異化にすぎません。
マルエフの場合は、パッケージ、愛称、プロモーションにおいて、「人間味のあるぬくもり」 を感じられるように統一させました。お客さんはマルエフを見たり手にする、味わう時にぬくもりから心が穏やかになれる価値を得ているのです。
まとめ
今回はアサヒ生ビールの 「マルエフ」 を取り上げ、差異化について見てきました。
最後にまとめです。
差異化のつくり方とポイント
差別化は、他と違うことをやることで生まれる
差異化の軸を明確にし、中心に軸を通すように一貫性を持たせる。全体として 「らしさ」 が生まれ、お客さんから違いを認識してもらえる
大事なのは、差異化からの違いがお客さんへの価値になっていること
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