オフィス緑化サブスクに学ぶ、新規事業や新サービスのつくり方
今回のテーマは、事業開発や商品開発です。
あるホームセンターが始めたおもしろいビジネスを取り上げ、事業開発や商品・サービス開発に学べることを解説していきます。よかったら最後までぜひ読んでみてください。
ホームセンターのオフィス緑化サブスク
福岡のホームセンター 「グッディ」 が、法人向けのオフィス緑化ビジネスを開始しました (公式サイトはこちら) 。
以下は、日経新聞の記事からの引用です。
オフィス緑化ビジネスの本質
では戦略の観点から、オフィス緑化ビジネスの意味合いを掘り下げてみましょう。
一言で言えば、オフィス緑化ビジネスの本質は 「資産を有効活用した横展開する新規事業」 です。
活用した独自資産
ここでいう資産とは、次のような無形資産です。
✓ 持っている独自資産
ホームセンターでの園芸品販売で培ったノウハウ
グッデイの自社オフィスで緑化を実施している先行事例からの経験
大学との共同研究から得られた知見
2つ目の独自資産である 「グッデイの自社オフィスで緑化」 を補足すると、グッデイは2019年の本社移転の時にオフィスに観葉植物を取り入れたことです。オフィスの緑化により、社員がリラックスして作業効率を高めることが実感できたそうです。
3つ目の 「大学との共同研究から得られた知見」 については、次で少し詳しく補足しますね。
緑化の共同研究からの知見
オフィスでの執務フロアや会議室に観葉植物を置いたほうが、リラックス効果はあると感覚的にわかっていても、ではどれぐらいの本数 (植物量) がいいのかはわかりません。
グッデイは大学との共同研究から、「緑視率」 という指標で、数字から緑化のリラックス効果を把握しています。緑視率とは視界の中に占める緑 (植物) の割合です。視界の面積を 100 として、5% 分が植物であれば緑視率は 5% となります。
大学との共同研究から、緑視率が 10% ~ 15% で平均 11% 以上のストレス軽減があるそうです (参考: PR TIMES) 。
知見の有効活用
共同研究の結果から、法人向けの緑化サービスで次のような活用ができます。
例えば、「少なくとも 10% 、できれば 15% の緑視率になるように植物を置きましょう」 、「なぜなら大学と弊社の共同研究では、緑視率が 10% から 15% でストレスが減ることが認められているからです」 のように、客観的な数字で自信を持って言えるわけです。
こうした大学との共同研究からの知見に加えて、ホームセンターでの販売からのノウハウ、自社でのオフィス緑化の実施から、グッデイは他社にはない独自資源を持っています。
オフィス向けの緑化サービスは、独自資産を活かした新規事業なのです。
学べること
では最後に、グッデイの緑化ビジネスから学べることを整理してみましょう。
会社として新規事業を立ち上げたり、事業部内で新商品・サービスを企画する時のヒントがあります。
一言で表現すれば、学びは 「自分たちが持っている独自資産を活用しよう」 です。
資産にはハードとソフトの両方があります。特にソフト資産は目に見えにくく、自分たちが普段からやっていて普通にできていると、実は世の中一般ではすごいことなのに気づけません。
グッデイに当てはめると、ホームセンターの店頭での園芸品の販売は、日々当たり前のように行われています。毎日お客さんと接して得られる知見は、他にはない貴重な資産です。
今回の学びは、このように独自資産を有効活用して、新規事業や新商品・サービスの開発をやっていけないかと考えてみることです。
もう1つの学びは、既存事業や商品との相乗効果です。
グッデイではオフィス緑化サービスのクライアント企業から、オフィス向け用品をグッデイのホームセンターから販売し届けることも狙えます。
このように 「新しいサービスや事業が、既存事業にもつながる相乗効果を発揮できないか」 という着眼点から新しい着想が得られます。
まとめ
今回はグッデイのオフィス緑化サブスクサービスから、新規事業や新商品の開発に学べることを見てきました。
最後にまとめです。
法人向けオフィス緑化サブスク
ホームセンターのグッデイがオフィスに観葉植物を提供する緑化ビジネスを開始
本質は、独自資源を活かした新規事業
ホームセンターで園芸品を販売しているノウハウ、グッデイの自社オフィス緑化の経験、大学との共同研究から得られた知見を活用
学べること
次の2つの着眼点から事業や商品開発を進めよう
① 自分たちが持っている独自資産を活用した事業開発や商品開発
② 新しいサービスや事業が既存事業につながる相乗効果
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