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変革の時代に勝つ!シヤチハタ流・環境変化への対応術

マーケティングの世界は変化に富んでおり、常に新しいアイデアや戦略が求められます。

今回の記事ではシヤチハタのハンコの事例について、どのように環境変化に対応し、提供価値を再定義して成功を収めたのかを紐解きます。ぜひ一緒に学んでいきましょう!

脱ハンコを狙うシヤチハタ

ご紹介したいのは、名古屋市のはんこメーカー 「シヤチハタ」 が趣味用のハンコを新たに打ち出しているという話題です。

行政の「脱ハンコ」の動きに対応し、創作活動やデコレーション市場への需要を見据えています。

はんこメーカーのシヤチハタ (名古屋市) が趣味用途の商品に力を入れている。同社といえば「シャチハタ印」の名称で親しまれる黒いハンコを思い浮かべる人が多いだろう。

行政を主体に「脱ハンコ」の動きが加速する中、ハンコを使った創作活動や日記のデコレーションなど、新たな需要を読み取り市場を開拓している。

日経 2023.3.17

具体的にどんなものかと言うと、 

「OKURO」は感謝の気持ちを伝えられる (出典: 日経
「回転デコレーションスタンプ」は1つで13種類もの柄を使い分けられる (出典: 日経

「この度はご購入いただきありがとうございました」。2022年10月に発売されたスタンプ「OKURO (オクロ) 」は、メルカリなど CtoC (個人間取引) ビジネスの盛り上がりを受けて開発された。感謝のメッセージや取り扱いの注意事項が印面に刻まれており、利用者はカードや段ボール箱に押すだけで、気持ちを伝えられる。

「回転デコレーションスタンプ」はダイヤルを回すことで印面が変わり、1つで13種類もの絵柄を楽しめる商品だ。商品を包装しているプラスチック容器はそのまま収納ケースになるなど、使用後も考えた工夫が施されている。(浸透印ではないため) スタンプパッドを使って色をアレンジできるのも人気で、昨年8月の発売から3カ月で1万個を売り上げた。自身でデザインした日記帳を SNS に投稿する女性も多いという。

日経 2023.3.17

学べること

ではシヤチハタの事例から学べることを掘り下げていきましょう。

前提の把握

マーケティングに限らずものごとには必ず前提があります。何かを取り組む前にはまず前提を抑えることが大切です。

マーケティングの前提の1つは、生活者の環境が変化するということです。シヤチハタのハンコ事例では、行政の「脱ハンコ」の動きや SNS の普及など、環境変化が起こっていました。

環境変化を捉える重要性

環境が変わることで、人々の心理や価値観も変わり、それが行動に影響を与えます。例えばテクノロジーの進化や社会情勢の変化が、生活者の購買行動や商品やサービスへの期待を変えていきます。

環境や人々の変化によって新たな問題やニーズが生まれるため、企業も変わる必要があるわけです。

環境変化を的確に捉えることは、企業が新たな市場機会を見つけたり、競合他社に対して優位に立ったりするためには重要です。タイムリーに変化に対応し、市場のニーズに合わせた商品・サービスを提供することで、お客さんからの信頼や満足度を高めることができるからです。

提供価値の再定義

企業が変化するためには、自社や競合の商品がお客さんにどのように使われているか把握するといいでしょう。お客さんの実際の利用用途や使い方には商品開発やマーケティングのヒントが詰まっています。

ただし、単に商品の使われ方が変わったという理解だけでは足りません。そこからさらに、お客さんにとっての商品を使ったり保有することの意味合い、本質的な提供価値、商品の存在意義まで掘り下げることが大事です。

シヤチハタの事例では、変わる生活者環境においてハンコの役割を再定義し、「コミュニケーションのための道具」 と位置づけました。

商品企画部の滝沢一部長は、ハンコの役割を時短とコミュニケーションと指摘。 「しるしは突き詰めれば対話のための道具。色々な場面でハンコの価値を実感してほしい」 (滝沢部長) 

日経 2023.3.17

シヤチハタの事例からは、高い次元に立ち返って商品や自社の存在意義を見出す重要性を学ぶことができます。

おわりに

シヤチハタの事例からの学びを整理すると、前提を把握し、環境変化に柔軟に対応することで、企業は競争力を向上させることができます。さらに、提供価値を再定義し、お客さんのニーズに合った商品・サービスを提供することで、信頼や満足度の向上につながります。

これからもマーケティングの世界は日々変化し続けますが、変化に対応した戦略を練ることで、企業は競争力を維持・向上させることができます。

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