地獄の人員不足

どの会社でも、人員不足に悩むのは割とよくある話。
私が働く工場も例外ではなく……
全員揃っていても、作業者が2人足りない状態となっている。
そのため、私達社員が作業者の代わりをしなければいけない。
もしもこの状況で1人でも休みが出たら……
まさに地獄である。1人で3人分の仕事をこなさなければいけない。
それに、社員が作業者と同じ作業で高い給料を貰える訳もなく……
無論、社員としての仕事もやらなければいけない。
残業をするなと言われているため、定時にタイムカードを切り、パソコンに向かっていることが多い。
全てを定時に終わらせる事など不可能。
必然的に、休日に会社に「遊びに来る」人も多くなる。
日々の業務だけで息が詰まりそうな状態にも関わらず、上からは余計な仕事が指示される。
それが少しでも遅れようものなら役立たず扱い。
「会社に不満があるなら辞めた方がいい。」
「作業者と同じ仕事しかしないなら、契約社員になるか?」
「やめてもお前の名前を来季の予算から消すだけだから、簡単。」
「ここで俺がお前を1時間近く呼び止めてるけど、現場は回ってる。お前1人居なくても問題ない。」
全て上司からいわれた言葉。
直接「辞めろ」とも言っていないし、私の人間性を否定する訳でもない、能力が劣る人間を厳しめに指導しているだけなので、パワハラをギリギリ回避している。
体力も精神も削られ、これが週6日、日曜だけ休み、明日からまた仕事……
いつの日かこの地獄から解放される日は来るのだろうか……
どの工場でもそうであろうが、私の職場でも例に漏れず、安全第一を掲げている。
現場を走るな、とは言うものの、作業者の休憩時間で人では足りず、機会のトラブルが重なり、生産終了間近のため立ち下げの準備、さらに一定時間置きの製品や機械の検査もある。
そんな物を1人で抱え、慌てるな、走るなという方が無理ではないか。
私はよく、現場を走っている姿を上司に見られ、厳しく叱責を受ける。
お前が走るから作業者も走ると言われるが、私が走ろうと走るまいと走る人は走るであろう。
現に私は誰かが走っている姿を見て走っている訳では無いし、上司が走らないから私も走らないようにしようとは微塵も思わない。
どうすれば走らなくなるか、答えは明白。
人員を増やせ。これに尽きる。
机に向かって数字を見ている人間に現場の苦労などわからないのであろう。
それでいて作業者からのちょっとした不満を耳にすると、現場の社員が厳しく叱責を受ける。
そして、改善策を示さなければいけない。
作業者は人間だが、社員は人間ではないとでも言うのか。
明日からまたこの地獄に舞い戻る。
まるで無期懲役刑である。
あと何年服役すれば出所できるのであろうか……

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