栄養家計簿アプリ SIRU+ に学ぶ、相手の行動につなげる方法
レシート撮影で栄養診断ができるアプリ SIRU+
スタートアップのシルタスが開発した栄養家計簿アプリ、「SIRU+」 をご紹介します。
スーパーや外食などのレシートを撮影するだけで、アプリから自分の栄養素の過不足を確認できるようになりました。
以下は関連記事からの引用です。
行動へのメリット
この事例から学べるのは、お客さんやユーザーに何かをやってもらいたい時に、行動の見返りとして 「メリットを適切に用意すること」 の重要性です。
シルタスではレシートを撮影するという行動をユーザーに取ってもらうために、アプリ内で買い物や家計簿の情報を見られるようにするだけではなく、新たに栄養素の過不足状況もわかることをメリットに打ち出しました。
行動に対して、やったことで相手に満足感が生まれたり、感謝の気持ちが伝わるような仕組みを入れることで、行動を取る動機につながります。
無理やりにアクションを強いるのではなく、いかに相手の内側の気持ちから行動をしてもらうかは、マーケティングでも大事な視点です。
行動分析学
今回の話から補助線としてご紹介したいのが、心理学の1つである 「行動分析学」 です。行動分析学は人が行動する動機を行動の前後に見出し、行動の要因を科学的に分析・検証する学問です。
行動分析学のコアとなる考え方は、3つのステップからなる 「きっかけ - 行動 - 見返り」 です。
見返りは二種類ありメリットとデメリットです。メリットは行動分析学では 「好子 (こうし) 」 、デメリットは 「嫌子 (けんし) 」 と呼びます。
人が行動を起こす・起こさないを整理すると、
✓ 行動をするのは
(その行動をすると) メリットがあるから
(行動すれば) デメリットがなくなるから
逆に捉えれば行動を起こさないのは、
✓ 行動をしないのは
(それをやっても) メリットがないから
(やってしまうと) デメリットがあるから
このように 「メリットのある・なし」 「デメリットのある・なし」 という切り口で行動の見返りを見極め、具体的に何がきっかけとなって行動するかを掘り下げるのが行動分析学です。
ちなみに行動分析学では、見返りが行動後60秒以内に発生すると、行動を呼び起こす影響が大きいとされます。
ユーザー体験を変え人を動かす方法
相手に行動を促したい時に、デメリットではなくメリットによって動いてもらえないかを考えてみるといいです。
「それをやるとデメリットがなくなるから」 は、人が行動を取ることに影響を及ぼします。しかし、ここには楽しさやワクワク感はありません。
そうではなく 「これをやれば嬉しいことがある」 と、相手にとってのメリットをつくり出せないかを考えてみるといいでしょう。
例えば、ビジネスのシーンではお客さんや生活者に対して、「自分たちの商品やサービスを使えばこんなメリットがある」 というのを、お客の立場になりお客の言葉で表現して相手がイメージしやすいように伝えます。他には上司や同僚、他部署の人との仕事のやり取りにも活用できます。
他人ではなく自分の行動にも応用ができます。何かをやりたい・行動したい・習慣を変えたい時に、自分にとってのメリット (や時にはデメリット) を見極め、見返りをつくる工夫してみるといいでしょう。
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