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【本の感想】クズが自分をクズと自覚して変わってからが勝負の人生

 兼近大樹さんの初小説『むき出し』を読みました。

 共感できるところがあるなあって思いながら。
 自分がクズだ~って「気がつく」ところから始まって、そこからが人生の勝負だなあ。
 クズだからそれでいいや、じゃなくて、これからは何か役に立つ人生にしたい、って思うだけでもう大きな一歩なんだと。

 これでいいや、こんなもんでいいや、って思っちゃたらそれまで。
 そこからどう生きるかが大切。

 そういうことを、自然と考えちゃう小説でした。

 どんどん読めちゃうのは面白かったです。

 あえて難を言えば、ファーストシーンとつながるところからそのあと、もっと具体的なエピソードで展開されたらもっと面白くなったでしょう。

 この小説は、私小説というか、作者の体験がベースになっていると思われます。
 2作目は、完全フィクションで「小説」が読みたいです。
 その2作目あるいは3作目、芥川賞ノミネート→受賞というミラクルロードになったらいいなあ。
 作家・兼近さんの次作を楽しみに。

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