問題解決の5ステップを、具体例 (組織マネジメント) で解説
今回は、問題解決の方法です。
問題解決をどうやって進めるかの方法を、具体例を使って解説していきます。
問題解決の全体像
はじめに結論からです。
問題設定から問題解決までの全体像は、次の5つです。
✓ 問題解決の全体像
現状把握
理想描写 (あるべき姿を描く)
問題特定 (真因の追求)
課題設定 (問題解決のためにやることを決める)
実行と振り返り
5つのステップのうち前半3つが問題設定、後半の2つが課題設定です。
問題設定とは 「問い」 、課題設定は 「答え」 です。5つのステップと言っているようにこの順番が大事で、いきなり解決策に入る前に、問題設定を磨き込みます。
具体例で解説 (組織マネジメント)
では問題解決の全体像を、ビジネスでの具体例から見ていきましょう。
例として組織マネジメントに当てはめます。新しく組織やチームをマネジメントする立場になったケースで考えてみます。
[ステップ 1] 現状把握
問題解決の最初のステップは現状把握からです。
今回のケースをより具体化すると、組織メンバーは自分も含めて7人で中堅メンバーから若手までいます。
各自は与えられた目標はほぼ達成できていて、組織目標も皆ががんばってくれればクリアできる見込みです。
ただし組織が一枚岩となり一致団結しているかと言うと、そうではありません。各自が個別で動き、どこか淡々と業務を進めています。
[ステップ 2] 理想描写
このような組織の状況でマネージャーであるあなたは、組織で目指したい理想をメンバーの持っている力 (ポテンシャル) と強みを発揮し合っている組織としました。現状は個々人の足し算ですが、理想は掛け算のイメージです。
各自は個人目標で動いていますが、別の捉え方をすれば与えられて言われたことをやっている状況です。
理想と考える組織は、自ら率先してメンバーが協力し合い、自分ひとりではできない成果を組織全体であげることです。正式な組織のリーダーは一人かもしれませんが、組織内のメンバー全員が各役割においてリーダーシップを発揮しているチームです。
一言で言えば 「自律したメンバーが協力し合い、一体感のある組織」 です。これをあるべき姿に設定しました。
[ステップ 3] 問題特定
組織の現状は一見すると問題視することは特にないかもしれませんが、先ほどのように理想を描くことによって解決したい問題が見えてきました。
各自が個人プレーになっていることによって、お互いの協力や連携、切磋琢磨から学び合うことが少ない組織です。ここを解決したい問題にしました。
問題の原因は個人目標がノルマになり、過度に重視されていたことです。いつしか自分の目標さえ達成すれば良いという雰囲気になってしまい、組織で協力し合うことで初めて達成できる成果は出せていませんでした。
[ステップ 4] 課題設定
課題とは 「問題解決のためにやること」 です。
まずはチームの方針として 「自分がやる、協力する、共有する」 の3つを行動指針に掲げました。
チームとしての組織目標を上から与えられた数値目標で終わらずに、目標を自分たちの言葉で捉え直すことが大事だとメンバーで認識を合わせます。課題設定は 「個人プレーからチームプレー」 です。
[ステップ 5] 実行と振り返り
チーム目標を自分たちの言葉で表現するために、半日間、普段のオフィスとは違う場所で集中的に時間をとりました。
また具体的な実行策として、組織メンバー全員が参加する毎週定例のミーティングの中身を変えました。チーム目標にフォーカスし、個人の目標達成状況は、リーダーとメンバーの 1on1 のミーティングで個別にやることにしました。これまでは全体ミーティングで個人目標の達成を確認していました。
その代わりに定例会議では、お互いの成功や失敗事例を順番に発表担当を決めて共有するなど、行動指針に沿っての運用に変えました。会議だけではなく普段の組織内のコミュニケーションには、Slack 内に共有用のチャンネルを作り、カジュアルでリアルタイムを重視するコミュニケーションの場を用意しました。
あとは、毎月のタイミングでチーム全員で振り返る会議を新たに設定し、個々人の内省やチームとしての内省する時間を作りました。この場ではあるべき姿に立ち戻り、何がどれくらいできているのか、できていないかを皆で語り合う時間です。
* * *
以上が組織マネジメントを例にした、問題解決の全体像です。
まとめ
今回は問題設定と問題解決についてでした。
最後にまとめです。
✓ 問題解決の全体像
現状把握
理想描写 (あるべき姿を描く)
問題特定 (理想と現状のギャップから真因の追求)
課題設定 (問題解決のためにやることを決める)
実行と振り返り
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