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心踊る美の殿堂

北斎肉筆画展を見に行く為に岡田美術館へ行きました。

■結論から申し上げると…。
最高でした!!!!!
何が最高だったかを展示、構成、空間から考察します。
そして北斎は言わずと知れた絵師なので、北斎の魅力はここでは多くを語りません。
僕の中では現時点で2番目に刺激を受けた美術館となりました。

■詳細を語る前に
アートは能動的なものだと考えております。
どういう事かと言うと、富士山は散歩のついでに登るところではありません。
それと同じようにアートを楽しむうえで準備が必要です。
この「準備が必要」という部分を強制的なデザインによって成り立たせているのが岡田美術館なのです。
展示室には記録媒体の持ち込みが禁止です。
スマホやカメラなどです。
これの何が凄いかと言うと、「美術と向き合う以外の選択肢が消される」訳です。
これが本当に良くて、世界観に前のめりで楽しむ事が出来るんです。

■展示について
展示は1F~5Fにかけてかなり濃密な展示がされています。
特に陶磁などは見応えあります。

時代毎にフロアが分かれており時代の流れを感じると共に当時の人々の呼吸すら聞こえてくるような気がします。
それぞれの美術品に適当な説明文が載っていて、その文章量がまた絶妙に素晴らしい。
その情報が知りたい!という気持ちを確実に抑えた情報量です。
1F~5Fに向けて展示室を見ていくのですが、上に行くにつれて展示が少なくなっていきます。
恐らく来場者の体力に合わせてそうされているのだろうという事が見透かせて、それがまた最高でした。

■構成について
中国や日本などアジアを中心にしたコレクションが多く、絵画、やきもの、漆、仏教美術という構成でした。
美術のフルコースという感じで今回はメインが北斎でした。
今回北斎以外の作品で痺れた作品をご紹介します。

本物の迫力をお伝え出来ないのが残念です。
歌麿は個人的に影響を受けている絵師です。
まさかここで歌麿の作品に出合えるとは思っておりませんでした。
最高です!

■空間について
ここが個人的には1番素晴らしいなと感じました。
それぞれ世界観の違う作品を展示するうえで全てが適切でした。
「ようこそ、美の殿堂へ」というキャッチフレーズに完全に納得しました。

まずは冒頭にあげたように記録媒体の持ち込みが禁止なので、美術品と強制的に向き合うしかない選択肢が最高なんですが、全フロア黒を基調にした暗めの照明で作品にしっかり照明が当たっている。
まるで作品が宇宙に浮かぶ星のような輝きを放っていました。
そして展示室は完全に無音で集中力が高まります。

1F~5Fまでの空間が
1F:小フロアが連結
2F:大広間
3F:小フロアが連結(北斎展示ルーム)
4F:小フロアが連結
5F:大広間

展示室のサイズが2Fと5Fで大広間なんですが、特に2F展示室温は入った瞬間その広さと展示方法に「すご!」と思わず声が出てしまいました。

そして全ての展示を見終えた後、庭園へ出られるのですが、これがまた良い。

風情を感じる庭園というのもあって呼吸が気持ちが良い。
展示でかなりエネルギーを使うので、庭園から得られる披露治癒効果が素晴らしい。

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さらに最後には足湯にも入れちゃいます。
勿論入りました。

■最後に
これらの展示がたった3000円弱で楽しめるとは驚きです。
極上の美と時間を過ごせました。
「美の殿堂」ってかなり期待しちゃいますが、余裕で越えていきました。

総括すると全てにおいてキレがあります。
人が見る事を前提にデザインされているのは当たり前ですが、これほど見事なのは凄い!

自分の足で歩いてみる事で価値が生れる美の殿堂。
一度遊びに行ってみては如何でしょうか?


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