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ホテル展示の狙い

こちらはラジオ「長澤翼のとなりの席」でお話した内容です。音声の方がご都合が良い場合は下記よりご視聴いただけます↓

愛知県豊橋市にあるロワジールホテル豊橋の全客室に一文字アートを常設するという現在進行中のプロジェクトについて勝手ながらご紹介します。
これは「自分の作品がホテルに飾られるイェーイ」ということではありません。
僕の職業はアーティストです。
あらゆる機会を問題定義の場と捉えて表現をしていく必要があります。
アートというとなんだか極めて感覚的な分野というイメージがあるかもしれませんが、その逆で極めて論理がしっかりした分野であると僕は考えています。
ではロワジールホテルではどのような展開をしていくか?というところですが、勿論、僕でないとできないと表現というのがアートとして最低限の形にしていこうと考えております。

どういうことかというと、ここには僕自身の課題解決が含まれています。
※アートというよりデザイン的なアプローチに近いです。
僕は1年間にそれなりの数ホテルなどに宿泊します。
その中で「この部屋とても素敵だな」「また泊まりたいな」と思うことも少なくありません。
しかしここに課題があって、僕がその部屋に泊まりたいと思っても、そのことをホテルの方に伝えることが出来ないということ。その理由には記憶力の問題があります。
僕はこの感覚がとても寂しく感じていました。部屋の家具、日当たりなど同じようで違うので、そこを指定したいのにできない。
これをどうにかしたいと思ったときに、自分の作品たちがその問題解決を担えることに気付いた訳です。
例えば、「1」という字が部屋に飾ってあった場合は、その部屋をまた指定したい時には「1」という字が飾ってあった部屋と伝えれば確実にその部屋に泊まれます。

ロワジールホテル豊橋の客室より


「いやいや、ちょっと待て長澤。ホテルに泊まるにしてもそんな細かい客室の指定ができるところなんてないだろ」と思うかもしれません。
その感覚とロワジールの件は全く別の話です。僕はロワジールホテルでこのプロジェクトを行っており、ロワジールではその細かい対応が可能です。
ロワジールホテルは松井 一晃さんを通じて柔軟な対応ができるようになっております。
僕なんてもう日程だけ伝えれば「必要な備品は何か」「どんな部屋がいいか」「チェックイン、チェックアウトは何時か」が伝えなくても整っています。
松井さんを通す事で限りなくパーソナライズした宿泊が可能になることから、このようなやり方が成り立つという算段です。

また、作品の一部にはQRコードが埋め込んである作品があります。これは最近のスマホの機能を逆手に取った表現で、なんとなく写真を撮ろうと思って作品にカメラを向けたら自動でQRを認識するという訳です。
読み込んだリンクを開いてみると、なんとホテルの貸し出し可能な備品のページが出て来るんです。

なぜそんなことをするかというと、ロワジールホテルは貸出備品が充実しているというのもありますが、ロワジールに限らずテーブルの上においてあるいかにも資料っぽいQRを読み込んだことがありません。その風景になってしまっている資料を少し見せ方を変えて作品に埋め込んだらどうなるか?という好奇心的な側面が大きいのが理由です。
何も知らずに作品経由で貸出備品のページを奇跡的に見つけた方は、凄いものを発見した気持ちになると思います。


一文字アート【煌】


さて、これらの試みがどうなるかはまだまだわかりませんが、楽しみながらホテルへの常設にしっかり意味を付帯していきます。


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