キャリア軸は、見つけて終わりじゃありません。
「キャリア軸」は一度見つけたら終わりでは無い
キャリア選択の際に自分の軸(自分の物差し)を持つ必要があるという話が随分と市民権を得てきた気がします。個人向けのキャリアカウンセリングサービスも爆増中だし、マスメディアでも取り上げられる機会が急に増えてきました。
でも、どうもこの「キャリア軸」が誤って認識されている気がしてなりません。
このキャリア軸というのは、一度作ったらそれで終わりというものではありません。その後も常日頃からメンテナンスしていないと、すぐ使い物にならなくなってしまいます。
なぜメンテナンスが必要なのか?
というのも「キャリア軸」は常に変わるものだからです。
どれだけ時間をかけて、どれだけ労力をかけて、時には大枚をはたいて「キャリア軸」を作り上げたとしても、時間が経てば劣化して使い物にならなくなってしまいます。
例えば、新しい仕事を経験した時、自分のライフステージが変わった時、社会情勢が変わった時など、今までの「キャリア軸」は大きく影響を受けます。
どんな時に変わるのか?
新しい仕事を経験した時
「キャリア軸」を見つけるための王道アプローチは過去の振り返りです。どんな時に喜びを感じ、どんな時に悲しかったのかなどを洗い出し、そこに共通するルールを見出すことで自分のルール「キャリア軸」を形作っていきます。
語弊を恐れずに言えば「キャリア軸」というのは、要するに過去の経験のみをベースに作られているわけです。未来のことは考慮されていません。
そのため、例えば社内での異動や転職によって新しい仕事を経験すると「キャリア軸」が変わってしまうということは当たり前なのです。
ライフステージが変わった時
結婚、妊娠、出産、子育て、介護、などなど自分のライフステージが変わるタイミングでも「キャリア軸」は大きく変わります。
僕にとっては子どもが生まれたことが大きな価値観の変化につながりました。
それまで自分のやりたいことを自己責任で自由にやることが自分の喜びだったのですが、子どもが生まれたことで彼らを守らねばならぬという責任感が生まれました。
結果、手がけたい仕事の内容は自分の好きなことから、子どもの未来に資するものへと変化しました。
社会情勢が変わった時
社会情勢によって、価値観も変わります。特にここ10年、20年は特に目まぐるしく世の中の価値観が変わっているような気がします。
僕の記憶にある限りでは、アメリカの9.11(当時はアメリカ留学中だったので)、リーマンショック(当時は金融会社に勤めていたため)、東日本大震災、そしてコロナ。
どう変わったかは今回は省きますが、それぞれの出来事によって、僕の価値観は随分と変わった気がします。それによって働く意味や意義も変化してきました。これは皆さんもご自身の価値観の変化を感じているのではないでしょうか。
メンテナンスを怠ってはいけない
キャリア軸を見つけるということはとても大切です。そしてその重要性をメディアが取り上げるようになってきたのはとても素晴らしいことだと思います。
しかし、誤解して欲しくないのは「キャリア軸」を一度見つけたらそれで終わりでは無いということ。
新しい仕事を経験したり、ライフステージが変わったり、社会情勢が変わることで「キャリア軸」は大きく変化します。
だからこそ、常日頃から自らの「キャリア軸」を問い続け、メンテナンスを怠らないことが重要なのです。
【おとなの新路相談室】で、思考をメンテナンスしよう。
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