本質的な問題解決の鍵。センターピンの見極めと活用法
ビジネスで困難な問題に直面したとき、どのように解決しますか?どこを手始めにすれば良いのか、どの問題が最も重要なのか、戸惑うことはありませんか?
私たちは日々、多くの課題に直面していますが、すべてを同時に解決することは難しいものです。だからこそ重要なのは「センターピン」を見つけること。それは一つの問題を解決することで、他の問題も同時に解決する可能性がある、まさにドミノ倒しのような要素です。
この記事では、この「センターピン」の探し方と活用法を解説します。それでは一緒に、問題解決の新たな視点を探求しにいきましょう。
センターピンとは
センターピンとはボーリングからのたとえです。
ボーリングでピンを1本でも多く倒すためには、センターピンを狙うことですよね。一番手前に立っているピンを倒せば、2列目以降のピンが倒れていきストライクを起こしやすいです。
このイメージから、センターピンとは、物事を進める時に最も全体への影響が大きく、成功の鍵となるものです。別の表現をすれば、ボトルネック、勝ち筋、KSF (Key Success Factor 成功のポイント) です。
「センターピンとは何か」 を掘り下げることによって本質を見出せ、その本質が他にどう波及するか、全体への影響というセンターピンからストーリーを描くことができます。
センターピンを見極めての問題解決
ここまではセンターピンの考え方で概念についてでした。ここから問題解決の方法に入っていきますが、ビジネスでの具体例からさらに掘り下げてみましょう。
ある営業チームの課題
例えばの話ですが、営業チームの場合に当てはめてみます。起こっている事象が、今月のチームでの売上目標が未達の状況だとします。
営業チームのマネージャーであるあなたは、どこに問題があり何が原因かを見極める必要があります。売上を客数と客単価に分けると、客数が前月より減って、特に新規顧客数が想定より少ないことがわかりました。
原因を掘り下げると、新規の顧客の対応方針を先月に変えていましたが、その新しいやり方が今月になってもうまく機能していないことが見えてきました。
正確に言うと、新規顧客への新しい対応方針を聞いただけで適用でき成果を出しているメンバーと、そうではないメンバーに分かれていました。方針変更のアナウンスはチーム内にやりましたが、具体的なやり方までは落としていなかったからです。
つまり売上への目標未達の原因は、新規顧客対応の方針変更について 「内容を知っている」 までの人と、「新しいやり方でできる」 という人でレベル感がばらばらだったことです。 結果として新規顧客の獲得数が想定より少なくなっていました。
センターピンの見極め
ではここから問題解決のためのセンターピンは何かを考えてみましょう。
ここで言うセンターピンとは、これをやれば営業メンバー全体に良いインパクトが出せる問題解決の 「押しボタン」 です。今回の例で言えば、新規顧客へのアポや受注、客数増加、ひいては売上目標の達成につながることです。
重点課題として、新規顧客獲得での成功事例をチーム内で横展開することにしました。できている人のやり方を他の人にも同じようにできるようにする狙いです。具体的には社内でメンバー同士でロールプレイングをやったり、時には営業商談に同行しメンバー同士で学び会える機会をつくります。
全体波及への仕組みづくり
もう1つポイントな重要なことがあります。チーム内の評価ポイントの見直しです。
具体的には個人目標を過度に重視するのではなく、チーム全体での顧客獲得数に変更しました。意図は、過度に個人目標を重視すると既に新規顧客への対応をうまくできている人にとっては、自分のやり方 (成功ポイント) を他のメンバーにわざわざ教えたくない気持ちがどうしても生まれます。
しかしこれではチーム内の部分最適にしかなりません。全体最適にするためには自分の成功事例をオープンにし、積極的に共有することにメリットを感じる環境と仕組みにつくる必要があります。
センターピンからの波及効果として期待できるのは、チームでの新規顧客への対応力の底上げと、さらには新規だけではなく既存顧客へ対応も良くなり顧客満足度の向上です。
まとめ
今回は 「センターピン」 というキーワードから問題解決の方法についてでした。
最後にポイントをまとめておきますね。
センターピンはボーリングからのたとえから。ピンを1本でも多く倒すためにはセンターピンを狙うとよい
ビジネスでのセンターピンとは、物事を進める時に最も全体への影響が大きく、成功の鍵となるもの
本質を見出し全体への影響を考えることによって、センターピンからストーリーを描くことができる
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