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「VUCA時代の医療機関と臨床検査技師」のブログを書き始めるにあたり

先日、某臨床検査技師養成校の同窓会にて講演の機会をいただき、その時に取り上げたテーマが「人口減少社会における医療機関の未来と医療従事者の役割-VUCA時代の臨床検査技師を考える-」です。医療者的にはあまり聞き慣れないVUCAという言葉に着目しつつ、医療機関や技師を取り巻く環境変化と影響について触れた講演内容は想像以上に反響がありました。一方で、会はクローズドであるため一部の方しか聞けていません。ですので改めてこのブログにて、講演内容を何回かに分けて、ご紹介していきたいと思います。主に臨床検査技師向けに構成した内容ですが、他の医療者やヘルスケア企業の方も参考になる点があるかもしれません。長文(といっても5分程度で読める)となりますが、ご興味のある方はどうぞお読みください。何かしらのヒントになれば嬉しいです。

そんなわけで今回の第0回では、次回、第1回からの中身に入る前にキーワードである「VUCA」について少し説明し、その上でこれから取り上げるテーマと見どころをご紹介していきたいと思います。全11回の長期にわたる投稿にどうぞお付き合いください!

そもそもVUCAとは?

変動性=Volatility、不確実性=Uncertainly、複雑性=Complexity、曖昧性=Ambiguityの頭文字をとって作られたのがVUCA(ブーカ)です。それぞれの言葉の意味をみるとわかりますが、変化の激しい時代を表す言葉として持ちいられています。

例をあげれば、先般ウクライナ戦争が勃発しましたが、まさか自分たちが生きている間に戦争が起きるとは思わなかった人が多いのではないでしょうか。コロナウイルスの流行では、中国から始まり気づいたら全世界で流行、日本でも大きな影響を及ぼし未だにその爪痕は消えていません。人口構造の変化においては、特に日本は世界の中でも先頭を走っており、今まさに財政上の課題を抱えています。その他、世界を見渡すと多発性のテロがあったり、AIロボットなどの技術革新は最近目覚ましいものがあります。気候変動は国際的な大きなテーマとなり、私たち個人にまでSDGSという言葉で知られています。そして日本は地震をはじめ自然災害が多発しており、これまた生活をする上で重要なポイントとなっています。

このように想像を超えた大きな外部環境変化が私たちを取り巻いており、一人一人の仕事や働き方に大きな影響を及ぼしていきます。そして、私たちはこのような環境にしっかりと順応していく必要があります。

そんなわけで、VUCAという視点で持って、今後の医療界や臨床検査業界、そこで働く臨床検査技師自体にどのような影響が起こり得るかをこれからの投稿で触れていければと思っています。

第1回から第11回までのテーマ

次回、第1回からの投稿では、「VUCAの要素」「VUCAと人材への影響」「おわりに」という3部構成にて、全11回に分けてテーマ別に考えていきたいと思います。

VUCAの要素」では、環境変化としてメディアでも良く取り上げられる「人口の問題」と「AI等の技術革新」、また「経済環境と病院経営」という視点で、臨床検査に絡めて整理をしてみたいと思います。

続く、「VUCAと人材への影響」では、VUCAという環境変化が及ぼす影響について考えるため、「人材管理」や「グローバルな教育指針」、「求められる能力」という視点で整理をしてみたいと思います。
加えて、今後特に重要視されるであろう価値観について、「就職後の価値観形成」、および「学生期における価値観形成」という視点で考察を試みたいと思います。

そして最後に「まとめ」として全体を通した個人的意見と感想を述べたいと思っています。

今後の投稿では、可能な限り客観的なデータや他の文献の内容を取り上げつつ神戸の考察を組み込む形で進んでいきます。読んでいただくことで、皆さまの新たな気づきや学びに繋がることを期待しています。また、読んでいく中で読者自身の別の視点や意見が出てくることと思いますが、むしろそのような課題意識が想出され、議論が深まるのも狙いであります。是非、これらの文章を叩き台にしていただき、現場および業界にて更なる意見交換に繋がることを願っています。

それでは、あなたの密かなネタ帳として自由に使っていただけるよう、頑張って文章に起こしていきたいと思います。


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