17歳の浅田真央と14歳の長洲未来

浅田真央さんと長洲未来選手の共通点といえば「トリプルアクセル」。最近では、4回転ジャンプを成功させる女子選手もいるが、存在感でいえば、真央ちゃんや伊藤みどりさんにはかなわない。

一昨日の深夜、スカパーで2007年日米対抗フィギュアスケートが放送されていた。この試合に当時17歳だった真央ちゃんと14歳の長洲選手が出場していたのだ。そして、バンクーバーオリンピックでは真央ちゃんのライバルになるだろうといわれていたキャロライン・ジャン選手も。

まず、印象的だったのは真央ちゃんのジャンプである。力みがないというか、とにかく美しい。よいジャンプは音がしないというが、飛ぶ時も降りる時も静かなのだ。まだ、表現力は未熟だったが、スター性は十分だった。

この時期の日本フィギュアスケート界は、村主章枝さんや安藤美姫さんといったスター選手がいて、真央ちゃんはこうした先輩たちとしのぎを削っていたのだ。2人は日米対抗フィギュアスケートにも出場していて、ジャンプの失敗はあったものの、表現力やスケーティングの美しさで存在感を見せていた。

アメリカの新星として登場したのが、長洲未来選手である。2010年のバンクーバーオリンピックに出た時は、すでにパワースケーターの片鱗を見せていたが、当時は小柄で可憐な印象だった。のびやかな滑りは将来性も感じさせられた。

当時のアメリカのフィギュアスケート界で期待度が高かったのは、長洲選手ではなく、キャロライン・ジャン選手だったと思う。2006年のジュニアグランプリファイナル、2007年の世界ジュニア選手権で優勝しているわけだから、当然である。日米対抗フィギュアスケートがシニアのデビュー戦だったということもあるのかもしれないが、結果は奮わなかった。

バンクーバーオリンピックのアメリカの女子シングルの代表は、長洲選手と日米対抗フィギュアスケートにも出場していたレイチェル・フラット選手だった。長洲選手は、両親が日本人ということで日本でも話題になっていた。

ジュニア時代に期待をされても、シニアになってから伸び悩んだり、思うような結果が出せない選手もいる。キャロライン・ジャン選手の場合、グランプリファイナルにも出場しているし、四大陸選手権でも表彰台に乗っているわけだから、実績もある。それでも、日米対抗フィギュアスケートに関していえば、長洲選手の方が魅力的だった。だからこそ、息の長い選手になったのかもしれない。

14歳の長洲選手を見ていると「トリプルアクセル」に挑戦するなんて、とても思えない。ピョンチャンオリンピックの団体戦で成功させたのだから驚きだ。

今、日本で「トリプルアクセル」といえば、紀平梨花選手である。紀平選手は、ジャンプだけでなく、スケーティングもスピンも上手い選手だ。真央ちゃんのように表現力に磨きをかけて、世界を魅了する選手になるのだろうか、それとも、長洲選手のように力強いダイナミックな演技をするのか。どちらにしても息の長い選手になってほしい。





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